こないだ駅の階段を下りていたら、大きなリュックを背負った70歳ぐらいのおばあさんがいた。
仲間といたらしく、後ろから声を掛けられると振り返ってリュックが自分にぶつかりそうになった。
様子を見ていたら声を掛けられる度に振り返って周囲の人にぶつかっていた。
でも気にせず、あわてて前に前にかきわけて行こうとする。
そこでまたリュックがぶつかる。
仲間は見えてもなぜか周囲が見えず(見ようとせず)、前に行く。
あわててもそれ程変わらないのに。
図書館の帰り。
エレベーターに乗ってボタンを押した(5階→2階)。
自分も嫁さんも荷物が多く、子供が一緒だったのでちょっと階段を歩くにはきつい。
中には高校生ぐらいの女の子とこれまた70歳ぐらいのおじいちゃん。
自分がボタンを押した後
「ちぇっ」
とおじいちゃんが舌打ちした(ように聞こえた)。
まさか、と耳を疑った。
ゆっくり顔を見たが、目をそらしていた。
見た目は普通のおじいちゃんだ。
エレベーターを降りてから嫁さんに
「あのおじいさん舌打ちした気がするんだけど?」
と聞いたら、嫁さんも
「違うと思ったけど、やっぱり舌打ちしたよね。仮に意思表示じゃなくてもあのタイミングでは誤解されても仕方ないよね。」
と言っていた。
ちょっとムカっとはきたけど、両方とも怒る気にならなかった。
一見普通のおじいちゃんおばあちゃんで、本人はまともなつもりだろう。
けど、心の病気なんだろうなという印象。
ずっと他者に急かされ、他者を急かし、自分で自分を急かして生きてきたのだろうか。
どちらにしても長年の習慣がそのような病気を作っていったのだろうと思う。