「何でこうなっているのか?」、「どういう状態ですか?」などと聞かれた時、
「とてもつかれてますね」という言葉を時々使う。
こう答えると、
「はー、そうですか。そんなにつかれてないですけどね」
などと反発する人もいる。
つかれていると認めたくない人程、つかれていることが多い。
医者(整形)や接骨院でされるような「○○筋がこうなって」といった説明が欲しいのかも知れない。
不要な力が入っていると、ある動きがしにくかったり、動きに痛みが伴なったりする。
動かなくても違和感(肩こり)や痛みが出たりすることもある。
そういった状態は”今ここでこうしているには”不要な力が入っているということになる。
その状態は他の(過去の)ある場面・状況では有用だったのだろう。
でも、その身体と心の状態が続いてしまっている状態。
それは全身の筋肉の緊張(バランス)だけでなく、自律神経など身体内部の様々なはたらきとも関連している。
「原因は○○筋です」とか「骨盤の歪みです」などとは、(自分は)言えない。
それらを要約するに、”つかれ”ている。
「疲れ」であって、「憑かれ」。
皮にやまいだれで「疲れ」。
皮膚が偏ったままニュートラルな状態に戻っておらず、そのため筋肉の緊張もニュートラルに戻れない。
そして過去の状態を引きずったままになっているから、「憑かれ」。
ある状況への反応状態に取り憑かれたままになっている。
”今ここでこうしているには”不要な力が入っているということに気づいていない状態。
気づくことで解消されていく。
施術を受けなくても解消できる場合もあるし、他者のサポートが必要な場合もある。
しかし掘り下げていくと、それらの「場合」がつながって問題は収斂されていく。
ここでは皮膚へ鍼をすることで、そういった状態を解いている。
それは気づきのサポートとなる。
身体状態に気づくことがなければ慢性的な”つかれ”は解消はできない。
そして電気治療や強すぎるマッサージやシップは感覚を鈍くして、気づきは遠のく。
鍼でも同じだ。
ツボに不用意な刺激をすると、虚を衝くことになる。
虚を「衝かれ」ては、解けない。
それは新たな”つかれ”を生み出す。