日高の山に魅せられて !!

ハンパな山男の山行記録 !!

神威岳~ペテガリ岳縦走だったが?!

2010年09月19日 | 日高山脈
神威岳(1600.5m)~ペテガリ岳(1736.2m)

9月15(水)~9月19日(日) 4泊5日 単 独  夏山沢登り?縦走

総行動時消費水量 3.200ml(食事等含まない)
総行動距離 約15.800km
総行動時間 18時間30分


                           赤が登山ルート、青が未踏ルート

                    
                      神威山荘から望むニシュオマナイ山

  15日(水) 晴れ
行動時消費水量    ml   行動距離 約      km   行動時間  時間  分

起床 6:00 → 自宅 9:30 → 12:40 日高南部森林管理署 12:50→ 14:40 神威山荘 →18:00 夕食 → 就寝 19:00

   朝、6時に起きる。晴れだ。いよいよと思うとわくわくする。忘れ物がない様に確認しながら準備、9時半過ぎ近くの交番に登山計画書を提出、日高の山々を眺めながら静内に向かう。12時過ぎに日高南部森林管理署に着く。入林許可証とゲート鍵を受け取る。昨年、ペテガリ山荘に商業登山(ツアー)をはじめ数台の車が入ってた事を伝えるが、何とも歯切れの悪い返答が・・・。日高南部森林管理署の取り計らいで難なく神威山荘まで入れることを考えるとそれ以上は言えなかったが、ルールを守れないものへは、何らかの対応(罰則等を含め)が必要な時期が来ているのかも知れないと思う。
萩伏の最終コンビニで缶ビール6缶を買い一路神威山荘へ、14時半過ぎに予想通り誰もいない山荘に到着。用具等を山荘内に入れ、山荘前の丸太を切った腰かけに座り、さっそく缶ビールで安着祝い!!というか、日高の大自然をおかずに1人宴会?ビールが美味い!!なぜか気持ちが落ち着く。山間から「早く来い!!」と言っているように観えるニシュオマナイ山を眺めたり地図を見ながらハイペースでビールが胃袋に入っていく。4時半過ぎに車が1台来る。ウイークデイなので誰も来ないと思っていたのでちょっとがっかりだ。私よりもちょっと年齢が高そうな男性2と
女性1の3名(帰りに届を見ると相模から来たらしい)だ。明日、神威岳をピストンするとの事。私の縦走の話など少ししたが、互いに深入りしない感じで食事を摂り19時ころ就寝とした。3名さんも私が横になると気を使ってくれたのか、何も言わずに寝る準備をし横になっていた。「どうぞ、起きていても結構ですよ」と一言掛ければ良かったと思いつつ眠りに着く。缶ビール6缶全部飲んでしまった。これが不運のきっかけ始まりか!?


16日(木) 晴れ
行動時消費水量 2.000ml   行動距離 約7.900km   行動時間 10時間50分

起 床 3:40 → 朝食 4:20 → 神威山荘 5:15 → 6:30 中二股(co524m) 6:35 → 7:11 上2股(co710m) 7:15 → 7:23 尾根取付 7:35 → 10:15 分岐 10:30 → 16:00 ニシュオマナイ山南東テン場(C2) → 夕 食 18:00 → 就 寝 19:00

          
                 神威山荘                        第1徒渉地点
          
                廃道跡の登山路                      徒渉地点                      

                        
                               まだまだ下手な花の写真

  3時半過ぎに起きる。頭が少し重く、喉の調子がちょっと気になる。昨夜の飲みすぎが利いている感じだ。簡単な食事をすませ準備をしているときに、三名さんは「お先に!」と笑顔で出発して行かれた。感じのいい方達だ。予定は6時出発であったが5時15分に出発する。今回は、沢靴は縦走の邪魔になるので持たない。徒渉は裸足覚悟だ。10分ほどで最初の徒渉地点に。予想通り水量は少ない。難なく石の上を渡る。廃道を進み下二股(415m過ぎの二股)を徒渉し、昔ならばここから沢登りであっただろうがはっきりした(立派な)巻き道が出来ており石が積んであったりマーキングテープが付いていたりで迷うことは全くない。中二股を左に進み上2股を右に進む。危険なところは無い。沢に入り徒渉を8度ほど繰り返した。2時間10ほどで尾根取付に着く。岩に赤ペンキで矢印が書かれている。どうも体調が良くない。昨夜のビールの影響かと思っていたがそれだけではないようだ。喉の様子からすると風邪気味な感じだ。汗もひどいが水を摂る量もいつもの倍のペースだ。この先に不安を感じる。水を飲みじっと休んでいるとちょっと上の藪の中で「バキバキ」と枯れ枝を踏みつける音が!!とっさにホイッスルを吹く。音の感じからして鹿ではなくきっとヒグマであろう。いやな感じだ。すぐさま準備をすませ分岐までの直登にかかる。3歩進んで1呼吸というペースで進む。縦走装備の重さがこたえる。辛抱の時間帯だ。徐々に展望が開けてくる。右に神威岳への岩稜尾根、なかなかの迫力だ。左にニシュオマナイ山、1200mを超えるころには中ノ岳、1483峰、ペテガリ岳等が顔を出す。疲れを忘れさせてくれる。上から鈴の音が、山荘に同宿した三名さんだ。笑顔で、互いに「早いですね!!」笑ってしまった。特別な会話もせず、これまた、互いに「お気をつけて!!」と声を掛け合い別れる。何か好感のもててる方々であった。

           
                        分岐から望むニシュオマナイと稜線
 
 間もなく分岐に着く。さっそく6月にデポした水を探す。なければ即撤退だ。「あった!!」何とも嬉しいものだ。さっそく7ℓの水をパッキングし気合いを入れ、私にとって奥深い未知のルートへの出発である。その重みがずっしりこたえる。踏み跡?・獣道?、どちらかというと獣道であろう!?稜線上の獣道は利用できるが斜面に伸びていく獣道に誘われ途中で道が消え稜線に戻るのに大変なアルバイトだ。その獣道に小ピークの前後で何度もはまり体力の消耗が激しい。体力のある猛者にはたいしたことは無くても半端な私にはかなり厳しく感じる。這い松、笹、ななかまど、ダケカンバ等入り組み、おまけに樹木の生長方向は南で全くのさか目である。どなたかのHPで「ペテガリ側からのルートを選ぶべき」というような文字が頭に浮かぶ。ニシュオマナイ山直下手前の小ピーク南側が特に藪がひどく直下に着いた時にはへろへろになっていた。なりふりかまわず獣道に横になり小休止。呼吸が整い立ち上がると、どうも右の靴のかかとに違和感が?!見るとソールが1/3が剥がれている。左足を見ると靴はなんでもないがスパッツが裂けている。「なんで??」と思いつつ、とりあえず山頂脇のテン場までこのまま進む。ここからははっきりした獣道が続いており急だがえらく楽に感じる。20分ほどで本日の目的地に着く。このテン場は稜線上の楽園か?少しオーバーな表現だが、私の歩いた日高の稜線上でこんなに広く風の影響を受けない地形のテン場に出合った事はない。テントは10張りは大丈夫だろう。おまけに枯れ枝がかなりありたき火も出来そうだ。さっそくテントを張り貴重なウ井スキーで2日目の安着祝い
          
           
                              雲に包まれる神威岳
           
                              雲に包まれるペテガリ岳
 
 雲に包まれそうな神威岳・ソエマツ・ピリカ・1483峰・中ノ岳・ペテガリ岳!!。特にこの角度、距離からの神威岳はどっしりとした別の姿を魅せてくれる。ソエマツも良い感じだ!!何とも素晴らしい眺めだ。疲れてはいるが、気持ちが優しく穏やかになっていくような感じがする。それにしても、たった2.6kmほど進むのに6時間。あす以降の行程に不安を感じる。早々に食事を摂り明日の天候とルートに不安を感じながらも爆睡となる。

17日(金) 暴風雨のち曇り
行動時消費水量 ml   行動距離 約 km   行動時間 時間 分

起 床 4:00 → 朝 食 9:00 → 夕食18:00 → 就寝

夜中にものすごい雨音で目がさめる。風も木々を激しく揺さぶりものすごい音をたてている。このテン場はすり鉢状になっているためにどこから風が吹いてもほとんど影響がなく心配はない。朝にはやむだろうと思いつつ再度眠りに着く。4時に起きるも風雨は相変わらずだ。前進か撤退か?10時をめどに決める事にし、ラジオを聴きながら横になる。9時に朝食を摂る。小雨になってきたが風は相変わらずだ。ほぼあきらめる。風雨がやんだのは11時半過ぎであった。ホワイトアウトは変わらない。今日この状況でどこまで進めれるかわからない事、水が足りない事、体調があまり良くない事、登山靴のソールが剥がれている事、スパッツが裂けている事、明後日はまた激しい雨との事等、余りにも悪条件が重なりすぎている。今縦走は撤退と決める。残念だ!!悔しい!!山は逃げるわけでもないし、またの機会に再挑戦すれば良いと自分に言い聞かせる。何もする事もなく撤退と決めると気が抜けてしまう。外に出て枯れ枝を拾い集めたき火をする。山ではたき火はしないつもりでいたが、ついついやってしまった。たき火をながめているとなぜか今縦走にあきらめがついた。雲は消えず何も見えない。テントに入り横に。貴重なウ井スキーをちびちび飲み、夕方食事を摂り早めに眠りに着く。



18日(土) 晴れ
行動時消費水量 800ml   行動距離 約7.900km   行動時間 7時間30分

起 床 4:30 → 朝 食 5:15 → ニシュオマナイ山(C3撤収) 7:00 → 10:50 分岐 10:55 → 12:10 尾根取付 12:16 → 12:28 上二股(食事) 12:45 → 13:16 中二股 13:20 → 14:30 神威山荘 15:10 → 16:40 日高南部森林管理署 → 17:00 静内温泉 18:00 →自宅 21:00

朝、起きたがまだ暗い。食事をすませ5時過ぎに外をのぞく。晴れている!雲もほとんどない!心がなぜか弾む。一度通ったルートだし、見通しが立つので何の心配もない。
         
            
                           綺麗なモルケンロート
           
                          どっしりとした神威岳 
          
                          ソエマツ岳(左)とピリカヌプリ(右奥) 
          
                           中ノ岳(左)とペテガリ岳(右) 
          
                             1839峰(左)とヤオロマップ(右奥)

朝焼けが綺麗だ!!最高だ!!山々もはっきりと観る事が出来る。ほんと、この角度からの神威岳、ソエマツ岳、ピリカヌプリ、良い感じだ!!北には、1839峰、ヤオロマップ岳観える観える!!撤退だが前回の何も観えなかった縦走よりも何か満足するものがある。パッキングをすませ、テン場に「また来るよ!」と、つぶやき出発。一昨日を思い出すと、うんざりするルートだが、稜線の頂点を外さないように歩く。とにかく獣道に誘われず頂点を進む。這い松をはじめブッシュは南に向かって伸びているのでかなり楽である、這い松は踏みつけ、笹は両手で確実に両側に分け進む。遅いようだがこれが一番体力も使わないし早く進むことが出来るようだ。それにしても天気が良い。立ち止り遠くの山々を眺めながらの山歩き、楽しくてたまらない。稜線上にある獣道だけを利用し、ないところは確実に稜線の頂点を進む。3時間50分で分岐に着く。一昨日と疲れ方が全く違う。ペテガリ側からのルートを選ぶべきだったと反省。

                   
                           神威西尾根の岩稜帯

神威岳西尾根の岩稜帯もなかなかの迫力だ。1時間半ほどで尾根取付に着く。沢靴が3足デポしてある。すれ違いでお会いすることは無かった。沢水を飲み上二股へ、ここで簡単な食事(ちびビスケット8枚)摂る。沢は昨日の雨の影響はほとんどなくなっていて徒渉で靴を濡らすことは無かった。

               
                    ソールが剥がれた登山靴           裂けたスパッツ

熊の気配もなく14時半に無事下山。着替えをすませ、日高南部森林管理署に鍵を返し静内温泉でブス色に染まった手足を癒し21時ころ帰宅する。



《つぶやき》

貫徹出来なかったがそれなりに満足の出来る縦走であった。
この間の縦走は北から南進するルートを選ぶべきだ。ブッシュというか藪が濃いのと這い松等の向きが南のためだ。
獣道をあてにして大変なアルバイトを強いられた。稜線から外れていく獣道に誘われないこと。確実に稜線頂点を進むべきだ。
徒渉は10回ほどで、3~4日雨が降っていなければ沢靴なしでも行けそう。
ニシュオマナイ山南東尾根側のテン場は日高の稜線では1番風の影響を受けないテン場ではないかと思う。言いすぎかもしれないが日高の稜線上の楽園か?!
このルート再度、夏山時に挑戦してみたい。
稜線上はブッシュで特別危険を感じた所は無いが、落ちるとただではすまないところはけっこうあった。
ブッシュというか藪こぎは今までの日高の稜線で1番厳しかった。
瞬間接着剤はこれから装備品に加える事にする。
今後、前泊での飲酒は控えめにする。
熊の気配は感じたが、姿を見る事は無かった。(糞は2箇所あった。)
撤退の判断は正しかったと思うが、週刊天気予報の様子からこの期間を選んだことに無理があったのかも?!
日高は楽しいが、次回は日高を離れてみよか?!
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2 コメント

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神威岳 (tarachan)
2010-09-24 12:58:52
お疲れ様でした。
しばらく前に神威岳に登った際、中ノ岳への標識を見かけました。このようなところを歩く人はいったいどんな人と思っていたのですが、なかなか、いろいろあってたいへんだったようですね。今一度6月の記録を拝見し、あ~、あの花を見に行って見たいなと思うのでした。これからも楽しみにしていますので・・・。
返信する
Unknown (Unknown)
2010-09-25 08:22:32
tarachanさん、こんにちは
踏み跡等、かすかに薄いですが見受けられ歩いている人は少ないですがいるようですよ。
互いに、健康に山を楽しみたいですね。
返信する

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