以前、何かでこの本をおすすめされて(誰からだったか・・・、それともどこかのサイトでだったか・・)かなり前にリクエストしていたのが忘れたころに回って来ました。
内容はよく知らなかったのですが、私の苦手な不治の病で亡くなる系のお話だったのですね・・・。
重松さんの小説は一時結構読んでいたのだけれど、最近しばらくご無沙汰していて、嫌いってわけじゃないのだけれど、読んだ後、ヘビーというか・・重い気持ちになるお話が多いので、ちょっと避け気味だったんですよ。
で、本作は?というと、今まで読んだ重松作品の中で、最も重い気持ちになる内容だったけれど、でも引き込まれてグイグイ一気読みさせられたし、読んで後悔は全くしておらず、むしろ読んで良かったかな・・・と思う小説でした。
でも、後半3部作の4人家族と、かなり似た家族が、すごく身近にいたため、ちょっと冷静に読めなかったというか・・すごく辛かったです。
短編が9つ入っていますが、最初の4つは、それぞれ独立した短編で登場人物も違っています。しかし後半の3作に人物がリンクしています。最後の3つは時系列順になっていて、同じ家族のお話です。
ひこうき雲
小学校のクラスの同級生の女子のガンリュウが病気で入院してしまい、お見舞いに行くことになるが・・・。
朝日のあたる家
高校教師の主人公。夫を早くに突然亡くしてから娘と2人で暮らしている。朝マラソンをしていると、教え子に会った。彼はカメラマンを目指していて、コンビニでバイトしている。また彼と同級生であり、やっぱり教え子の女子が結婚し、実は教師と同じマンションに暮らしていることが解る。彼女は夫からDVを受けていて、万引き癖があった。
潮騒
小学生の頃、同級生のオカちゃんが海で行方不明になってしまった。オカちゃんから一緒に海に行こうと誘われたけれど断ったシュン。
ひとごろし、とシュンをなじった石川。その後オカちゃんのお母さんは息子を失ったショックから、おかしくなってしまう。
そして現在、シュンはガンで余命宣告を受ける。久しぶりに短期間だったが少年時代を過ごしたあの海辺の町に行って、石川と会って話すのだった・・・。
ヒア・カムズ・ザ・サン
高校生の息子と母は2人暮らし。母がガンに・・。(この母は、和美の病院に入院しており、お見舞いに通う、陽気な息子というシーンで登場する) 母は路上ライブをしているアーティストのファンになり、毎日観覧しているのだった。
その日のまえに
和美夫婦は2人が若い頃住んでいた町、アパートなどを巡る外出をする・・
その日
いよいよ、危篤状態に陥った和美。今まで息子2人には黙っていたが・・・
印象に残ったところ。265頁に悲しみと不安では不安のほうがずっと重い の説明が、まさに、そうだ!と凄く納得してしまう説明がなされていました。病名が解る前の悶々とした不安と、病名が解ってからの苦悩と悲しみと、両方辛いけど、やっぱりかたちのない不安は、一番苦しい時なのかもしれない。
その日のあとで
3か月が過ぎたころ・・
最初の4つは、後半の3作に人物がリンクしています。
「その日のまえに」の261頁に、2人が最初に暮らした家を訪ねてみたら、そこには「朝日のあたる家」で、一緒に逃亡?した、高校の同級生の武口と入江の名前があった!2人は、刹那的ではなく、その後も一緒に過ごしていたんだなあ・・・と嬉しくなりました。
「その日」で、かもめ花火大会のポスターの依頼をしてきた石川さんとは、「潮騒」で登場した商店の人で、亡くなってしまった幼馴染とは、シュンのことだった。ガンの告知をされて、久しぶりに故郷に帰ってきて、石川さんと一緒に海に行ったシュンは、その後やっぱり亡くなっていたのですね・・涙
「その日のあとで」で、妻が慕っていた看護師の山本さんは、「ひこうき雲」の美代子ちゃんのその後の姿だった。素晴らしい看護師さんになられていたんですねー!亡くなって3ヶ月頃、自分のことを忘れる頃に渡して欲しいと託した手紙を持ってきてくれる。
その日のまえに 重松 清 2005/8/5
十字架
「トワイライト」「カカシの夏休み」
「青い鳥」
きみの友だち、流星ワゴン
「ブルーベリー」「うちのパパが言うことには」
「カシオペアの丘で」重松清 重すぎました・・・。
読んだのがだいぶ前なんですが、それでも「この作品は辛かった」という記憶を、ひしひしと思いだしてしまいました。
余命を知って、あがいてもがいて、受け入れる。簡単なことではないと思うのに、それができる登場人物たちはなんてすごいんだろう、自分にはできない、と痛感しました。
重松さんの作品は好きで以前から読んでいたのですが、同じく内容が重たいものが多くて、1度これは辛い…というのを読んでしまって^^;それから結構遠ざかってしまっています。
この作品も読んでいて辛かったですが、読んでよかったと思えました。
それでも、病気や死に関する内容が続く短編集は結構読んでいて辛いですよね^^;
そうですよねー、随分前にお読みになられていらっしゃるので、だいぶ記憶も薄れてしまっているかと・・・
こういうお話は苦手なのですが、恋愛ものではなく家族ものだったせいなのか・・とても真剣に読ませてもらい、色々考えさせられました。
苗坊さんも、やっぱり、何か重ーい重松作品以後、ちょっと遠ざかり気味なのですね。
なんていう本なのか、ちょっと気になったりしますが
そうですねえ・・・・突然ふって湧いたかのようにやってくる病。何故自分が?なぜ家の家族なんだ?って思う気持ち、凄く良くわかります・・