去年の夏ごろ、「風と共に去りぬ」を女性問題として捉えた解説本が出た。
そんなのあるんだと思い、図書館に予約すると共に、自宅本棚にあった「風と共に去りぬ」を読み始めた。
昔、映画を観て感動し、本も読もうとした。が、ところがどっこい。最初の一行で挫折した。スカーレットは美人ではないがーしか頭に入ってこない。なんど読んでもそれ以降の文字はチンプンカンプン。
ところが、コロナ禍の還暦を目前にしてハマった。もう大人だから、アイルランドもジョージアも理解できるからなのか?
で、どこにハマるかというと、スカーレットの凄まじいほどの貪欲さ、まったくの無反省。そしてなにより、世間帯をまったく気にしない徹底した現実主義者という描かれ方。
昔、映画を観て、人生を切り開く逞しいスカーレット、カッコいいと思ったけど、実は恐ろしい女だった。本で描かれるのは、騙すわ、盗むわ、敵の兵士殺すわ、戦争復興期には会社経営で、囚人を雇い入れ死にかけるほど酷使するわ。バトラーと結婚したら、成金趣味で散財するわ。とにかく、極悪非道で見栄っ張りの極み。人の痛みに鈍感過ぎ。それというのもスカーレット自身も戦争の悲惨な場面を数々見た犠牲者ではあるからなんだけど。
だとしてもこんなに酷いヒロインが他にいるだろうか?酷すぎてもう天晴れとしか。
また、あの聖母のようなメラニーもちょっと怖いんだけど。