絲山秋子の新刊「まっとうな人生」を予約。もちろん、届くのは、数ヶ月か、それ以上かかるので、2005年発行の「逃亡くそたわけ」を借りて読んでみた。
とても楽しかったあ。
躁鬱のはなちゃんが退屈な精神病院の脱走を決意。ひょんなことから鬱のなごやんを誘って。精神を病むふたりがとてもそうとは思えない、大胆さで九州博多から逃亡。相棒なごやんが大金を出金してくれ、ボロいけど、愛車を駆ってふたりはどんどん南を目指す。
21才のはなちゃんは幻聴に悩まされ、躁状態と焦燥感から逃走をはかるのだけど、だんだんと旅に慣れてくると、とても前向きにみえてきた。というか、
その間、酒はかっぱらうわ、はなちゃんは無免許なのに運転をかってでるわ(これは優しさから)、ど田舎の精神科であやしい患者とうたがわれつつも薬を出してもらうわ、山中での車中泊でロマンスは始まらんわ、やっと街にでられて、初めてのホテル泊でも、ロマンスは始まらんは。つうのが、なごやんはとっても紳士でいいやつなのだ。しかし、このふたりの行動はまさにくそたわけ、なわけ。
でも、なぜかとっても清々しい。強気のはなちゃんと、ちょっと気弱だけどしっかり者のなごやんとの会話も絶妙。
男女の友情が自然に存在してる。
絶景もたくさん描写されてて、映画にもなったらしい。観てみたい。
刺激的なロードムービーに違いない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます