京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

そろそろ食べ頃?

2022-09-01 18:54:36 | 園芸・植物・自然環境
今日は雑節のひとつで、夏目漱石の小説の題名にもなっている二百十日ですね。立春から数えて210日目にあたり、台風がやってきたり風の強い日が多いとされていますが、根拠はないそうです。でも、今年は台風11号が南西諸島方面に進んでおり、違うとも言えないかもしれません。夏目漱石は二百十日の続編として台風の古名である野分という小説も出していますね。

ちなみに「地震雷火事親父」という、世の中で特に怖いものを順に並べた言葉がありますが、最後の親父は父親のことではなく台風や強風を表す「大山嵐(おおやまじ)」が転訛したという説もあるようです。この数年はコロナウイルスも脅威となりましたが、天災以上に怖いものはないのかもしれません。そう、関東大震災から99年で、防災の日でもありますね。

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と、冒頭で二百十日や台風、地震に触れましたが、本題は全く別の話です。1週間ほど前のことですが、京都府内最大の産地である城陽市でイチジク(無花果)の収穫が最盛期を迎えているという新聞記事を読んで、ふと「そう言えば、近くの公園に植栽されていたような?」と思い、確認しに行ってみると……



できていました。品種名はわかりませんが、お尻が少し広がり始めているので、熟れてそろそろ食べ頃でしょうか。実つきもそれほどよくなく、まだまだ青い実もありますが、ぽつぽつと赤く色づいていました。




子供の頃の私なら、人目につかぬようにもぎって食べて、親や近所の大人に見つかって「勝手に食べるな!」と叱られていたとは思いますが、最近の子供はお行儀がよいのか、そんなことはしないのかな。

人が食べないのなら……というわけでもないでしょうが……



カラスが咥えて引きちぎりでもしたのでしょうか。ちょっと無残な姿のイチジクも見られました。

ちなみに、京都府内のイチジクの最大の産地が城陽市だと書きましたが、山城地域で生産が多く、城陽市以外だと京都市、木津川市が主な産地になるそうです。

府内の各市町村ごとの収穫量や出荷量は調べきれなかったのですが、都道府県ごとに集計した2019(平成31/令和元)年の統計データを元に収穫量の上位から並べてみると……

順位   都道府県     収穫量(t)     出荷量(t)
 
1位   和歌山県     2,113.5    1,960.5 
 
2位   愛知県      2,013.4    1,690.4 
 
3位   大阪府      1,344.6    1,320.6
 
4位   兵庫県      1,296.9    1,181.5
 
5位   福岡県        980.5      838.1
 
6位   広島県        567.7      434.2
 
7位   京都府        452.0      424.6
 
8位   奈良県        451.8      446.2

合計           11,557.9   10,440.6


になるそうです。作付け面積は収穫量第2位の大阪府が 119.0ha と最も大きく、収穫量第1位の和歌山県 93.0ha のようです。出荷量は収穫量と比例していますが、6位の広島県と7位の京都府より8位の奈良県のほうが多いですね。

また、統計を確認してみて、近畿二府四県のうち滋賀県を除く他の府県が8位まで入っていることに驚いています。

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イチジクで思い出しましたが、くろ谷さんで知られる金戒光明寺には近縁種のオオイタビ(大崖石榴)があります。

オオイタビの花嚢(過去記事より再掲。2019年7月撮影)


雌雄異花で、雄果嚢より雌果嚢のほうがおいしいそうですが、これらはひょっとしたら雄果嚢かもしれませんので、あまりおいしくないかも。

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