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モトログ ~ある診断士の終わりなき挑戦~

常に挑戦者であることでkurogenkokuは成長を続けるとともに、人の痛みのわかる診断士を目指します。

限界利益について考える

2012-10-05 05:02:00 | 中小企業診断士
kurogenkokuです。
「どれだけ売ったら黒字になるのかわからない」「ここと取引すると販売手数料を売上の40%も取られるので、今後も取引すべきかどうか迷っている」、こんな経営相談を多く受けます。
その際に登場するのが限界利益という考え方です。

自分の場合、「限界利益は固定費を回収していくための利益なんですよ」と一言で説明するようにしています。


参考までに公式を掲載すると。

【限界利益】
限界利益=売上高-変動費


「売上高」から「売上に伴って増える経費」を差し引いたのが限界利益です。
売上高が変動費を上回っていれば、売上が伸びれば伸びるほど限界利益が増えます。


ここでもう一方のキーワードに「固定費」というのがあります。

【固定費】
売上のあるなしに関係なく決まって発生する費用で、毎期その額がほぼ一定なもの。




固定費(毎期発生する費用)は一定ですから、限界利益をコツコツ積み上げて固定費を賄えれば企業は黒字化します。
限界利益の累積が固定費と同額になれば収支トントン、この時の売上高を損益分岐点売上高といいます。



ところで限界利益を考えるうえでkurogenkokuなりに重要だと思うポイントを2つ。

1つ目は、限界利益は「率」ではなく「額」で評価するほうが好ましいということ。
「限界利益の累積が固定費と同額になれば、収支トントン」なわけですから、どれだけ限界利益率のよいものを売ったかではなく、トータルで固定費を回収するために必要な限界利益額を稼いだか、で評価すべきと考えます。


2つ目は、生産能力とのバランスを取らなければならないということ。
ある製品の限界利益がプラスであったとします。ところが工場をフル稼働しても限界利益の累積額が固定費を下回ってしまいました。これではどうにもなりません。
具体的な事例を挙げますと。
年間の固定費支払額が1億円の製造業が、1製品あたりの限界利益額が1,000円の受注に応じたとします。しかしこの会社にはこの製品を年間80,000個しか生産する能力がありません。この場合、年間得られる限界利益額は8,000万円ですから年間固定費支払額を賄えません。
ですから1製品あたりの限界利益額がプラスであっても、こういうケースでは戦略の練り直しが求められます。
ただこの受注を断ってしまうという訳ではありません。1製品あたりの限界利益額が1,250円以上になる方法を考えるとか、この製品への依存度を下げつつ新たな製品を製造し、トータルで年間固定費を回収するよう努める、などの対策を考えることが必要なわけです。


こんな経営相談が多いものですから、エントリーしてみました。


p.s
今回のエントリーで正確には貢献利益と記述すべきところもありますが、その違いについて説明を省略しますので下記をご覧ください。
【参考】
http://blue.ap.teacup.com/motokuni/2345.html

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