いなざわ特別支援学校に通う生徒ちゃんたちのレッスンで使う、
レッスン内容を書いたホワイトボード。
一人一人内容が違うので
一人一枚ずつ手書きしてます。
生徒ちゃん本人と相談しながら内容を少しずつ変えたり
さわっちゃって字が薄くなったり
そのたびにちょっとずつ書き足しながら使ってます。
でも、年度始めなので
一度全部消してきれいに掃除して
書き直し。
ホワイトボードの字を消すのには
研磨剤入りのメラミンスポンジが一番よく消えます！
白のホワイトボードを使ってるのは、Yちゃん。
Yちゃんはダウン症ですが、
歌が大好きでピアノもホントによくがんばってて、
こうして改めて文字にでもしない限り
Yちゃんがダウン症だということを忘れてしまうほど。
そのYちゃんのレッスンで、
胸がいっぱいになることが起きました。
最初、Yちゃんは左手の人差し指だけでピアノを弾いていたのですが
(右利きなんだけどね、なんで左手？
)
「じゃ、今日は右手でも弾いてみよう」
と右手も1本指で弾くようになり、
最近は少しずつ他の指も使えるようにレッスンしてきました。
最終的にはドを親指、レを人差し指、というように
一音に一指ずつ割り当てて弾けたらいいなと思っていますが、
指を1本ずつバラバラに動かすのって
日常生活であんまりやらないからね、
難しいよね。
レッスンでも私の手の上に手を置いて弾いてみたり
いろいろな方法を試していました。
レッスンノートに毎週Yちゃんの様子を書いてくださるママによると
おうちでも先生の真似をして
ドが親指、レが人差し指、と弾こうとして
「あれ、うまくいかないなぁ」
と独り言を言ったりしてたこともあったみたいで、
なんて可愛いんだろう～
とママと話してました。
ところが今週のレッスンで、
Yちゃんが自分で「こっち」と右手を上げて
(「この曲は右手で弾く」の意思表示です)
ドからソまで5本の指を使って弾き始めたのです！
もちろん、スラスラとは弾けません。
ド、レ、は弾けても、ミ(中指)とファ(薬指)はめっちゃ難しい。
ソ(小指)は端っこの指なので、意外と得意。
時間をかけて1曲弾き終わって、
よく頑張ったねー！と誉めたあと、
「ママにも聞いてもらう？」
と隣の部屋で待ってるママを呼んで、もう一度弾いてもらいました。
ママもビックリ。
私も胸がいっぱい。
泣きそうになりました。
ピアノの先生って
こういうプレゼントをもらえるんだな～
大変なこともたくさんあるけど
こういう瞬間に立ち合えるって、
なんて幸せなんだろう。
ママと
「私、泣きそうです」「私もです！」
と気持ちを共有し合えたのも嬉しい。
Yちゃん、ありがとう