京都園芸倶楽部の元ブログ管理人の書笈

京都園芸倶楽部のブログとして2022年11月までの8年間、植物にまつわることを綴った記事を納めた書笈。

Happy Halloween!

2022-10-31 17:49:27 | 歳時記・文化・芸術
木屋町二条近くの二条通に面した生花店の店先に置かれていたのは、ハロウィンの飾りかな。開店前で、半分だけ開けられたシャッターの下から見えていました。



いくつかの観賞用のカボチャ(南瓜)とバショウ(芭蕉)かと思ったけれどひょっとしたらバナナの花と葉かも。それにパンパスグラスとフランネルフラワーかな。奥にある乾燥させた植物は何だろう?

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ところで、カボチャは英語でパンプキン(pumpkin)と習ったように記憶していますが、このパンプキンは皮が橙色でつるつるしたカボチャのことを指すようですね。つまり、ハロウィンで利用するカボチャがパンプキンになるようです。そして、普段食用に利用している皮が緑色でぼこぼこしたカボチャはスクワッシュ(squash)と呼ぶようで、こちらがカボチャの総称になるそうですね。西洋カボチャは Winter Squash で、日本カボチャは Tropical Squash となるそうで、バターナッツカボチャは緑色ではないですが、英語では Butternut Squash と呼ばれるようです。
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色づく秋の味覚のひとつ

2022-10-19 18:08:54 | 歳時記・文化・芸術
まだまだ青い実が多いですが、日当たりのよいところからかどうかわかりませんが、少しずつ柿の実が色づき始めています。



砂川の三軒寺のひとつである正定院の西側で、ちょうど川端通の歩道と京阪電車の出町柳へと降りる階段に囲まれるような場所にある柿ですが、たぶん渋柿なのでしょうね。

正定院の境内から枝を伸ばしているのかなと思っていましたが、よく見ると歩道の植え込みに植えられた(それとも実生で生えてきた?)柿の木で、3年前に正定院の境内で見つけた「つるし柿」は、山門をくぐってすぐの境内に柿の木があり、たぶんその実を使われていると思いますので、こちらの柿の実はもっぱらカラスたちのご馳走になっているのかしらん?


正定院のつるし柿(過去記事より再掲。2019年11月撮影)


人目に付く場所なので(いや、人目に付かなくても)勝手に採るわけにもいかないのですが、干し柿にしてみたいなあと思って毎年この時期になると眺めてしまいます。秋というと、どうしても「食欲の秋」になるのは私だけでしょうか?
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まさに名前のとおりですね

2022-09-23 17:45:01 | 歳時記・文化・芸術
撮影したのは1週間ほど前のことですが、高野川や鴨川(賀茂川)の河川敷や遊歩道でちらほらと咲き始めていたヒガンバナ(彼岸花)の花。こちらは賀茂川と合流する少し上流に架かる河合橋のたもとの遊歩道の傍で咲いていました。



話題がなくて、秋の彼岸の中日ということでヒガンバナを絵にして投稿してみましたが、ふと気になって昨年の投稿を調べてみると……
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京都御苑の賀陽宮邸跡で咲いていたヒガンバナを紹介していました。さらになんと、ヒガンバナの撮影日まで1年前の同じ日(9月15日)だったとは、ちょっとびっくり。偶然というか、毎年同じ時期に同じ内容を話題にしようと考えているだけなのかもしれないけれど、まあ恒例ということでご容赦を。

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雨上がりの早朝に見つけた耀く姿

2022-07-23 17:57:06 | 歳時記・文化・芸術
スマートフォンから土砂災害や水害に対する避難情報が鳴るような今週火曜日に降った災害級の大雨。夕方には小降りとなり、翌日は雨もあがって朝から強い日差しが肌に照りつける一日となりました。

土用の入りの日だったからという訳ではありませんが、早朝に吉田神社に参拝しそのまま吉田山近辺を散策していると、後一條天皇(後一条天皇)の陵墓とされる菩提樹院陵の生け垣に巻きついたカラスウリ(烏瓜)の花が一輪、雨に濡れそぼつ姿で咲いていました。



周囲の葉に貼り付いてしまって、きれいな咲き姿とは言い難いかもしれませんが、このような姿にいのちの輝きや美しさといったものを感じてしまいます。

そのようなことを考えていたら、目の前で日向ぼっこでもする気か、こちらに対して何の警戒心もなく止まったウラナミシジミ(裏波小灰蝶)が一頭。



最初、左側の前翅と後翅を見せるようにじっと止まっていましたが、そのうち翅を広げ始め、左側の翅に隠れて見えなかった右側の翅を見てみると……



かなりの痛手を負っていますね。羽根の表側の色合いからメスのようですが、前日の雨で翅が傷んだのか、すでに傷んでいたのかわかりませんが、こちらの姿にもいのちの尊さを感じるだけでなく、生を受けて「生きる」ということはどういうことかを教えられているように感じます。

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さて、今日は土用の丑の日ですね。8月7日の立秋までの約18日間が夏土用にあたり、今年は8月4日が二の丑となるそうです。土用の丑の日に食べると言えば「うなぎ」が有名ですが、うなぎに限らず頭に「う」のつく食べ物や黒い食べ物であればよいそうですね。

これは陰陽五行の思想とも関係があるそうで、五行の「木・火・土・金・水」と「黒・白・黄・赤・青」を四季の「春・夏・秋・冬」に割り当てると……

・春  「木」と「青」
・夏  「火」と「赤」
・秋  「金」と「白」
・冬  「水」と「黒」


になります。そして、春土用、夏土用、秋土用、冬土用が始まる旧暦の月の干支と、その干支が表す方角や季節等が上記と内容が被りますが、以下のとおりとなり……

・春  辰月  春(木) 青
・夏  未月  夏(火) 赤
・秋  戌月  秋(金) 白
・冬  丑月  冬(水) 黒


季節で言うと「春⇄秋」と「夏⇄冬」は『相剋』と言ってお互いの効果を打ち消す関係になりますので……

・春(辰、木、青) ← 秋(戌、金、白)が打ち消す
・夏(未、火、赤) ← 冬(丑、水、黒)が打ち消す
・秋(戌、金、白) ← 春(辰、木、青)が打ち消す
・冬(丑、水、黒) ← 夏(未、火、赤)が打ち消す


ということから……

・春土用  戌の日に、頭に「い」のつく名前か「白い」色の食べ物
・夏土用  丑の日に、頭に「う」のつく名前か「黒い」色の食べ物
・秋土用  辰の日に、頭に「た」のつく名前か「青い」色の食べ物
・冬土用  未の日に、頭に「ひ」のつく名前か「赤い」色の食べ物


を食べて、季節の変わり目を健康に過ごして乗り切ろうということだそうです。各季節で野菜を中心にまとめてみると、以下のようになるでしょうか……

・春土用  イチゴ(い)・イモ(い)・ダイコン(白)・豆腐(白)
・夏土用  梅干し(う)・ウリ(う)・黒豆(黒)・昆布類(黒)
・秋土用  玉ねぎ(た)・大根(た)・ブルーベリー(青)
・冬土用  ひよこ豆(ひ)・リンゴ(赤)・トマト(赤)


旬の時期ではないものも含めましたが、こんな感じでしょうか。迷信と言ってしまえばそれまでのことですし強制するつもりもありませんが、その思想を信じた各自の責任で持って行動するのは自由であって、鰯の頭も信心からとも言いますので、たとえプラセボ効果であっても、おいしいものを食べて健康に過ごせれば免疫力も上がるのではないでしょうか。
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一年ぶりに見つけた……これも年に一度の邂逅?

2022-07-07 18:09:44 | 歳時記・文化・芸術



昨日の早朝のことですが、高野川河川敷の川縁におそらく実生で勝手に生えたネムノキ(合歓木)の葉の上に、一匹(昆虫学に則れば一頭がただしい数え方ですが)アオドウガネ(青銅鉦)がじっとしていました。翌日(つまり、今日)が七夕で、夜に葉が閉じる様子を「合い歓ぶ」という意味の漢名を持つネムノキに広い意味でコガネムシの仲間がいるのは縁起がよいことだろうかと思いながら、しばし眺めていました。一向に動かないのは前日までの雨天で体が冷えているからでしょうか?



同属の近縁種に褐色のドウガネブイブイ(銅鉦蚉蚉)がおり、この写真ではわかりにくいのですが、アオドウガネとともに、ほぼ同じ大きさのカナブン(金蚉)より丸みを帯びた体つきをしています。前翅の間にある三角形の小楯板や頭部もカナブンが角張っているのに対し、アオドウガネやドウガネブイブイは角が張らずに丸みを帯びています。フォントで譬えれば、カナブンがゴシック体でアオドウガネ等が丸ゴシック体でしょうか。

それほど珍しい昆虫でもないのですが、前回見たのがちょうど一年ほど前の今頃だったことを思い出しました。まるで七夕の織姫と彦星のようだなあと独りごちながら思わず笑みがこぼれてしまいました。

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さて、ちょっとだけ脱線。以前から気になっていたドウガネブイブイの『ブイブイ』という名称ですが、漢字で書くと前述のように『蚉蚉』だそうです。この蚉とはカ(蚊)のことで、蚊と同義の漢字です。蚊という漢字は形声文字であり「文」の音を借りて羽音を表したものですが、この『ブイブイ』は羽音を表現するために『蚉』という字を借りただけなのでしょう。カナブンの『ブン』も同じだそうですね。

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閑話休題。話を元に戻すと、七夕の前日に虫との一年ぶりの邂逅でふと思い立ち、笹は持ち合わせていませんが、今までやってみようと思いながらできずじまいだったカジノキの葉を短冊の代わりにして七夕を楽しんでみようと、思いつきにワクワクしながらカジノキが生えている疏水分線まで足を伸ばし、疏水に沿って続く白川疏水通に実生で勝手に生えていたカジノキの葉を3枚だけ持ち帰りました。

カジノキは古代から神木として尊ばれ、古来は笹ではなくカジノキの枝や葉が用いられたそうです。深く切れ込みの入った葉から切れ込みの入らない葉まで、そのかたちは千差万別です。



七夕の起源は、日本古来の年中行事である『棚機(たなばた)』や中国から伝わった『乞巧奠(きこうでん/きっこうでん)』に由来していると考えられていますが、平安時代の宮中行事として、サトイモ(里芋)の葉についた夜露を天の川に見立て、そのしずくをたらして磨った墨で、神木であるカジノキの葉7枚に和歌を書きつけ、星に手向ける風習があったそうです。

帰宅後に、硯で墨を磨って……ではなく、無粋ながら筆ペンで書いてみました。和歌を詠めるほどの才能はないので、一枚は万葉集に収載されている山上憶良が詠んだとされる七夕にまつわる歌を原文で書いてみました。


(冒頭の写真を再掲)


悪筆であることはご容赦ください。葉から受ける印象だと筆を走らせても墨を弾いてしまいそうに感じますが、意外や意外、しっかりと墨が乗ります。コピー用紙等と比べても書きやすいように感じます。五色の短冊もよいですが、カジノキの葉を短冊代わりにしてみるのも楽しいですよ。

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さて、あらためて、今日は五節供(五節句)のひとつである『七夕』です。本来は旧暦で祝うとよいのでしょうが、今年は奇しくも梅雨が明けました。今日も不安定な空模様の地域もあるそうですが、今晩は星空が眺められるでしょうか。星空と書きましたが、童謡「たなばたさま」の歌詞にある『きんぎんすなご(金銀砂子/沙子)』というような満天に散りばめられた星が瞬く、こちらも歌詞にある『おほしさま、きらきら』な夜空を見るのは都市部だと夢のまた夢と言えるかもしれません。もちろん文明の利器で生活が大変潤っている部分もあるのですが、ふと本当の豊かさってなんだろうと思ってしまいます。
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