催眠家のための英語入門

このブログは、作者不詳の催眠誘導からエリクソンまで、英語の催眠情報をホイホイと読むお手伝いをします。

明日のためのその三(ほとんどゼロから英文読み)

2007-10-20 17:57:55 | Training
受験英語は毎年どんどん簡単になってきているので、かつての標準英文解釈問題集が、いまでは「受験ではそこまでやる必要なし」な難解本になっています。そんな訳で、受験生用の参考書、問題集はやさしいものが増えてます。受験向けは出版数が期待できるので、本の値段も安い。言うことなしです。

とりあえず英語は苦手だった、今も苦手意識が抜けない場合は、先のアルファベットや音読トレーニングからはじめましょう。
戻りの大きい方が、進む速さは速くなります。

そこまで苦手でない、けれど英語から離れて久しいなら、とりあえず

くもんの中学英文法―中学1~3年 基礎から受験まで (スーパーステップ)
くもんの中学英文読解―中学1~3年 (スーパーステップ)

上の2冊をなるべくはやく3回読んでみましょう(もちろん音読で)。もちろんもっと読んでもかまいません。

それが済んだら(あるいは、上のような基礎トレは、自分には必要ないと思ったら)

○安河内の英語をはじめからていねいに (上) (下)

をスタート本にしましょう。基礎的なことが、とりあえずカバーできます。
問題と解答をいっしょに見て、先へ先へと進みましょう。
問題を解きたい、という人も3周目くらいから始めるのがよいです。
まずは読むこと、それも日本語訳→英文の順でよむことです。
具体的には、和訳読み→英文(わからないところにマーカー)→もいちど和訳チェック→音読10回といった感じでやります。
これは以後の英語本のすべてに共通する使い方です。

これが上の本が済んだら、

大学入試 英語長文ハイパートレーニングレベル1 超基礎編

に挑戦です。我々が読みたいのは受験英語の細切れでなく、ひとまとまりの論文なり本ですから、早いうちから「長文」に親しむに越した事はありません(もっとも受験では、1ページ程度の英文も「長文」と呼ばれるので、普通の意味では決して長いものではないです)。上の本は「超基礎編」と怪しげな日本語の副題のとおり、これ以上にないほど簡単な長文問題集です。解説も1文1文丁寧で、加えて音読や、意味のまとまりをつかまえて読むスラッシュ・リーディング(英語を普通の速度で読むには不可欠)まで扱ってます。5回くらい繰り返し読みましょう。もちろん和訳読み→英文(わからないところにマーカー)→もいちど和訳チェック→音読10回です。
同じシリーズで「大学入試 英語長文ハイパートレーニングレベル2 センターレベル編」などもあり、この本も3~5回くらい繰り返して自信がついたら、次のレベルに進む事ができます。

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もっとちゃんと英文解釈の基礎トレーニングを積んでおきたいという人には、

○「大矢英語読み方講義の実況中継」(語学春秋社)
いわゆる予備校講義ものの一冊。英文解釈の基礎(や英文解釈以前の「常識」を話し言葉で丁寧に解説してあり、読みやすいでしょう。
英文解釈の参考書の中ではもっともやさしいレベル。気楽に入門できます。
英語に苦手意識がある人には心強いです。

○薬袋善郎『基本からわかる英語リーディング教本』研究社
品詞分解の方法を基礎から徹底的に理詰めできっちり解説してあります。
他の英文解釈の本をやる場合にも、先にこの本を済ませておくとの本で品詞の知識という英語を理解するための地力がつき、やる気と学習速度が高まります。

○西きょうじ『英文読解入門 基本はここだ!』(代々木ライブラリー)
短文を題材に、文法事項ごとに英文の読み方を詳しく解説してありますが、中学レベル+αの文法の知識が前提です。
薄い本ですが、読解に必要な事項は網羅されています。文法知識を覚えるというより、英文を読むための思考プロセスを身につけるための本なので、やや後ろに入れました。

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語彙の不足を感じた場合には、不足を感じた時点でそれぞれ、

○速読英単語 入門編 必修編 上級編
リンガメタリカ

を英文解釈本と平行してはじめるとよいでしょう。初心者の自覚や苦手意識があるひとは、迷わず「入門編」から。これも「単語を覚えるんだ」と特に意識せずとも、和訳読み→英文(わからないところにマーカー)→もいちど和訳チェック→音読10回でどんどんやっていきましょう。
「基礎編」が終われば、標準的な入試英語レベルなら随分楽に読めるようになります。
「上級編」「リンガメタリカ」を、学術系の英文を読む前に済ませておくと、ある程度は楽です。もちろん学術系の語彙は、学問によって異なるので、学問ごとに語彙を習得する必要がありますが。

○古藤 晃「ジャンル別英文読解以前 (基礎知識充実編)

ひょっとすると分からないのは語彙(英単語)ではなくて、背景知識(その分野での「常識」)かもしれません。自分の知らない事が書いてあると日本語ですら訳がわからないものですから、英語だとなおさらです。速読英単語 基礎編を終えたレベルなら、この本で英語を読むための基礎知識を身につけることができるでしょう。これも和文読みからはじめてみてください。

3 コメント

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managingyourmindについて (kokosay)
2008-10-18 09:59:25
今、高2なんですが
managingyourmindを読みたくて少しずつよんでいるんですけど色んなところでつっかえて早く読むことができません・・・
どうしたらよいでしょか?
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re:managingyourmindについて (管理者)
2008-10-25 17:28:54
コメントありがとうございます。コメントの公開、お返事ともに遅くなってすみません。

さて、Managing your Mindを、高校2年生で、つかえながらも読んでいけるというのは、まずなかなかのものです。「明日のためのその三」のレベルは超えている、と思います。

この先のレベルに行くのには、いくつかのアプローチがありますが、「明日のためのその五」で書こうと思っていたことを書くことにします。

(1)一番地味だが確実なアプローチ:分からなかったところは、すべて印をつけて、調べ尽くす。
使うものとしては、
英和辞書は学校で使っているものに加えて、大辞典レベルのもの(『研究社 新英和大辞典 第六版』『小学館ランダムハウス大英和辞典』『ジーニアス英和大辞典』『リーダース英和辞典+リーダースプラス英和辞典』など)、あと『英語イディオム完全対訳辞典』『熟語本位英和中辞典』『新クラウン英語熟語辞典 第3版』『バロン現代英語熟語辞典』などもあると便利だと思います。
文法書も学校で使っているものに加えて、江川 泰一郎『英文法解説』、綿貫陽『ロイヤル英文法』『表現のための実践ロイヤル英文法』といったレベルのもの+安藤 貞雄『現代英文法講義』(日本語では一番詳しい英文法書です)といったもの、
そして大きな手助けになるものとして、『現代英語語法辞典 (Sanseido's Dictionary of Present-day English Usage)』、『オックスフォード実例現代英語用法辞典』、石橋 幸太郎『英語語法大事典1~4』(英語教師がよく使っているものです)といった語法辞典があります。
英英辞典や英文の参考書もあると便利ですが、これらはネット上で引くことにしましょう(このページを参考にしてください)。

分からないところは英文をノートに書き写し、調べたこともすべてノートに転記します。つまりやってることは、学校のリーダーでやる予習とそう変わることではありません。ただ調べるツールは、自分で装備可能な最強のものを徹底的に使う、ということです。
地味なのでモチベーションが維持しにくいでしょうから、目安をあげておくと、この作業を30ページやれば、自分の英語力の変化にはっきり気付くと思います。100ページやれば、格段に読む速度と正確さが上がっているでしょう。こうなるには、繰り返しますが、わからないことはすべて書き出し、調べ、覚えることが条件です。

多読はいつでもできますが、精読の訓練は、人間の一生のうちでそう何度もやる機会はありません。一生ものの英語力を身につけるには、そうまでして読みたい本がある、という今こそチャンスかもしれません。

ちなみに一生ものの英語力の目安は語彙で5万語(大きめでない学習英和辞典の語彙)をマスターし、文法で、スワン(『オックスフォード実例現代英語用法辞典』のことを作者名でこう呼びます)の項目をマスターしていること、この2点です。

(2)少し回り道して力をつける
 Managing your Mindの英語は決して難しいものではありませんが、それでもところどころつかえてしまうのは仕方がないと思います。
 とりあえず、いまでは受験用としては難しすぎる、と敬遠されがちな、伊藤和夫『英文解釈教室』を5回繰り返してやります。
 このあと、中原 道喜『新英文読解法―本格的な読解力を確実に』、多田 幸蔵『英文解釈どう仕上げる―How to read English correctly (Blue sky series (3))』、古谷 専三『英文の分析的考え方18講―英文解釈・古谷メソッド・完結篇』あたりをやります。この辺はすべて、かつての受験英文解釈のトレーニング本ですが、おそらくはこの辺りが似合う実力をすでにお持ちだと思います。この辺をやりきれば、英語は偏差値で80を超えると思います。
 安西 徹雄『英文読解術 (ちくま学芸文庫 ア 10-4) 』も、小さい本ですが参考になるところが多いと思います。
 語彙については、『ジュニ・アンカー英和辞典』を暗記しましょう。やり方としては、辞書を最初から読む→瞬時にわからない単語、知らない意味があった単語は、カードに発音、例文ともに書き出す→そうやってつくったカードを毎日眺める(日が経つに従ってカードが増えて大変ですが、最初の頃のカードは何十回と見て覚えてきているので、そしたらカードを見返す期間を少しづつ広げていきます)。英和だと12800語程度ですから、最初の山としては妥当なところです。辞書を最後までいくと、大きな自信とすばらしい実力がついているはずです。
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kokosayさんではないのですが (nov)
2008-11-06 02:06:28
どうもありがとうございます。
更新の中でも特に明日のためのシリーズを楽しみに待ちながら、Managing your mindをちびりちびりと読んでいる私にも益するところ大でした。受験勉強にも励みがつきました。ほかにも勉強のポイントなどで思い起こされた点がありましたら、書いていただけると、とてもうれしく思います。
催促のようにしめてしまいもうしわけないのですが、正直に書いたところで、失礼します。

もしかしたら多重投稿になっているかもしれません。申し訳ありません。初めての書き込みでで勝手がわかりませんでした。
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