骨太な小説、山で一人暮らす様子や熊とのバトル、そして意外なラスト
人vs熊の内容だと思っていたら、4分の3くらい過ぎたあたりから、あれ・・・?って方向にお話が進み、ラストは最初読み始めた時には全く想像もしていなかった処に。
熊対決のあたりまでは、登場人物は熊爪と犬と熊がメインで、人間と獣の中間くらいな暮らしぶりの熊爪の人柄や考えていることなどがメインになっていて読みやすいです。
たまに村に降りてきて、良輔にキモ等売ったり、日常の様子を話してやる程度で登場人物は沢山出て来ないし。
物語は、熊爪が山で熊にやられ、目に大怪我をした男を渋々助け、応急処置をした後小屋で数日様子を見て、その後医者にしっかり見てもらえるように村に男を連れて行ってやるという処から始まります。
その後、熊爪は今後やっかい事をもたらす可能性が高い「穴持たず」を倒す決意をするのですが
★以下ネタバレ★
穴持たずと対決し、もうダメか?と思った時に、赤毛というここの山に住む強い熊が出てきて熊同士がバトルになり命拾い。赤毛が穴持たずを殺しました。
その時に負った怪我で、初めて気が弱くなった熊爪。
辺鄙な森の中の彼の住まいまで、医者を派遣し、食料を持って行くようにしてくれた良輔。(それ以前に、熊爪の怪我を知らせるためにワンコが遠路はるばる屋敷に行っただなんて、すごい・・・)
それ以後、定期的に時々食事を届けに来てもらえたり、ありがたいよねー。
その屋敷にいた謎の陽子という幼く見える謎の盲目の女性に前から惹かれていたのね・・・。
その後、熊爪は赤毛を殺せました。(内心、死ぬつもりでいたのですが)
目的を果たした後、陽子と一緒に暮らしたいと村へ行き良輔に了解を得て、既に身重になっていた陽子を連れて山へ戻り一緒に暮らす様になります。そもそも陽子は片目は見えていたのを隠していた。出産して乳離れするまでは性交渉はしないと宣言し、それをのむ熊爪だった。
その後解禁されて数か月後、今度は熊爪の子供を宿すんだけど、陽子は何時から決めていたのか?解らないが、熊爪を短刀で殺そうとし、熊爪もそれを受け入れて死んでいく。
陽子は赤ん坊を連れて出て行き、犬は主人の側にいようとしてが「行け」と言われたため出て行った。
最後のページ 何年もが過ぎ日露戦争が終わった頃。
良輔の家は没落し、彼は療養院でひっそり一人で亡くなったそうだ。陽子は花街で人気があったが、2人の子供(細い男の子と、骨太の女児)の女児の方に怪しい目を向ける男たちが出始めた頃、どこかに行ってしまい行方知れずに。
腹に傷跡のある犬は群れに属さず一匹で暮らしており、自分に従わせようとした猟師たちがいたが、決して捕らえられなかったそうだ。年老いた頃、やっとある男が手なずけ最後の主人となった。そして熊爪の住んでいた小屋に連れて行った。そこは散々に荒らされ、何もわからない状態になっていた。
犬が凄く賢いし律儀だし、一番の信頼出来る家族でしたよ。以上
最近熊が市街に現れるとか、人を襲うというニュースを日々見聞きしますが、この本で色々初めて知った事もあり、勉強になりました。
熊の頭を銃で狙っても貫通して殺すことはできないから、心臓を狙わねば一発ですぐ仕留められないんですね・・・ しかも心臓にあたっても暫くの間は動くとか・・・。
個人的には最後の方の展開が、うーん・・・と、なぜか残念な気持ちになってしまいましたが、読み応えがありました。
動物の解体の詳細、シーン等リアリティがあって迫力ありました。(そういうの好きじゃないけど・・)
以前黒澤明の凄く良い映画で、「デルス・ウザーラ」を見たのですが、それを連想させられる処が前半はありました。
「デルス・ウザーラ」北海道のすぐ側!地図画像有り
ともぐい 河﨑秋子 2023年11月20日
第170回直木賞を受賞作品
「土に贖う」
人vs熊の内容だと思っていたら、4分の3くらい過ぎたあたりから、あれ・・・?って方向にお話が進み、ラストは最初読み始めた時には全く想像もしていなかった処に。
熊対決のあたりまでは、登場人物は熊爪と犬と熊がメインで、人間と獣の中間くらいな暮らしぶりの熊爪の人柄や考えていることなどがメインになっていて読みやすいです。
たまに村に降りてきて、良輔にキモ等売ったり、日常の様子を話してやる程度で登場人物は沢山出て来ないし。
物語は、熊爪が山で熊にやられ、目に大怪我をした男を渋々助け、応急処置をした後小屋で数日様子を見て、その後医者にしっかり見てもらえるように村に男を連れて行ってやるという処から始まります。
その後、熊爪は今後やっかい事をもたらす可能性が高い「穴持たず」を倒す決意をするのですが
★以下ネタバレ★
穴持たずと対決し、もうダメか?と思った時に、赤毛というここの山に住む強い熊が出てきて熊同士がバトルになり命拾い。赤毛が穴持たずを殺しました。
その時に負った怪我で、初めて気が弱くなった熊爪。
辺鄙な森の中の彼の住まいまで、医者を派遣し、食料を持って行くようにしてくれた良輔。(それ以前に、熊爪の怪我を知らせるためにワンコが遠路はるばる屋敷に行っただなんて、すごい・・・)
それ以後、定期的に時々食事を届けに来てもらえたり、ありがたいよねー。
その屋敷にいた謎の陽子という幼く見える謎の盲目の女性に前から惹かれていたのね・・・。
その後、熊爪は赤毛を殺せました。(内心、死ぬつもりでいたのですが)
目的を果たした後、陽子と一緒に暮らしたいと村へ行き良輔に了解を得て、既に身重になっていた陽子を連れて山へ戻り一緒に暮らす様になります。そもそも陽子は片目は見えていたのを隠していた。出産して乳離れするまでは性交渉はしないと宣言し、それをのむ熊爪だった。
その後解禁されて数か月後、今度は熊爪の子供を宿すんだけど、陽子は何時から決めていたのか?解らないが、熊爪を短刀で殺そうとし、熊爪もそれを受け入れて死んでいく。
陽子は赤ん坊を連れて出て行き、犬は主人の側にいようとしてが「行け」と言われたため出て行った。
最後のページ 何年もが過ぎ日露戦争が終わった頃。
良輔の家は没落し、彼は療養院でひっそり一人で亡くなったそうだ。陽子は花街で人気があったが、2人の子供(細い男の子と、骨太の女児)の女児の方に怪しい目を向ける男たちが出始めた頃、どこかに行ってしまい行方知れずに。
腹に傷跡のある犬は群れに属さず一匹で暮らしており、自分に従わせようとした猟師たちがいたが、決して捕らえられなかったそうだ。年老いた頃、やっとある男が手なずけ最後の主人となった。そして熊爪の住んでいた小屋に連れて行った。そこは散々に荒らされ、何もわからない状態になっていた。
犬が凄く賢いし律儀だし、一番の信頼出来る家族でしたよ。以上
最近熊が市街に現れるとか、人を襲うというニュースを日々見聞きしますが、この本で色々初めて知った事もあり、勉強になりました。
熊の頭を銃で狙っても貫通して殺すことはできないから、心臓を狙わねば一発ですぐ仕留められないんですね・・・ しかも心臓にあたっても暫くの間は動くとか・・・。
個人的には最後の方の展開が、うーん・・・と、なぜか残念な気持ちになってしまいましたが、読み応えがありました。
動物の解体の詳細、シーン等リアリティがあって迫力ありました。(そういうの好きじゃないけど・・)
以前黒澤明の凄く良い映画で、「デルス・ウザーラ」を見たのですが、それを連想させられる処が前半はありました。
「デルス・ウザーラ」北海道のすぐ側!地図画像有り
ともぐい 河﨑秋子 2023年11月20日
第170回直木賞を受賞作品
「土に贖う」
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