この人生、なかなか大変だぁ

日々の人生雑感をつれづれに綴り、時に、人生を哲学していきます。

日本人はどこから来たかⅡ

2010-04-09 10:49:17 | 日本人は何処から来たのか
伊波普猷(民俗学者1876年生)はその民族がどこからきた民族であるか、その言葉の中にあると言っている。(「古琉球」(沖縄公論社))

「言語学上から沖縄人の祖先が九州から来たということを証明する二、三の事実があります。第一方角の名称によりて九州から来たことが明らかにわかります。
まず、日本語アイヌ語及び朝鮮語の三つを比較研究してみましょう。朝鮮語では南韓の事を古くはアリヒシカラ(日本書紀)と申しますが、このアリヒ(Arihi)は今日の朝鮮語のアルプ(Arp)即ち前(南)と同じ言葉であります。そうするとアリヒシカラは前の方の韓という意味であって、朝鮮人が北より南に向かって進んだということを証する唯一の言葉であります。

日本語のひんがし(東)という言葉は日に向かうという意味で、日本人は東に向かって進んできたことが分かります。またニシ(西)という言葉はイニシ(過去)という事であるから自分らが通って来た所という意味でありましょう。
アイヌ語で東の事をモシリパ(Moshiripa)と申しますがモシリは陸、パは頭という意味でありましょう。また西の事をモシリゲシ(Moshirigeshi)と申しますが、ゲシは尻の事であるからこれは陸の尻という事になります。この方面に関する言葉の研究から朝鮮人は北より南に向かい、日本人は西より東に向かい、アイヌ人も日本人と同じく西より東に向かって進んだと言う事がわかります。

今沖縄語を研究して見ますれば、東をアガリ、西をイリと申しますが、太陽の出る所をアガリといい、太陽の入る所イリというたのは論ずるまでもないことであるが、北のことをニシというのは妙であります。何故に北のことをニシというのか。前にも申した通り、ニシはイニシ(去)という意味であるから、これによって沖縄人が北より南に向かって進んで来たことが明らかにわかります」

蛇足かもしれないが、「イニシ」は「去にし」つまり「去りし」という意味である。「去にし辺」が「去ったところ(方向を表す)」から「古(いにしえ)」=過去という意味に転じたのである。
伊波普猷の言語学的な考察にしても、大陸から朝鮮半島を経由して北九州に大量の民族移動があったと見ている。そして九州から島伝いに奄美、沖縄へ、一部といっても基幹語を形成するほどの人々となるとかなりの数に上るはずだが、それらが渡って来たというのである。
そして北九州の王権が「白村江」の戦いで唐・新羅連合に敗れて失墜し、大和朝廷に政権を奪取され、その政権移行により、政権の中心である近畿地方へ渡来人も含め多くの人々が移って行ったのであろう。
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