毎日暑くて死にそうだなんて言ってたのが昨日のように思えるのに
今月に入った途端急に秋めいてきたように感じる今日この頃。
四季が移ろう日本に生まれて良かったなんて風流さなら良いのだが、
年中エアコンの効いた部屋でぼんやりしている時間のあるヒマヒマな私。
きっともう少しするだけで今度は寒い寒いというに決まってるな、うん。
そうなると今度は鍋が食いたくなるってもんだ。
あれは単なる料理ではなくて家族団らんのツールだったと書けば大袈裟かな。
家族大勢で一緒にひとつの鍋を囲む。
核家族化が進んだ今ではある意味希少価値ではないだろうか。
かくいう私のところも二人の子供が出て行って今は家内とだけになってしまった。
やっぱり鍋は大人数で食べるのが良い。
最近「一人鍋」なんて言葉もあるらしいが考えただけでも全くつまらんやないの。
空腹を満たす、栄養を摂るなんて以外のプラスαがナベには絶対必要さ。
子どもの頃のご馳走、すき焼きなんて誰が肉を取りすぎるとか
豆腐をもっと食えだなんて母親に言われたり、
プチ贅沢だった卵は一人一個で賄わなくてはならなかったので
黄身は解かずに箸の先で穴をあけ少しづつ食べた記憶も懐かしく思い出す。
もっとも我が家で鍋といえば殆ど水炊きとか寄せ鍋と呼ばれる野菜中心に
豚肉みたいなのちょっと加わる系の物が定番で肉(牛肉)系は滅多になかったね。
すき焼きなんてのはそれイコール祝い事みたいなイメージしかないからね。
案外それよりは頻度が高かったのはハリハリ鍋、今では高級食材となったクジラ肉のことである。
当時は牛よりはかなり格安な肉だったように思う。
因みに私が子供時代の40~50年前の関西では肉と言えば牛のことで
豚肉は「ブタ」、クジラ肉は「クジラ」とはっきり発するのよね。
そうそう鶏肉は「カシワ」なのさ。
もし60歳以上の関西人に知り合いがいれば訊ねてもらうと嘘でないのがきっと判るはずさ。
食の文化は違えども世界各国の料理も日本家庭にもジワジワと浸透し
オリジナルとは多分違うだろうけどジンギスカンとかボルシチ、
ブイヤベースなんてのもたまに見かけるようになっていった。
最近我が家ではキムチ鍋の登場頻度がかなり高くなってきた。
娘や息子に「せかいのなべ」聞くとまず間違いなくリプライされるであろう答え。
それはナベアツ(本名 渡辺鐘 わたなべ あつむ)と言うことだろう。
自称ながらも「世界のナベアツ」として漫才コンビ「ジャリズム」のボケ役として
3の倍数の時にアホになるギャグで数年程前には茶の間を賑わしていた男である。
最近テレビで見かけることはないがその後、上方落語協会会長の桂文枝(当時の桂三枝)に
弟子入りし落語家として桂三度の名前で高座に上がっている。
例のギャグにあやかる名前に思えるが元々本名の一字である「渡」から付けられたらしい。
では我々より上の世代ではどうだろうか?
かなりの高確率で続けてこう答えるだろう。
いや、そう答えてもらわなけりゃ今後の話の展開上非常にマズイことになってしまうんだよなあ。
「サ・ダ」と。
今年で御年82歳。
日本人男性の平均寿命を越えてなおバリバリの現役ジャズメン「渡辺貞夫」。
通称ナベサダである。
私が音楽に興味を持ちだした頃には既にビッグネームとなっており、
ヤマハのスクーター「タウニー」や「ベルーガ」のCMも好感を持って見ていたのも懐かしい昔話だね。
当時ソフィアローレンの宣伝するラッタッタのロードパルより遥かに洗練されてカッコ良かったベルーガは
喉から手が出るくらい魅力的なスクーターだったけど、
暇はあっても金のない学生の身にはちょっぴり高値の花で手が出なかったなあ。
当時スクーターといえば映画「ローマの休日」で
グレゴリーペックがオードリーヘップバーンを後席に乗せて走ったベスパが何とも素敵で、
国産車はまだ機能最優先でデザインまで行き届いてなかった感があった。
そんな時に登場したベルーガはその名の通り(確か白イルカだったか)流麗でモダンな雰囲気があったね。
おっと、感傷的になって脱線しちゃうところだった。
渡辺貞夫の話に戻そう。
1978年発表の「カリフォルニア・シャワー」はジャズのカテゴリーを大きく越えて
広くヒットしたので皆さんご存知だろうと思う。
いつの間にかどこかへ行ってしまったけどLP買って持ってたもんなあ。
草刈正雄と資生堂ブラバスのCMでこれを思い出す方もいるんやないかな。
何となく健在とは思っていたものの
ツアーするほどの精力はあるとは思ってもみなかったぜ。
その彼がライブに来ると聞けばそりゃ行かない手はないってもんさ。
場所はビルボードライブ大阪。
ステージ正面のメンバーズシートで生ナベサダを聴けるとは夢みたいさ。
こちらのナベは高級な天然物の刺身と同じで活けもんですな。
無論気の置けない友人と旨い焼酎、食事つきなのも
私に取っては非常に嬉しくて始まる前から既にルンルン気分だ。
今回のツアー用に組まれた編成はラッセル・フェランテ(Piano)、
ウィリアム・ケネディ(Drums)、エドウィン・リヴィングストン(Bass)の
彼らしい国際色豊かな面々で、
もうこのレベルまでくれば上手いとか下手なんて(当然上手いに決まってるが)のを
遥かに超越した生きるレジェンドを観る、時代の生き証人みたいな感覚だろうか。
演奏だけでなく話や立ち居振る舞いやちょっとした仕草、
間奏部に単にステージ端に佇んでいることですら、
何をやってもその存在自体が最早パフォーマンスとなってしまうのだ。
一緒に行った友人も興奮気味に最初からオーラ出まくりだったねなんて言っていたのも全く頷ける。
ナベさんはきっと死ぬまで一生現役アーティストなんだろうなと思わせるステージでした。
開演中は写真撮影禁止の為、例によって拝借品だけど私の席からは丁度こんな風景でしたね。
久しぶりだったけどライブはやっぱりイイね!
レコード、CD、DVDとはまた違う息遣いは行った者しか味わえない醍醐味だ。
さあ、今度は誰のライブに行こうかな?
でもちょっぴり贅沢で悩ましい問題がひとつだけ発生。
人間段々と楽をすると元には戻れない生き物なんて言われるけどさ、
こんな良席で一杯やりながら素晴らしい演奏を味わうと
いくら大物であってもオペラグラス席の大ホールには行けなくなっちゃうだろうなあ・・・。
はてさて次に行くのはいつになることやら・・・?
(了)
スキ焼から世界のナベサダへもっていくとは、相変わらずの見事なオヤジ節です。
しかし、渡辺貞夫のステージ正面でメンバーズシートに座りながら焼酎、食事付きって
どうすりゃ、そうなるのですか?? オヤジさんの交友範囲の広さに脱帽ですね。
今回は特別でもコネでもなくて事前予約でチケットさえ取れれば誰でも鑑賞可能な所です。
ふとナベサダが演るのを2ヶ月くらい前に見つけて急に行かねばなるまいと、
わざわざこれの為にビルボード会員になった程度です。
通常のライブハウスとは違って少々値段は高めですけど食事類は充実しており、
前日までの予約要ですがフルコースまでオーダー出来るくらいでした。(当然食事代は別途です)
でもオジジさんもきっと「世界のナベサダ」って言うでしょ?
子供のころ肉といえば牛、給食のクジラ、豚肉は小学生の頃は食べたことがなかったような
気がする~。我が家は91歳の父とカミさん(もうじき60歳)の3人なので、肉類は減って
鍋といえば「おでん」もしくは豚肉のチョット入った野菜(白菜、ダイコンなど)鍋がメインです。
家庭菜園のおかげで野菜は結構ありますので。私もナベサダのLP持っていました。
今は行方不明ですケド。どこかにあるはず。ハイレゾでジャズに挑戦しよう。
世界のなべと聞いて思い浮かべたのは、渡辺貞夫さんでした。
なんだ~今回は鍋の話か~
いよいよ次期給食当番に任命しようかなんて思ったら
渡辺貞夫さんが出てきてあ~やっぱりって感じで、なんかホットしました?
ビックネームの方の演奏をこんなまじかに聴けるとは
素晴らしいですね~
「おでん」もイイですねえ。
理由は知りませんけど関西人は「カントダキ(関東煮)」って言いますね。
レコードはCDに押されて媒体が無くなっていったのが影響大きかったです。
嵩張るのもあって引っ越しの度に捨てられたか開かずの段ボールの中かってところです。
感覚を共有できるのはおそらく同世代以上でしょうね。
当方実際の鍋は専ら食べるだけの芸ですから、
給食係はほぼ任期無制限でお願いいたします。
自分は40代ですが関西人なんで肉と言えば牛、鳥と言えばカシワ、豚肉と言えな「ブタ」、
クジラは「コロ」・・・? 関東煮のコロやスジが食べたァ~い!
なので世界の鍋って言われたら写真の通りスキヤキをイメージしてました。キュウちゃんの
「上を向いて歩こう」も海外では「スキヤキ」ですから。
ところが急転直下でナベサダへ行く当たり、普通なら無理やり感が出るハズなんですが
自然な流れで持って行かれて流石!って思わされました。私はナベサダと来れば
草刈正雄さんより日野正平さんの方がイメージ強いです。ナベサダの生演奏を
こんな近くで見られるなんて、なんてシアワセナ人だ!?
コロはクジラの皮(油肉)でしたよね。
うちの場合は最もポピュラーだったのはベーコンでして、
ハムではなくてクジラのベーコンは近所の肉屋に子供の頃おつかいに行かされたりしましたね。
ごくごくたまに親父の酒のアテのついでみたいにオバケは口にしましたが、
その頃は赤身しか知らずオノミだとかカノコなんて大人になるまで全く知りませんでした。
魚もマグロは赤身でトロなんて存在も目にすることなかったですもの。
どこの家庭でもそんな食生活だったのではないでしょうかね。
ところで火野正平とナベサダの関係はどういったものでしょうか?
漢字違いになりますがJAZZ界のビッグネームであるヒノテルこと日野皓正も
NY在住ながら結構日本で活動しており、
先月も関西に来ていたのですが行きそびれちゃいました(笑)!
JAZZ系は案外小さなライブハウスやJAZZバーなんかで演ることが多くて
タイミングさえ良ければ目と鼻の先で(それも一杯やりながら)
味わうことが出来ますよ、お試しください。