男女間の相性 ～世話～

　
「世話」…
これがまた、なかなか奥が深い。

一口に「世話」といっても、世の中には色んな種類の「世話」がある。
仕事上のモノもあれば親子間のモノ、ビジネスの介護もあれば、私的な介護もある。
広い意味では、人のためにとか、世のためにとかいった、宗教や、ボランティアなども
「世話」とは深い関係がある。

その中でも、男女間の「世話」のお話。

男女間の「世話」の相性というのは、特に関係が密になるほど大きなものになってくる。
なので、これから異性と付き合うという人も、
これから結婚するという人も、
あるいは　もう結婚しているという人も、
この「世話」という観点から、男女間を見てみるのも面白いかもしれない。



簡単なところで言うと、「世話好き」かどうか。
人の性格を、この「世話好き」かどうかでざっくりと分類してみると
４つに大別できる。

●世話好きで世話され好き
●世話好きで世話され嫌い
●世話嫌いで世話され好き
●世話嫌いで世話され嫌い

一体自分はどのタイプになるのか、また、パートナーはどのタイプになるのかを
考えてみるわけさ。

これがまた簡単でもあり、難しくもある。
本当の自分を奥底まで掘り下げないと、見えてこないからだ。
とりわけ世の中、自分の事を勘違いしている人は多いからね。

そもそも本当の意味での「世話好き」かどうかを、見極める事自体難しい。
自分のアイデンティティーを保つためや、自分の快楽のために
世話をやく人が、とても多いからね。
自分でその事に気が付いていない人がほとんどなので、厄介だ。

俺としては、対価を求めた「世話」は本当の意味での「世話」とは考えたくない。




各タイプごとに少し考えてみる。

●世話好きで世話され好き
　　これがもっとも勘違いしている人が多いタイプで
　　実は「世話嫌いで世話され好き」にもかかわらず
　　自分はこのタイプだ、と思っている人が少なくない。
　　
　　そういう人は、関係がアンバランスになった時に露呈しやすい。
　　「俺があんなにしてやったのに…」とか
　　「私がこんなに想っているのに、ぜんぜん…」とか
　　「昔、俺の渡した○○を返してくれ…」など、
　　ついつい思ってしまう人は、結局　何かしらの対価を求めて
　　世話をしているだけで、実は世話する事を負担に感じていたりするんだね。
　　愛されたい、甘えたい、などの裏返しの「世話」なのだろう。
　　
　　こういった自分中心のモノは「世話」とは言えず
　　やはり相手中心のモノこそ「世話」と言えるんじゃなかろうか。
　　
　　時々いるよね、
　　「あんなにしてやったのに、お礼の１つも返さない」って憤慨してる人。
　　もちろん、してもらった義に対して、義を返さないのは悪い。
　　でも、それは悲しむ事ではあっても、腹を立てることではないのだ。
　　そんな見返りを期待しているのであれば、最初から世話をする事自体間違っている。
　　ギブ＆テイクの仕事ならまだしも、男女間でのそれは痛い。

　　本当に世話好きで世話され好きな人は、人好きとも言えるだろう。
　　人とのコミュニケーションを好む人も多い。
　　ただ、気を付けないと、八方美人にもなりやすく、パートナーより
　　友人関係を重視してしまうことも…
　　本当に大事にしなければならない人を、見失わないようにしないとね。


●世話好きで世話され嫌い
　　俺は、自分はこのタイプだと思う。
　　たぶん…(;^_^A

　　正直、客観的に見れない部分もあり、何故世話する事が好きなのか
　　よく分からないところもある。
　　良く思われたいという気持ちもあるが、
　　基本的には相手が幸せになってもらいたいという気持ちが、
　　一番大きいと思うんだよね。

　　家族構成も影響しているのかもしれない。
　　俺には２歳違いの妹がいる。
　　妹が初めて家に来た時、オフクロは俺に　こう言った
　　「今日からあなたはお兄ちゃん。
　　　お兄ちゃんなんだから、あなたがこの赤ちゃんを面倒みるのよ♪」って。
　　俺はとても素直にその言葉を受け入れた。
　　『うん♪面倒みる！』と…
　　今思うと、親はきっと、とんでもなくヤンチャだった俺に対し
　　防衛線を張っていたのかもしれない。
　　でも、そんな些細な事が、世話好きの発端になっているのかもね。

　　ところが…
　　俺って、世話されるのがダメなんだよね…
　　特に男女間では…
　　「自分でやるから、いいよっ！」と、思ってしまう。
　　これも、物心付いた時からそうみたい。
　　幼稚園に行くとなった初日、
　　今日から自分で朝着替えなさいと言われ、物凄く嬉しかったことを
　　今でもはっきり覚えている。
　　良く言えば「手の掛からない子」、
　　悪く言えば「世話のしがいのない子」だったようだ。


●世話嫌いで世話され好き
　　ウチのカミさんは、このタイプ（;´▽｀A``
　　３人兄弟の末っ子というのも、うなずける。

　　子供の頃から病弱で、何かと母親に世話をしてもらっていた反面、
　　兄弟には冷遇されていたこともあり、守られた環境を自然と好む。
　　基本的に世話をしたいという気持ちは無いわけではないが、
　　体力の無さが、その気持ちを減退させてしまう。

　　一歩　社会にでると、甘えてばかりで人の世話を全くしないというわけには
　　いかないので、体にムチ打って気配りをしてしまうが、
　　結局は体が悲鳴をあげ、寝込んでしまう結果になる事が多い。
　　こういったことは、体が丈夫で、元気が余っているような人には
　　時折理解されないこともあり、不憫に思う。

　　世話をすることに不慣れな事もあり、時折「相手が何をして欲しいか」を
　　考えるより、「自分が何をしてあげたいか」に偏ってしまうこともある。
　　「世話嫌い」と言うより、「世話が苦手」と言った方が正しいかもしれない。

　　ウチのカミさんで言うと、こんな感じなのだが
　　「世話が苦手」で「世話され好き」の人ってのは、簡単に言うと
　　「甘えん坊タイプ」ってところか…。


●世話嫌いで世話され嫌い
　　このタイプは、言わなくとも大体想像はつくと思うが、
　　１人でいる事を好む人が多い。
　　「人」自体、あまり好きじゃない人も…。
　　
　　「他人になんか、任せておけない！自分でやるわっ！」というような
　　全ての事を自己完結できるような、バリバリの能力の高い人もいれば、
　　誰かに干渉する事も無く、誰からも影響を受けないで、
　　のほほんと我が道を行くという人もいる。

　　ある意味、自由人だとも言えるタイプだね。



このような４つのタイプの内、自分達がどれとどれの組み合わせなのかを、お互いに認識し、
どういう相性なのかを意識して付き合うというのも、いいんじゃないかと…。

ウチの場合、「世話好きで世話され嫌い」と「世話嫌いで世話され好き」の組み合わせなので
非常に相性が良い。

ただ、この組み合わせがベストというものでもない。

世話好きの人でも、なかなか世話をさせてくれない人の方が、
ヤキモキして魅力を感じたりする人もいる。
むしろパートナーが甘えてくると、とたんに世話心が冷めてしまったりね。

なので実際には、4つからなる組み合わせの表面だけを見て
お互いの相性が全て分かる、というような単純な話でもないのだが…

相手を思いやることへの、ちょっとしたヒントには　なるんじゃないかな。

例えばウチの場合、世話をされる事を嫌っている俺のことを知っているカミさんは
世話をしたくなっても、グッと堪える。
これは、世話をしない事が、結果世話をしている事になる。
また、そんなカミさんを見て、世話をさせてあげる事も、これもまた世話をしていることになる。

こういった、直接的ではない「世話」も存在するわけで
どのような世話の相性といえども、ちゃんと相手の性分を踏まえていれば
思いやりを持つ事はできるんだよね。



上記の大別した４つの組み合わせは、全部で１６通りだが、
世話好きとも、世話され好きとも、「どちらともいえない」とか
「時と場合によって…」など、微妙な世話心もいれると、とんでもない数の
組み合わせが出来てしまう。

そういう細かい分類を気にするのではなく、パートナーがどういう性分なのかを
当事者同士で、認識し合うことが大事なんだと思う。


今回、おかあちゃんに編んでいた帽子とマフラー