日高の山に魅せられて !!

ハンパな山男の山行記録 !!

ユニ石狩岳~音更山~石狩岳縦走 !!

2010年10月24日 | 日高以外の山
ユニ石狩岳(1756m)~音更山(1932m)~石狩岳(1966m)

10月22(金)~10月23日(土)  1泊2日 単 独  夏山期縦走

総行動時消費水量 1.200ml(食事等含まない)
総行動距離 約18.500km
総行動時間 15時間18分

今年の山行は天気等あまり恵まれておらず今シーズンはこのまま終わるのかと思っていたが気圧配置も良く好天を予想しながら出発。登山計画書提出のために立ち寄った交番横で車にひかれた猫の死骸、さらに2kmほど走ったところでまた、猫の死骸を、さらに中士幌市街手前で犬の死骸、糠平源泉郷過ぎで鹿の死骸と、早朝時の短時間に4回も動物の死骸と遭遇し、遭難するのではと思い引き返そうと考えたが「行けるところまで行こう!!」と決行する。天候は予想通り最高の快晴で過去にもこれほど素晴らしい山行は無かったように思う。


              
                               赤線が登山ルート

22日(金) 快晴
行動時消費水量 800ml   行動距離 約9.300km   行動時間 10時間50分

自 宅 2:50 → 5:15 ユニ石狩岳登山口 6:24 → 7:26ユニ石狩登山路標識地点 → 7:50 水 場 → 8:44 這い松帯 → 9:23 十石峠 9:37 → 10:12 ユニ石狩岳 10:25 → 10:47 十石峠 11:00 → 12:05 ブヨ沼 12:25 → 14:38 音更山(幕営) → 17:30 夕 食 → 19:00 就 寝

      
  3時少し前に起きる。3時間ほどの睡眠だがすっきり目覚める。早々に出発。最寄りの交番に登山計画書を提出しに寄る。交番の横に猫の死骸が・・。いやな気分だ。提出後、10分ほど進んだところでまたもや猫の死骸を目撃する。これは何かの(遭難)前触れか?と思ってしまう。気を取り直し山へ向かうこと1時間、今度は犬の死骸が・・。何でこんなに・・。と思いつつ「行けるところまで行こう」と自分に言い聞かせ一路登山口へと。さらに、糠平源泉郷の小学校入り口付近過ぎで鹿の死骸が・・。短時間に4体もの動物の死骸と遭遇してしまう。ほんとに帰ろうと思ったが結局登りたい思いのほうが強く、登山口へ向かう。三股手前左に立つ大きなニペサツ山・石狩岳・音更山登山口標識に従い左折し林道を進む。道なりに標識があり迷うことはない。ユニ石狩岳登山口の標識を超え石狩岳登山口の下見に行く。広い駐車スペースがある。誰もいない。ユニ石狩岳登山口まで車で5分程度、徒歩だと30分前後か?!ユニ石狩岳登山口に戻り朝食を摂りながら「今朝の動物の死骸を見た事と今山行とは何の関係もない」と自分に言い聞かせ6時半前に出発する。水たまりには氷が張っている。寒いのでカッパの上下を着ける。
           
                             廃道跡の登山路と本格登山路への標識

廃道跡の登山路は広く倒木があるものの快適に歩く事が出来る。ユニ石狩岳登山路の標識が現れここで廃道は途切れ、本格的な登山路となる。特別危険なところもなくほんの一部(10mほど)笹が覆いかぶさり登山路が見ずらいところもあるが迷うことはない。這い松帯もかき分ける事もなく快適だ。紅葉の時期も過ぎ落葉していて見晴らしはとても良い。ニペソツ、ウペペサンケ等姿を現す。西クマネシリ、南クマネシリも国道から眺めるオッパイ山の形から全く違う形に変わっていく。高度を上げ、景色の変化を楽しみむ。

               
                           ニペソツ山          と     西クマネシリ、南クマネシリ

三時間ほどで十石峠に着く。眼前に大雪山系が現れる。東方向を振り返ると三股を中心とする樹林帯だ。とにかく日高と違った雄大さに感動する。日陰には少しの雪が残っている。十石峠?、これだけ石がごろごろしているのだから百石か千石峠のほうがピンとくる。(十石の意味を勘違いしているのかも?!)

                
                 十石峠         と      ユニ石狩岳への標識


              ユニ石狩岳

クッキーを食べ、ユニ石狩岳へ。少し下り日陰の雪の量が少し増す。ブッシュも気にならず登りに入るとジグを切りながら道なりに高度を稼ぐ。大雪・ニペ・クマネシリ等の変化を楽しみながら30分ほどで山頂に立つ。危険な箇所もない。天気も良く風もなく気温も暑からず寒からずと最高である。ここから眺めるニペソツはバランス良く切り立って眺める事が出来る。大雪というか私の見たことのある北海道の山の中では、ある意味異端児的存在である。そして見た眼よりも夏山は登りやすい。
今日中に、音更山にたどり着かなければならないので10分ほどで下山、デポしたザックを背負い出発する。登山路のブッシュ等は見事に刈りはらわれている。誰が整備したのだろう?!有難いことだ。小ピークを3つほど超えるとブヨ沼が見えてくる。

         
                          ブヨ沼         と      水場への標識

                 
                               湧水の水場

近づいて見ると表面が1cmほど凍っている。近くにはテン場があり、水場の標識がある。150mとあるので行ってみる。斜面はなだらかで水汲みには楽だ。150mほど下ると湧水が何か所からか合流して流れている。このルートは、ここで水を確保すれば楽である。(今回は3.5L持ってきている。)ここからの登りは少しきつくなる。

            
                           音更山山頂手前の斜面

音更山手前の平たん部に1時間半ほどで上がる。大雪らしい感じだ。鉄筋が高山植物を囲うように立っている。夏季の高山植物を守るためのロープを張っていたものだろう。音更山直下にあるテン場にザックを下ろし山頂へ。
            
                                   音更山山頂

ユニ石狩岳山頂より更に素晴らしい大パノラマが眼前に!!来てよかった!!いつの間にか4体の死骸の事は忘れていた。予定通り、この場所をテン場にする。
                   
                                 テント

さっそく焼酎で安着祝い!!美味い!!ストレートが胃袋にしみわたる。とても幸福感・達成感に包まれるひと時である。15時を過ぎると早くも地表は、しばれ(凍り)始め急激に温度が下がり始める。準冬装備なので心配はない。テントを張り潜り込み安着祝いの続きを・・。日没の写真を取り18時前に食事を摂り、明日の日程の確認し就寝。19時過ぎに星空を観たくて外をのぞくが満月に近く月明かりで強く多くの星は観えなかった。再度、就寝。

              
                                   夕日に染まるニペソツ山
 
              

                                   トムラウシ山と沼ノ原

23日(土) 快晴
行動時消費水量 300ml   行動距離 約 9.200 km   行動時間 4 時間 28分

起 床 4:45 → 朝 食 5:30 → 7:15 音更山(幕営)撤収出発 → 7:50 シュナイダーコース分岐 7:55 → 8:26石狩岳 → 8:35 P1967m 8:45 → 8:58 石狩岳 → 9:24 シュナイダーコース分岐 9:45 → 11:25 尾根取付 → 12:06 石狩岳登山口 → 12:12 ユニ石狩登山口 12:18→ 12:33 岩間温泉 13:15 → 13:45 糠平源泉郷(元祖湯本館)14:45 → 16:00 自 宅

        
                                  霜柱

        
                          三股と糠平方面

        
                              雲が掛ったニペソツ

爆睡した。こんなことは珍しい。風がなくテントが揺れなかったこと。準冬装備のため心地よく温かいためだろう。モルゲントロートを楽しむ。ニペに大雪、三股の樹林帯、遠く阿寒の山々、綺麗だ!!これだから山中泊はやめられない!!
テントは凍りついているが今日も風はなく快晴だ!!2日目の行程は余裕があるのでのんびり食事を摂り7時過ぎに出発する。シュナイダー分岐へのゴーロ帯、危険はないがホワイトアウト時には注意が必要か。広大な東西の大パノラマを1人楽しみながら30分ほどで分岐に。分岐手前には好条件のテン場がありカマドが作られて薪まで寄せられている。次に来られる人のためだろう。岳人の優しさを感じる。
ザックをデポし、いよいよ今縦走最終峰石狩岳へ!!気合いを入れ出発する。

            
                              シュナイダー分岐とすぐ上のテン場
 
      
                             石狩岳山頂直下

         
                                石狩岳山頂とトムラウシ山

直下の取付きより急激にきつくなる。さらに気合いが入る。ここまで全く危険を感じない山行だったためか良い緊張感で気を引き締める。山頂手前は10cmほどの雪がある。口に入れ半年ぶりの感触を楽しむ。楽しい!今山行はとにかく楽しい!!30分ほどで山頂に。素晴らしい!!!ここからの眺めは今山行で一番だ!!ぐるっと360°の大パノラマ!!紅葉時期はどんな事になってしまうのだろう?!来年の10月初旬に再度別ルートで来てみたい。
南の頂にケルンが見える。地図を見ると石狩岳の標識のあるこの頂きより1m高いではないか。ここまで来て行かないのはもったいない。10分ほどでたどり着く。


       P1967mとケルン

手前の登りはなかなか緊張感がある。方向によっては風の影響を受けるがテント1張り分のスペースが南側にある。沼ノ原が見える。来年はヌプンに抜けてみようか?トムラへの縦走にしようか?夢は膨らむ。30分ほどで分岐へ。パンをほおばり下山。ところがこのシュナイダールート、なかなかの急降下だ。日高の尾根と比較しても容易くない感じだ。

                     
                 岩まで巻き込む這い松   下山時の平たん部昨年刈り込んだそうだが?!    

危険な個所も適当にあり飽きずにあっという間に尾根取付きまで下りていた。平たん部は3箇所ほど徒渉地点があるが増水時以外は気にならない。40分ほどで石狩岳登山口に。同じくしてランクルタイプの車が林道上流より来て停まる。話を聞くとハンターで岩間温泉に浸かった帰りとの事。ユニ石狩登山口まで乗せていただく。有難い。無事山行を終え、来た道を車で戻り、最終目標の岩間温泉へ。15分ほど上流へ林道を進むと川にぶつかる。ハンターからの情報通りジープタイプでなければ渡ることは出来ない。歩いて徒渉して行こうとしているときに川手前の川筋から1人の男性が来られる。話を聞くと、旭川のKUさんという方でサークルで岩間温泉の手入れと今縦走ルートとニペソツへの登山ルートの手入れをしているとのこと。深々と頭を下げお礼を言う。川筋沿いに10分ほど歩くと露天風呂が見えてくる。

         
                秘湯中の秘湯 岩間温泉の5つのうちの2つ 建物は何もない        

5つの岩風呂がある。それぞれ名前が付いているようだ。一番下の岩風呂に浸かる。乳白色で硫黄の臭いがする。15分ほどのんびり浸かり帰路へ。今夏期最終の縦走!!いうことなしに満足の出来るものであった。





《つぶやき》

好天に恵まれた。
珍しく忘れ物がなかった。
動物の死骸を短時間に4体も見たのには驚いた。
すべてに変化のあるルートで思い出深い山行であった。
熊の気配は全くなかった。
1900m以上の山々に雪の帽子が・・・。この時期もなかなかだ!!
ニペソツ山登山ルートよりも石狩岳シュナイダールートのほうが険しく楽しいが慎重に行動しないと大変なことになるような箇所が多い。
石狩岳をはじめこの稜線からの眺めの雄大さにはたまらない!!
来年の紅葉時に再度計画してみたい。
同ルートではブヨ沼下の水場で水の確保が出来るので装備を軽く出来る。
来月は日高に戻りどこか日帰りピストンでもしよか?!
岩間温泉とこのあたりの登山路を整備されている旭川の方々に感謝!!
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