昔の人は本当に我慢強かったか？

有害図書撲滅さんの新エントリー「コンビニの有害図書が、性の低年齢化の原因に１つ 」だそうで。

今回は社会悪の発生源　「コンビニ」さんからの引用ということで、そちらにも一緒にトラバさせていただくつもりです。
（今回の記事の参考にと、久しぶりに社会悪の～さんへ行ってみたところ、以前の私のコメントが削除されていました。果たして荒らしと見なされたのか、それとも単に不快だったから削除されたのかは、私にもわかりませんが。）

さて、内容についてですが、また香ばしいナァ、というのが正直な感想。
便利さのせいで失うものもあると。ここまでは同意します。確かに生き物ってのは、使わない部分は退化するようにできてますから、何でもかんでも便利になればいいってワケではありません。
しかし、なぜそこで「モラルの低下、教育環境の悪化」という流れに持っていけるのか、いつものことですがここの接点が説明されていませんね。
「コンビニによって便利になることの弊害」ならば、「安くていい食品を買うために、遠くまで足を運ぶ努力をしなくなること」ではないのかと、そう思うわけです。
「便利さのせいで我慢強さがなくなる」と。しかしなぜそれが「性に関して」であるといえるのか。「人生の全てに対する我慢強さがなくなるから、性に関しても同様である」とでも仰るつもりでしょうか？

私が思うに、昔の人は（今と比較して）物的に乏しい世界で生きていくのが当たり前だっただけで、別段我慢強かったわけではないと思います。
例えば江戸時代、遠方への旅行は普通徒歩で行われました。これは当時の人が精神的に強かったわけではなく、ほかに方法がなかったからそうしただけのことです。その当時に鉄道などの交通機関ができていれば、みんなこぞって使っていたでしょう。
だって、無駄な苦労はしたくないですもの。

例えば将来「どこでもドア」のようなものができるとして、爺さんになった私が
「ワシが若い頃はの～、外国へ行くために何時間も飛行機に乗らなければならんかったんじゃ。それが今はどうじゃ、世界のどこへでも一瞬で行けてしまう。今の世の中は便利すぎるから、若い奴がダメになるんじゃ。」
などとほざくのが、正しい姿だと言えるのでしょうか？（まあ、私は22世紀まで生きているつもりはないですけど。）

ですから、昔の人が我慢（と言っていいのかも怪しいですが）していたのは「そうせざるを得なかった部分」だけであって、生活の全てに関してではありません。
スタンダード　反社会学講座さんの第24回　子どもが嫌いなオトナのための鎮魂曲では、日本人は昔から、特に困窮しているわけでもないのに、「面倒だから」という程度の理由で自分の子どもを殺しまくっていたのが分かります。少なくとも子育てに関しては、昔の人は我慢強くなかったことが分かりますね。

我々の世代では、子殺しは犯罪です。ですからおおっぴらに子どもを殺すことはできません。「便利さが我慢強さを失わせる」という文脈に沿って言うなら、現代人は子殺しに関して、昔の人よりも遥かに我慢強いことになります。


＞生まれたときから世間にコンビニエンスストアが存在したという子供たちにとって、私は、性行為もまた、その環境が「成人男女の親愛行為」から「単なる快楽行為」に変えてしまったのだと思えてならないのです。

はいここ。コンビニどころか碌にエロ本もなかった世代のほうが、よっぽど快楽行動に走っていたことが分かりますね。
（しかしこのデータ、ホントに興味深いです。なんで1950～'70年代だけが、こんなに犯罪者で溢れかえっていたのでしょう？）