ラストに感動しました。5つ★
薬丸岳さんの本は今まで2冊読んでいます。
有名な人気作である「天使のナイフ」よりも、私は本作「友罪」が好きです。
この小説は、トリックとか推理とか、あっと驚くどんでん返しとか、そういうのがあるお話ではありません。
でも、凄く読みごたえがあって、考えさせられる内容です。
新しく出来た友達が、実は少年時代に世を戦慄させた、おぞましい殺人犯だった。
自分だったら、どうするだろうか?と、誰しもが読みながら思うでしょう・・・。
元々、こういった少年犯罪とか、被害者と加害者とか、そういう内容の作品に興味が沸いて、幾つか小説とか映画とか見て来ているのですが(例えば、イギリス映画の「BOY A」とか・・・)
本作は、今までの作品の中で、最も救いがある内容の気がします。
でも、今までの作品は、本当の姿が解ってからを、ちゃんと描いてない気がするんです。
その後は、見た人(読んだ人)に、委ねるとか・・・自殺しちゃってお終い・・・とか、そういう展開が多い様な・・・(あ、でも、そういう展開が、作者が逃げて描いたと言ってるわけじゃありませんが)
本作「友罪」は、その本当の姿が解ってから、という難しい部分に果敢に挑戦し、かつ、感動的な内容に締めくくっています。
本当に凄い事だな、って思いました。
作家の薬丸さんの渾身の力作というか、真摯に格別の思いをこめて書かれたであろう事が、ヒシヒシと伝わって来ます。
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
もう中学の時の様な失敗をしたくない。もう友人を死なせたくない。
ラスト、S君への手紙という記事を実名で雑誌に載せる覚悟をする益田。
その手紙の文面は、この後もずっと文学界や映画界の歴史に残りそうな名文でした。
あと、山内さんの息子さんが無免許運転で事故を起こしていたこと、その償いのために、家族解散していた、というのは衝撃でした。以上
友罪/薬丸 岳 (2013/5/2)
(あらすじ・内容) ―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?―
ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる・・・・・・
薬丸さんのインタビュー記事
「天使のナイフ」「悪党」 の感想
薬丸岳さんの本は今まで2冊読んでいます。
有名な人気作である「天使のナイフ」よりも、私は本作「友罪」が好きです。
この小説は、トリックとか推理とか、あっと驚くどんでん返しとか、そういうのがあるお話ではありません。
でも、凄く読みごたえがあって、考えさせられる内容です。
新しく出来た友達が、実は少年時代に世を戦慄させた、おぞましい殺人犯だった。
自分だったら、どうするだろうか?と、誰しもが読みながら思うでしょう・・・。
元々、こういった少年犯罪とか、被害者と加害者とか、そういう内容の作品に興味が沸いて、幾つか小説とか映画とか見て来ているのですが(例えば、イギリス映画の「BOY A」とか・・・)
本作は、今までの作品の中で、最も救いがある内容の気がします。
でも、今までの作品は、本当の姿が解ってからを、ちゃんと描いてない気がするんです。
その後は、見た人(読んだ人)に、委ねるとか・・・自殺しちゃってお終い・・・とか、そういう展開が多い様な・・・(あ、でも、そういう展開が、作者が逃げて描いたと言ってるわけじゃありませんが)
本作「友罪」は、その本当の姿が解ってから、という難しい部分に果敢に挑戦し、かつ、感動的な内容に締めくくっています。
本当に凄い事だな、って思いました。
作家の薬丸さんの渾身の力作というか、真摯に格別の思いをこめて書かれたであろう事が、ヒシヒシと伝わって来ます。
★以下ネタバレ 白文字で書いています★
もう中学の時の様な失敗をしたくない。もう友人を死なせたくない。
ラスト、S君への手紙という記事を実名で雑誌に載せる覚悟をする益田。
その手紙の文面は、この後もずっと文学界や映画界の歴史に残りそうな名文でした。
あと、山内さんの息子さんが無免許運転で事故を起こしていたこと、その償いのために、家族解散していた、というのは衝撃でした。以上
友罪/薬丸 岳 (2013/5/2)
(あらすじ・内容) ―過去に重大犯罪を犯した人間が、会社の同僚だとわかったら?―
ミステリ界の若手旗手である薬丸岳が、児童連続殺傷事件に着想を得て、凶悪少年犯罪の「その後」を描いた傑作長編!
ジャーナリストを志して夢破れ、製作所に住み込みで働くことになった益田純一。同僚の鈴木秀人は無口で陰気、どことなく影があって職場で好かれていない。しかし、益田は鈴木と同期入社のよしみもあって、少しずつ打ち解け合っていく。事務員の藤沢美代子は、職場で起きたある事件についてかばってもらったことをきっかけに、鈴木に好意を抱いている。益田はある日、元恋人のアナウンサー・清美から「13年前におきた黒蛇神事件について、話を聞かせてほしい」と連絡を受ける。13年前の残虐な少年犯罪について調べを進めるうち、その事件の犯人である「青柳」が、実は同僚の鈴木なのではないか?と疑念を抱きはじめる・・・・・・
薬丸さんのインタビュー記事
「天使のナイフ」「悪党」 の感想
連日暑いけど元気かな~~
これ読みました。感想はまだあげていないけど。
一気読みだったよね。先が知りたくって
しかたがなかったわ。
某事件を連想させる題材で
もしかしたら自分の身近で起るかもと
思うととっても考えさせられるよね。
益田さんの葛藤の末の結論は心に響いたよね
物書きだからできることだったと思うし。
母親がわりの保護観察の人の話も→自分の
子どもとはうまくいっていない・・・とか
恋人関係の女性の過去とか・・・
それぞれの人間模様も衝撃的な感じで
読み応えあったよね。
正直複雑な心境にたびたびなったけど・・・
読んでよかったと思った一作でした。
これ、私も図書館予約済みなんですが、
後れを取ってしまい、未だ200人以上
待ち(T_T)。
latifaさんの評価、高そうですね、楽しみ~!
早く、順番がこないかな。読んだら、また
来ます、いつになるやら・・・
これ、やっぱり一気読みですよねー。
どうなるんだ?って、先が気になるし、とても読みやすかったし。
みみこさんは、薬丸さんの本は、ほとんど読んでいるのよね?
だから、これを読んだ後、みみこさんちに感想アップされてないかな~って、実はお邪魔して、検索してみたんだよ。
そうっか、読んだばっかりで、感想これから(今はもうアップされてたね^^)だったんだね。
>物書きだからできることだったと思うし。
これ。
ジャーナリストなら、こういう所を聞き出して、文章にしたかったって箇所とか読んで、なるほどな・・・って思ったわ。
最初は、記事にするなんてー!って、記事することを、あさましい・・・って思ってしまったんだけど(売名行為とかお金もうけ、話題提供・・)
だけど、ちゃんと益田の所を読んで行くうちに、そうだよな、文章にすることで、ちゃんと世間の人に、Aの事とか、事件の事を正しく知らせる意味も、あるんだよな・・・、って、記事にすること全てを全拒否する気持ちが無くなって行ったよ。
>母親がわりの保護観察の人の話も→自分の子どもとはうまくいっていない・・・とか
ここは、BOY Aを少々思い出したりした。
えーっ、これ、そんなに人気があるんですね??
知らなかった・・・。
私のところは、それほどでもなかったよ。
早く、感想をお聞きしたいですー。
楽しみに待ってます。
「友罪」、図書館本、やっと順番が
回ってきました。
私は、益田の中途半端な行動に
イライラさせられちゃいました。
でも、最後の手紙は、良かった…
ですよね。
自分の身近に、鈴木の様な人間がいたら、
とは誰しも考えてしまうと思うし、
確かに、恐怖も感じるんだろうけど。
やっぱり、自分が実際に見てみて
その人物をどう評価するか?ってことで
判断するしか、ないんじゃないかなぁ、
と思ったりしました。
そちらは桜はいかがでしょうか?
もう満開かなー。
で、この小説。
益田に、イライラさせられちゃいましたかー。
確かに、ウダウダしてる人でしたね。
こういうお話って、自分だったら、どうするだろう・・・って、読み終わった後も色々考えちゃいます・・・。
最後の手紙、良かったですよね!
最近、重いテーマの話だと、どうも一気に読めません。
途中まで一気に読んだけど、主人公が鈴木の過去を知ってからは、何回も休みました。
多分、この作品を読んで、実際の事件を思い出さない人はいないと思うんですが。。。
その一つが手記を出したことだと思うんですが、コレが売れて私のお給料、って思ったことが印象に残っています・・・
上手く言えませんが、情報が一切ない「そのうち社会生活を送るかも知れないが、今は安全な刑務所の中にいる」時に読んだのと、実際社会生活送っていて、アクションを起こされた後に読むのとでは、全く・・・
確かに、
>難しい部分に果敢に挑戦し、かつ、感動的な内容に締めくくっています。
本当に凄い事だな、って思いました。
作家の薬丸さんの渾身の力作というか、真摯に格別の思いをこめて書かれたであろう事が、ヒシヒシと伝わって来ます。
そう、そうですね・・・
でも、それは私たち共通言語が通じる世界の中の話で、本当は断絶した向こうの世界なのだから分かりようがない、っていうショックの方が大きくなってしまうんです。
現実と、虚構の落差を感じました。
最後の手紙、きっと鈴木は読むだろうし、何かをそこから読み取るだろうけど、実際の事件を起こした犯人は、と思うと・・・
それでも、またこの作者の本を読んでみたいですね、書かざるを得ない、という人が足掻いている世界にいるんだ、って思いながら。
そうなんですよー!
これ、私が読んだのは、例の人が、まだ手記を出したり、ネットで自分のサイトを開いたり・・ってことをする、何も行方が知れずに、何も解らない状態の時だったんですよ。
その時に読んだので、この感想なのですが、今読んだら、同じ感想を持てない気がします。
手記の本の売り上げとか、おとがめ無しなんでしょうかね・・・海外では、売り上げが、その人に入らない法律があったりするそうですが・・・