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祖父が亡くなり大切な人を自分で見送りたいと思った矢先にお坊さんになるための学校があるということを知った。
しかし漠然としすぎていて果たして本当にお坊さんになれるのか……わからないことばかりだった。
まずは資料を貰わなければ期間や月謝など、詳細を把握するために早速電話をかけて学校に資料請求をした。
数日後、自宅のポストに【中央仏教学院】という聞き慣れない宛先から大きめの茶封筒が届いた。早速開封をしてパンフレットを読んでみた。
要約すると↓のような事が書いてあった。
※※※※※※
通学は1年
通信講座は3年
学費は年間で7万円
その他別途教科書代などで費用がかかる
※※※※※※
パンフレットの他には入学願書が入っていて、まずは願書を出さないことには何も始まらないということが分かった。
通学は1年だがその間お仕事を休むわけにもいかないので通信を選ぶことにした。
願書に必要事項を記載していると『入学条件』が書いてあることに気がついた。しかもそれは必須でこれをクリアしないと学校に入学することが出来ないそうだ。
そこには『出願者は所属寺の住職の許可が必要』と書いてあった。
つまり学校に入学をするために浄土真宗本願寺派のお寺のご住職から「○☓さんが中央仏教学院でお坊さんになるための勉強をすることを〇〇寺の住職である私は認めます」……という許可を貰わないと入学どころか出願すらできないのだ。
お坊さんになるための学校に入るには入学試験はない代わりにお寺に所属しなければいけない。でも、京都にお寺は沢山あるけど、どのお寺が本願寺派のお寺なのか。そして何処にあるのかすら当時の僕にはさっぱり分からなかった。
本願寺に西と東があることは知っていたが、僕が入りたいのは西本願寺派の学校なので、間違って東本願寺派のお寺に所属したらお門違いもいいところだ。
これは入学試験よりややこしいことになりそうだなと思いながらGoogleマップを眺めて近所に西本願寺派のお寺がないか調べてみた。
すると思わぬことが分かった。
偶然とは恐ろしいもので、当時僕がお世話になっていた接骨院の向かいのお寺が西本願寺派のお寺だった。
接骨院には何度も通ってお寺があるのも知ってはいたがこんな近くにあったとは青天の霹靂だった。
とはいえ、どこの馬の骨かもわからない輩がいなり訪ねて行って「お坊さんになるための学校に通いたいのでお寺に所属させてください。あと願書(許可書)に署名をしてくだい」とお願いしたところでほとんどの人…というかご住職は承諾してくださらないだろうし、普通に怪しまれるだろう。
まずはお寺に電話をしてお寺に所属するためにはどうすれば良いか尋ねてみる事にした。
(怖いじいさん住職だったらどうしよう……。)
そんなことを考えながら電話をした。
「はい、△☓寺です」
若い男性の声だった。
「お忙しいところ恐れ入ります。私は近所に住む〇〇と申します。そちらのお寺に所属したいのですがどうすれば良いでしょうか」
「あ〜門徒になりたいのですね」
「はい(もんと??なにそれ?)」
「わかりました。では一度お寺にお越し下さい。その時に詳しいお話をいたします。明後日の15時でしたら空いておりますがどうでしょうか?」
「大丈夫です。よろしくお願いいたします」
「では、明後日お待ちしております」
「ありがとうございました。よろしくお願いいたします」
電話が終わってから先程の声の主はご住職だったのか聞き忘れてしまった事に気がついたが、とりあえずお寺に行くための約束がとれたので少しホッとした。
そして当日。
いつもぼけ~っと歩いていたはずの接骨院までの道が心なしか違って思えた。
何かしらの目的のためにお寺に行くということは人生で初めてだったのでかなり緊張した。
歩くこと15分、お寺の門の前でインターホンを押して用件を告げた。
(怖いお坊さん出てきたらどうしよう……)
門が開いた。
緊張した僕の前に現れたのは、袈裟を着た怖そうなお坊さん……ではなく、ユニクロコーデの男性だった。
つづく
次回は「お坊さんになるための勉強をするために初めてお寺に行った時の話」を書く予定です。
引き続きよろしくお願いいたします。
南無阿弥陀仏
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