日高の山に魅せられて !!

ハンパな山男の山行記録 !!

エサオマントッタベツ岳~コイカクサツナイ岳縦走!!だったが no 1

2009年08月03日 | 日高山脈
7月30(金)~8月2日(日) 3泊4日 単 独 夏山沢登り縦走
総行動時消費水量 8.800ml(食事等含む)
総行動距離 38.200km
総行動時間 36時間22分


                  青線は未踏ルート

  30日(木) 雨のち曇り
行動時消費水量 1200ml   行動距離 約14.500km   行動時間 8時間45分

自宅 8:20 → 9:30 林道ゲート終点 9:53 → 11:08ガケの沢出合い 11:10 → 12:30 823m出合い 12:33 → 14:42 997m 出合い 14:45 → 15:40 1190m出合い 15:50 → 17:10 北東カール 17:20 → 18:30 稜線 18:30 → 18:45 札内JP手前のテン場C1

  朝、4時半に目を覚ますが外は雨。中止を決め込み再度寝込む。八時に目を覚ます。雨はやんでいる。1ヶ月も延び延びになっていた事もあり、行けるところまででも良いから行こうと急遽出発する。拓成より林道に入り最終人家を過ぎ、トッタベツヒュッテを過ぎ林道最終ゲートに九時半に着く。

   
       エサオマン登山口車止め
                        
       林道跡の登山路


戸蔦別川とそれに流れ込む沢の様子を見ながら来たが例年よりも水量が多いように思う。早々準備をしていると札幌ナンバーの車が来る。挨拶を交わし会話すと、カムエク~エサオマンの縦走との事。ここに車をデポしマウンテンバイクで札内ヒュッテ奥の行き止まりゲートまで50km行くとの事。すさまじいパワーの持ち主の方だ。稜線での再開等を語りそれぞれ出発する。
ゲートを越え林道を20分ほど進み左に進む。まだ食べられそうな青々として背丈にちょっとたりないくらいの蕗が林道跡を覆っている。踏み後もはっきりしておりしっかり確認して進めば迷うことはない。何カ所か崩れた跡があるので通過時には充分注意が必要だ。30分ほどで沢に出る。7年前の記憶をたどっても水量は多いように思うが、進めないほどではない。



                     滑滝

                                
                             823二股手前


渡渉はしづらいが確実に先に進む。沢は特別危険なところはない。沢分岐はすべて右沢を選んで進んだ。北東カール手前の滑滝は楽しいが注意しないと滑り落ち痛い思いをするかも。これを過ぎ、やっと北東カールに着く。


               北東カール雪渓と小熊2頭と母熊


すでに17時を過ぎている。C1はここにと決めカールを見渡す。な、な、なんと小熊2頭と親熊1頭を雪渓上に発見!!ホイッスルを吹き知らせると慌ててブッシュの中に消えて行った。一安心して逆のカール壁方面を見ると、大きめのヒグマが一頭いる。四頭もいるカールには、さすがに泊まる気にはなれず、もう一踏ん張りして稜線までC1を進めることにする。早々に水を6㍑汲み、ずっしり重くなったザックを担ぎ一番左のカール壁を進む。なかなかの急壁だ!!中腹まではブッシュもなく滑落すると結構な事になる。今年は雨が多いせいか中腹まで水を汲む事は可能だ。筋力を越えるザックの重さのためか1時間ほどかかり稜線に出る。もうくたくただ!!テン場までもう一踏ん張りと進む。


              北東カールの向かって左端の枯れ沢をつめる。


なぜか稜線上の這い松には水滴が着いている。15分ほどでテン場に着く。服はべちゃべちゃだ。すぐに着替え、幕営、簡単な食事を取り重かった貴重なビール(350ml)3本を飲み眠りに着く。何かの地響きで目が覚める。きっと熊だろう?!ラジオの音を聞いて迂回したのか?地響きは聞こえなくなった。疲れているせいか、再度眠りに着く。


31日(金) 晴
行動距離 8.700km 行動時間 9時間17分 行動時消費水量 1700ml


札内JC手前のテン場C1 6:15 → 6:50 エサオマン山頂 7:00 → 7:36 札内JC 7:55 → 10:32 P1760m 10:45 → 13:30 ナメワッカJC13:40 → 15:32 春別岳C2

  4時少し前に目を覚ます。体がだるすぎる。前日の無理がたたったのか?食欲が無く激辛カレーに変更し、無理矢理に吐き気をもようす胃袋に詰め込む。予定よりも小1時間遅く出発。


                  北東カールの雄熊


                        妙敷山と雲海


                         1917峰


快晴だ!!札内JCにザックを置きエサオマンへ。40分程度で山頂に立つ。夏場のエサオマンは初めてだ!!見える!見える!!大日高の大パノラマだ!!

          日高ポロシリと七つ沼カールと戸蔦別岳

         1483m峰と南日高、楽古岳も眺められる!! 最高に素晴らしい!!
 
 いっぺんに疲れが吹き飛ぶ!!来て良かった!!計画より遅れているので10分ほどで札内JCへ戻る。早々、気合いを入れ先を急ぐ。これが失敗であった。稜線の十勝側の踏み後に導かれて入ってしまった。ブッシュ、短い笹等、ほとんどの踏み後は傾斜のままだ。バランスが取りづらいうえに笹で滑る。体力の消耗が激しい。P1760mまではほんとに苦労した。稜線上に戻った時に日高側の這い松帯をのぞくと踏み後が見える。やはり、間違えたのか?確信は無いが、風が強くない時は日高側の這い松帯の踏み後を利用した方が良いのではないかと思う。
 P1760mからは一部の区間は背丈ほどもある這い松帯があるが平均に腰ほどの這い松帯がナメワッカJCまで続く。ナメワッカへの稜線北のカールをのぞくと又熊が居る。よく見ると別々の場所に2頭だ。これで6頭目だ。人には会わないが今山行は随分とヒグマを見かける。やっとの思いでナメワッカJCに着く。疲れ果てる。この時間では予定のC2(1903m-峰JC )までは無理と判断。


エサオマントッタベツ岳 !!

カムエクより下山する事に決める。気持ちも楽になりペースを落としのんびり先へ進む。晴天の日高の山々が疲れを癒してくれる。こんな素晴らしい大自然の日高稜線を歩ける事に幸福感を覚える。十の沢を見下ろすと何とまたまた熊が3頭居る。親小熊2頭と他に1頭だ。今山行9頭目だ!!熊にとっては日常の生活の場なのであろう。人が勝手に入り込んでいるだけで、私の方が邪魔者なのか?!
 ナメワッカJCからは、20~30m前後の岩礁のコブが続きナイフリッジな部分も何カ所かある。滑落すればもちろんただではすまない。結構疲れるが変化があって飽きない。春別岳テン場に15:32に着く。早々に幕営し安着い!!
焼酎だが、計画を変更したせいか気持ちも楽になりやけに美味い!!C1では時間がなくさっさと寝てしまってが、今日はのんびり日高の山々を眺められる。やはり縦走はこうでなければ・・・!!食事を取り、すぐ上の春別岳山頂で夕日を楽しむ。綺麗だ!!ほんとに綺麗だ!!幸せだ!!テントに戻り日ハムの試合を聞きながら眠りに着く。


1日(土) 晴(平野部は曇時々晴)
行動距離 9.800km 行動時間 9時間20分 行動時消費水量 1400ml
春別岳C2 5:50 → 7:58 1917峰 8:13 → 11:05 1903m-峰JC 11:15 → 13:48 カムエク 14:00 → 15:10 八の沢カールC3

昨夜は結構眠る事が出来た。3時過ぎには起き、朝食を取り5時過ぎにC2を出発する。小さなコブのアップダウンを繰り返しながら1917峰手前コルに向かう。1917峰を眺めると山頂に人影が・・・。きっとエサオマン林道ゲートで会った札幌ナンバーの車の方だろう。見ず知らずの方だが早くお会いしたくてピッチが上がる。1917峰直下の急登はなかなかのものだ。札幌ナンバーの車の方とは急登途中で再会!!互いに過ぎたルートの情報を交換し、互いの健闘を願い先へ進む。20分ほどで1917峰へ!!


              1917峰から望むカムエク !! 凄い迫力だ !!                

眼前にカムエクが!!!!日高の山並みには似つかないというか、どっしりとした迫力!圧迫感が凄い!!北の日高ポロシリ等も良い感じた!!休憩も早々1903mJCへ向かう。この稜線も小さなアップダウンがあり飽きはしないが時間がかかる。結構、切れ立っているところもあるが気を付けて進めば特に問題はないと思う。


                  9の沢カールのヒグマ


九の沢カールを見下ろすと何とまた、熊が!!カール壁に一頭、反対側の草地に一頭。通算11頭目だ!!こんなにヒグマを目にすることはもうないかも?!! コルテン場からカールへ踏み後がある。傾斜も緩く15分程度で水場に行けそうだ。11時過ぎに1903mJCに着く。1903m峰へはその後のカムエクへの登りを考えると時間と体力的に自信がなく中止する。カムエク山頂には3名の人影が見える。今山行最後の登りと気合いを入れカムエクへのコルへ、そして山頂へ向かう。コルから山頂までの間で4度も休憩を取る。八の沢カールを望むカムエク山頂手前稜線のお花畑、綺麗だった!相変わらず花の名前は覚えられない(覚える気がないのかも?!)が、癒される。そこから五分ほどでカムエクに!!雲が出てきて見晴らしは良くないが、充分に満足!!ただ、ハエが多すぎる!写真を撮り早々に八の沢カールへ向かう。ここからのルートは急にはっきりし、登山者の多い事が伺える。


                   1903JCから観た1917m峰 なかなか良い感じだ !!
 
                         静内方面の雲海

      八の沢カールの湧き水底の米          カムエク直下のお花畑



1時間ちょっとかかって八の沢カールへ。ガス(雲)に包まれていてなかなかカール全体は見渡せない。6年前よりも雪渓は残っている。履き水をたらふく飲む。最高に美味い!!幕営準備をすませ、食事を(スパゲッティーミート)すませる。水を汲むときに沢底をみてビックリ!!米が底に沈んでいる。なぜ?! 米とぎで落としたのか?食器を洗って捨てたのか?(私は、食べかすはすべてナメ取るか、ティッシュで拭き取り持ち帰る。洗ったことは過去にもない)きっと米を洗うときに落としたのだろう。ヒグマが放置されている食べ物と人間の関係で何か関連性をもった時には怖いと感じる。日高にはそっと入りそっと出ていきたいと思う。八の沢カールには熊の気配はなかった。


                     水墨画のような勝ポロ方面

陽が落ちるまでのんびりくつろぐ。テントに入り明日の天気予報をラジオで聞きながら眠りに着く。(午後より雨との事・・・。早めに下山か・・・。)

no 2 につづく
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2 コメント

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すごいですね (通りすがり)
2011-04-30 19:27:19
野生の熊をみれるなんて、すごいですね。
ブログを読みながら鳥肌が出てしまいました。
返信する
Unknown (Unknown)
2011-04-30 23:40:53
(通りすがり)さん 、そういうところ(ヒグマがたまたま眺められる)に入ってしまうと、意外と覚悟が出来てしまい、怖さはそんなに感じませんよ!?
テントのそばを通った時は、さすがに驚きました。
返信する

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