ピアノを教えるだけではなく
私自身もピアノレッスンに通っています。
いま弾いているのは
夏に向けてのカプースチンのピアノコンチェルト(協奏曲)。
ピアノコンチェルトとはつまり
オーケストラ＋グランドピアノ1台で演奏される曲のことです。
ピアノコンチェルトを練習するときは普通、
2台のピアノで練習します。
1台はピアノパートを弾く人(プリモ)、もう1台がオーケストラパートを弾く人(セコンド)。
オーケストラと合わせるのは本番の直前だけで
普段は2台のピアノで練習します。
だからもちろんレッスンは
グランドピアノを2台並べてのレッスンです。
プリモも当然難しいのですが
セコンドもオーケストラの音すべてを一人で演奏するのですから
それなりの技術が必要です。
どんな曲を持っていっても
(この教室では生徒本人が弾きたい曲を選曲してレッスンに臨みます)
「はいはい」とセコンドを弾いてくれるうちの師匠は
やっぱり神だと思う。
私は毎回練習不足で
「何とかして雑談だけで終わらんかな」
と子供みたいな発想でレッスンに行くのですが
師匠もちゃんとお見通しで
雑談に付き合うふりして「はい弾くよ」となり
体力使う曲なので汗は出るし
うまく弾けないから冷や汗は出るし
毎回いろんな水分が体から抜けていきます
私のレッスン時間のあとは
同じくご自宅でピアノ教室をやっていらっしゃる先生のレッスン。
この日はラフマニノフのコンチェルト第2番のレッスンだったので
「私、このまま残って聴いていってもいいですか？」
とお願いして聴かせていただきました。
完成形でないラフマニのコンチェルトを
ナマで聴く機会ってあんまりない。
もんのすごく上手なお方なのですが
練習途中なのでゆっくり弾いていらっしゃいます。
考えてみたら、
演奏会とかYouTubeのプロの演奏とかの
めっちゃ速くて上手い演奏のコンチェルトしか
聴いたことないかも。
こういう風に
噛んで含めるような演奏は新鮮です。
ああ、ここはこういう風に歌っているのか。いつもは聞き流しててわからなかったわ。
このフレーズにこの和音で来るかー。さすがだわラフマニ。
この和音にこの音を入れるって、差し色もいいとこだよな～鮮やかだわ～
あー、三連符の中に時々表れる二分割のリズムがこんなに気持ちいいなんて。
一つ一つの場面を
丁寧にゆっくり解説してもらってる気分。
なんて贅沢な時間なのでしょう。
いい演奏は
ゆっくり弾いても、やっぱりいいわ。
これが夏の本番には
ちゃんと仕上がってくるんだろうな～
とっても楽しみ
それにひきかえ、
私はあと数ヶ月で仕上がる気配なんかないぞ
めっちゃ不安～
しかし、至福の時間だったな～
こういう贅沢を味わうと
ちょっとだけ心が広くなって
世の中の理不尽なことも少しだけ許せたりする。
割り込んできた車にも笑顔で対応できたりとかね(ちっさ)
