金曜日5時。仕事を終え、即行家に向う。またまた準備は中途半端。
装備は多分こんなもんだろうという物を床に投げ出してあったのをかばんに詰めていく。
重く、また、入らない・・・汗。やっぱり三脚はあきらめよう。
6時バイクにまたがり出発。目指すは、フジヤマ。
↓これ
いや。こういうのは苦手なので、富士山で勘弁してもらった。
19時過ぎに友人と合流予定だったが、渋滞にはまって20時過ぎ着になりそうとのメールに
谷村PAで時間をつぶしていたら、友人から”着いた”のメール。おい!
慌てて集合場所へ。今回一緒に行くのは
ナガシ、大学時代からの友人。
ここ数年会ってないが、多分変わっていないだろう。

スバルラインを北上し富士山5合目へ。駐車場は満車だが、側道に止めるようになっていて問題ない。
21時20分到着。すでに携帯は圏外。不安を感じる。山小屋には外人を含め20~30人はおり、
また山小屋の明かりで明るいが、一歩外れると真っ暗。本当にこんな中を歩けるのかと不安に思う。
今回夜中に歩くのでヘッドライトを持ってきた。が、今回始めて使う。明るそうだが実際のところどうなのか心配。

準備だ、記念写真だなんだとやっていて結局21時50分5合目を出発。
山小屋にはあんなに人がいたのに、登る気配がない。あっという間に暗闇の中に2人きりになった。
遠くに町の明かりと空には星が見える。しばらくは平坦な道から下り坂。
ヘッドライトはわりかし明るくよく見えるが、やはり気をつけていないと足元の石に足首をとられる。
こんなところで捻挫しては笑いものと、下ばかり見ながら歩く。
しばらくしてやっと登り坂になった。普通ならひいひい言いそうな登り坂だが、
富士山を登ると覚悟を決めているのと、空気が冷たいのでそんなにはつらくない。
ゆっくり歩いていると、大勢の人々に追いつかれた。どうやら10時スタート組みのようだ。
30分も歩くと6合目に到着。完全なウォーミングアップ。
これの5倍なら大丈夫だと、ナガシが言っているがそれはありえない。
ここで音を上げてもらっては困る。各合目の山小屋が載っているチラシをもらう。
よく考えたら富士山の情報はこれだけ。みなさん、ちゃんと情報収集してから行きましょう。

六合目を過ぎると本格的な登りになった。登りの岩場が続く。
足場を照らすヘッドライトの光を頼りにゆっくりと登っていく。
23時30分、七合目到着。山小屋の前のベンチで休憩。500ccのペットボトルが500円。
高いと思うか安いと思うか。自分はまだ持参した水があるので、大丈夫。
でも、カップラーメン600円にとてつもなく引かれるが、がまんがまん。

7合目をすぎると、うっすらと照らされた鳥居が見える。
普通なら薄気味悪く思うが、真っ暗な中を歩いていると明かりがうれしい。
0時30分。鳥居荘。ここがちょうど、7合半。
5合から考えれば数字上はちょうど半分。(つらさは全然違うが・・・)

1時30分。8合目到着。自分たちだけではない。登ってくる人の半分はばてばて。
残り半分は異様にハイテンション。
ここまで平均?ペースをなんとかキープしてきたがここで時間オーバーしだした。
だからと言って、早く行かねばならない事はない。
日の出を頂上でとの思いもあるが、自分は別な計算をしている。
渋滞にはまったり、頂上で押し合いへし合いするのなら、途中でゆったり見たほうが良い。
ゆっくりいく事にする。ただ休憩を長く取ると6合目、7合目でかいた汗が冷やされて凍えそう。
最後の手段、カッパをきる事にする。

ここまでは自分は結構余裕だったのだが、眠気も手伝って流石に辛くなってきた。
幾ら息を吸っても息苦しさが取れない。ああ、空気が薄いということはこういうことか!
2時10分。随分斜めのところで休憩しているがこれでも平らな方。
一度休むと次ぎ立ち上がるまで相当の時間を必要とし、
動き出してもすぐに休憩してしまう。まだまだ8合目を抜け出せない。

3時10分。元祖室。3250mと言う事は、あと526m登らなければならない。
そう考えると気力がなえる。日の出は4時50分だから、頂上は完全にあきらめた。
そして、大変な人ごみ。山小屋で仮眠していた人たちなのだろうか?どこからか沸いてくる。
道は横に2,3人並んで歩けるほどの道幅であるが、歩きやすいところは1車線?だけなので、
みんなそこを歩くので、追い抜くのには随分と体力を使う。


4時。本八合目のご来光館に到着。なんだその”本”八合目というのは!!紛らわしい。
そらの一部分が少し赤みがかっている。火星と思われる星が、その上で輝いている。
たぶんあそこが東で、あそこから登ってくるはずだ。
日の出がきれないなのは、日が出る随分前だから、4時20分くらいから待機した方が良い。
運動1回分(約10分)登り、そこで日の出を待つことにした。




4時10分。その場にしゃがみこんで日の出を待つ。少しずつ空の色が変わっていく。
そのたびにシャッターを押し続ける。4時50分。予定通り太陽は登り始めた。早い。
快晴。こんな風景を見れて登ってよかったと感激する。

9合目を過ぎると、道は1人しか通れなくなった。追い越しはできない。
そこに何百人という人が殺到するから、自ずから渋滞が発生する。
山で渋滞とは聞いていたがこういうことか。なかなか動き出さないが、
疲れている我々には休憩になりちょうどよい。

後ろを振り返る。快晴。そして、地上が遠く下の方に見える。
こんなに高い所まで登ってきたんだなぁと実感する。
うっすらと見える湖は山中湖か。良く湖畔を走ったが、上から見るとこういう風に見えるのか。

7時20分。ついに山頂へ!!やったよ。
実に9時間半かかったが、なんとか登りきりました!!
さあこれでもう目的は達成、降りるだけだ。

ナガシがいやな事をいう。頂上を一周するという。”お鉢めぐり”だ。
ここも山頂だよ。富士山登ったんだよ。これでいいじゃないか?
と強く抵抗したのだが、ナガシ曰く、”もう二度と絶対こないから回る”
がびょーーん。もう体力無いよ。

だって見ての通り、こんな急斜面を登らないといかんのですよ。
まぁそこまで登ってはじめて3776Mなのですが・・・
8時半から回り始め、1時間半ほどかけて一周した後、10時10分から下山開始。
自分にはこっちの方がきつかった。急斜面を膝で体重を止めながら降りていく。
山頂から8合目までは特に急斜面。いい気になって早足で降りていったため、
途中から、膝と足裏が悲鳴を上げた。泣きそうになる。
8合目からは急斜面では無いが、その分距離が伸びる。
なんで富士山なんて登ったんだろうと、この時初めて後悔した。
次回はありえない。今回が最後だ。
ながーいながーい下りを下りきったところが6合目。まだ1合残っている。
6合から5合までは半分は下りだが、残り半分は登りになっている。
下りより登りの方が楽なのは自分の特異体質?だからだろうか?
こうして無事13時20分下山した。
5日たって・・・
筋肉痛も2日でほぼ完治し、今は疲れのみ残ってます。(睡眠不足?)
下山時はもういかねぇと思ってましたが、
もう少しちゃんとした計画をたてるのなら、
また何年か後に行ってみてもいいかなと思っています。