それみし

よしなしこと

春憂

2006年04月10日 22時16分48秒 | ことのは
はかなくて
        過ぎにし方を
                数ふれば
    花に物思ふ
            春ぞ経にける

式子内親王 新古今和歌集巻第二 春歌下 (101番歌)


激情の歌人、式子内親王の詠んだ和歌にしてはなんとも物憂い感じ。

彼女は後白河天皇の娘。時代は久安五~建仁一(1149-1201)というから平安末期というのか。
時代は源平争乱の頃、源頼朝に平氏討伐の命を下した以仁王とは異母きょうだいにあたります。
藤原定家とも親しく、彼の秘めたる恋人であったとの噂話もあったり…

彼女の詠む歌はとても激しい恋心である事が多々。
だからこそ、ふと力が抜けたときにこんな歌を残したのかもしれません。



また唐突に、和歌とかをつれづれ紹介していってみようかな、とか考えとります。

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