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円山動物園でのマレーグマ同居訓練開始から死亡までのまとめ及び考察

2015-12-29 22:49:25 | 動物 + 羊毛フェルト+ その他写真
今回ここに記載する内容は、札幌市円山動物園で行っていたマレーグマ同居訓練で何が起こったのかと言う事を、
公式発表をもとに時系列で事実をまとめ、それをもとになるべく感情的ではなく客観的に考察した事を書き記しています。
(※事実確認のため、円山の公式発表後、参考資料がある程度でそろった段階からこのまとめの作成を開始しました。)
 
 

 
 
【今回の円山動物園でのマレーグマ同居訓練開始から死亡までのまとめ。】
 

『確認ができている同居日程及び組み合わせ』
※2015.07.10(金)の同居については園の公式発表内ではなく来園者観察により同居を確認。

☆・2015.06.16(火) ウメキチ♂、ハッピイ♀、ウッチー♀ ※同居開始
・2015.06.19(金) ウメキチ♂、ハッピイ♀
☆・2015.06.20(土) ウメキチ♂、ウッチー♀ ※けが
 ・2015.06.21(日) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.06.22(月) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.06.23(火) ウメキチ♂、ハッピイ♀
☆・2015.06.26(金) ウメキチ♂、ウッチー♀ ※けが
 ・2015.06.27(土) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.06.28(日) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.03(金) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.04(土) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.05(日) ウメキチ♂、ハッピイ♀
☆・2015.07.06(月) ウメキチ♂、ハッピイ♀、ウッチー♀ ※けが
 ・2015.07.10(金) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.11(土) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.12(日) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.13(月) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.14(火) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.17(金) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.18(土) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.19(日) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.20(月) ウメキチ♂、ハッピイ♀
 ・2015.07.21(火) ウメキチ♂、ハッピイ♀
☆・2015.07.24(金) ウメキチ♂、ハッピイ♀、ウッチー♀ ※けが
★・2015.07.25(土) 飼育員が出勤後ウッチー♀の死亡確認 ウメキチ♂、ハッピイ

同居開始~ウッチー死亡日までの同居計25
・ウメキチ♂ 同居計25
・ウメキチ♂、ハッピイ♀ 同居計23(2頭展示20回)
・ウメキチ♂、ウッチー♀ 同居計5回(2頭展示2回)


『来園者撮影による同居時の状況』
・雑食デー:2015.06.20(土) ウメキチ♂、ウッチー♀
 闘争でウッチー♀が負傷、下記URL記事内に画像、文章で来園者の観察記録あり。
 http://blog.goo.ne.jp/darumaotachi-1129/e/5957af22b99016bcb1dbce1936af1cf1
・死亡前日2015.07.24(金)札幌市円山動物園にて撮影動画(※現在非公開)
 ①ウメキチ♂とウッチー♀ https://www.youtube.com/watch?v=XPVCzaIVKgs&feature=youtu.be
 ②ウメキチ♂とウッチー♀https://www.youtube.com/watch?v=BF1MqVFir_o
 ③ウメキチ♂とウッチー♀https://www.youtube.com/watch?v=KWvkYTc06E8
 ④ウメキチ♂とハッピイ♀ https://www.youtube.com/watch?v=tBLUy6J22_I

『動画より』(※以下の文章は動画を見ての個人的まとめとなります。)
・ウメキチ♂とウッチー♀、同居開始後、少ししてから闘争になる。
・途中からハッピイ♀も見え放飼場内に3頭出ていたことが分かる。
・ウメキチ♂は逃走するハッピイ♀には興味を示さず、執拗にウッチー♀への攻撃を継続。
・動画より飼育員1名が同居を観察していることを確認。
闘争激化時において飼育員は仲裁する事などはしていない。
・ウメキチ♂は攻撃時にウッチー♀の急所(身体的に弱い部分)を狙っているように見える。
 

『公式発表および報道発表』
(※公的資料なので、両方を判断材料とする。)
(※要点の確認のため、原文から抜き出しまとめている部分や重複部分の削除を行っています。)

・(公式 2015.07.28)https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-804.html
>7月25日(土)朝バックヤードの個室にて死亡しているのを確認。
◎死因
 腸管ヘルニア(7月24日発生(推定))
 解剖の結果、右わき腹の肋骨(第12~15番目)が骨折
 直接の死因は「骨折部断端の胸膜・横隔膜への穿孔による、腸管の胸部への脱出(ヘルニア)」
>骨折について
 骨折部周囲の出血が少ないことから、ここ数日の間に折れたものではない
 過去のクマ同士の闘争で生じた可能性もあるが、高所から落下した可能性も理由として否定できない。
>ヘルニアについては、24日に発生したものと推定。
◎同居および闘争の経過
 >ウメキチの性成熟に伴い繁殖を進めるため、今年度よりウメキチとメスたちの同居を進める
 >最終的には3頭を同居、同居に慣れていないため闘争も確認
  お互いに慣れることにより、ウメキチがメスたちに対して落ち着いた行動がとれることが望ましい
 >マレーグマ3頭について、これまで複数回同居訓練を実施
  同居に伴い、ウッチーもウメキチから外傷を受けていた
 >死亡前日までに右眼下の裂傷、擦過傷および右後肢の咬傷等を確認しており、消炎剤、抗生剤の投与
 >同居に当たっては職員が観察をしながら進めていた。
  
※『円山動物園』
・休園日が年末3日間(12月29日、30日、31日)、開園時間は夏時間と冬時間がある。
・円山動物園の飼育員は専門職採用ではなく、札幌市の【現業職員】での採用者(※下記URL参照)が従事する。
 

・(北海道新聞 2015.07.29)http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0162214.html
>マレーグマの雌ウッチー(推定30歳以上)の死について、クマ同士の闘争が原因だったと明らかにした。
>6月16日から、5歳のウメキチと8歳の雌ハッピイの若い2頭の繁殖のため
 ウッチーを「仲介役」として3頭もしくは2頭での同居訓練を開始。
初めてウメキチとウッチーを一緒にした同20日、ウッチーが右後ろ脚をかまれてけがをした。
 2頭の同居は同26日、今月6日にも1時間ほど行われたが争いは続き、
 同園は24日の同居の結果を見て、訓練を中止する検討をしていたところだった。
>同園によると、24日の同居も約1時間で、ウッチーはその後の食事を普通に取り、
 「けがをしているそぶりなど行動に変化はなかった」(柴田課長)という。
>国内最多となるマレーグマ10頭以上の繁殖に成功している東山動植物園(名古屋市)の玉村太獣医師は
 「クマ同士の相性は非常に重要。血が出るまで争うこともあり、相性が悪い場合はすぐに別々にした方がいい」と話している。
 
 
>ウッチーのほかに雄1頭、雌1頭を飼育
 雄と雌を分けて展示していたが、繁殖のため6月16日から日中の40分〜1時間、3頭を同居させていた
24日は1時間の同居のうち約20分間、ウッチーの上に雄が乗るなどしてけんかしていたという。
ウッチーをめぐっては、高齢のクマをペアリングさせていたことなどにネット上で批判が集まっている。
>同園の柴田千賀子飼育展示課長
 クマは繁殖を進める上でけんかになることがある。
 ツメが鋭く、少しのけんかでも傷ができてしまう場合があるが、ペアリングするには必要な過程だった。
 このような結果になったのは残念と説明している。
 
 



【今回の札幌市円山動物園でのマレーグマ同居訓練についての考察】
※以下の文章は私的意見になります。
 
 
他園は同居を休園日に行う事が多い。
また一般的に大型生物や特定動物の同居を行う時は複数人で状態を確認、闘争を止めるために放水用ホースや棒などなんらかの安全対策を準備する事が多い。
円山動物園は休園日が年末3日間(12月29日、30日、31日)なので、開園中に実施したと思われる。

動物園内で本来は単独で飼育される個体を人為的に同居させる場合
野生下とは異なり、放飼場内では逃走ルートの確保が難しく実行者が仲裁しなければ個体の生命の保証ができない場合がある。
そのため、行う側は飼育している個体保護のために最大限の安全対策を取るべきである。
人為的に同居状態を作り出したのならば、それを実行した人・所属している組織には管理者として責任がある。

上記の(北海道新聞 2015.07.29)内にあるように、他園の【相性が悪い場合はすぐに別々にした方がいい】と言う意見を参考に、
24日の同居時撮影された上記動画内容と、園の【クマ同士の闘争が原因だった】と言う発表をふまえて
今回の死亡は、とられるべき安全対策や飼育生物の保護を管理者がとっていない事が原因で起こったと考えられる。
※取られるべき対応の例。
1人ではなく、複数人による同居時の監視。
・個体間の相性の見極めによる同居の中止。
個体間の闘争を仲裁するための手段の行使。 など
 
上記の(毎日新聞 地方版 2015.07.29)内で【ウッチーをめぐっては、高齢のクマをペアリングさせていたことなどにネット上で批判が集まっている。】とあるが
批判の対象はペアリングに対してではなく、闘争~死亡するまでの飼育員の対応に対しての批判が主である。
 
ウッチー♀の件と過去の施設不備での死亡は起こった状況が異なっており、
今回は現場に飼育員がいたにもかかわらず、闘争時に何もしなかったことに強い批判が出ている
・普通に飼育していればウッチー♀とウメキチ♂は別飼育であり、出会うことはない。
・同居させるために同じ場所に出すという事で人の手が入っている。
・同居している状況を観察している関係者がいる。
・2015.07.24(金)の同居時は激しい闘争、ウッチー♀の負傷となっても観察飼育員は仲裁をしていない
 
上記の(北海道新聞 2015.07.29)より【けがをしているそぶりなど行動に変化はなかった】とあるが
上記の(公式 2015.07.28)内では消炎剤、抗生剤の投与をするような傷の確認がされている。
また当日撮影された上記来園者撮影の動画内でウッチー♀は段差を上る時、脚を持ち上げるのに苦労していたりと身体的異常が見受けられる。
上記来園者撮影の動画内でのウメキチ♂は、ウッチー♀に対して雌に対するディスプレイとしての攻撃ではなく別個体に対する敵対意識で攻撃を行い、そのためにウッチー♀が負傷するに到ったと思われる。
闘争後のウッチー♀へのケアは本当に適切だったのか疑問が残る。
 
上記の(北海道新聞 2015.07.29)内で【同園は24日の同居の結果を見て、訓練を中止する検討をしていたところだった】とあるが、
上記のように同居開始~ウッチー♀死亡日までのウメキチ♂との同居計25回の内、ウッチー♀の同居回数はハッピイ♀の計23回と比べ計5回と格段に少ない。
上記の(毎日新聞 地方版 2015.07.29)内のような【ウッチーを「仲介役」として】と言うには、計5回どの同居においてもハッピイ♀との同居と違い、ウッチー♀はウメキチ♂から攻撃対象とみなされていた。
ふたたび上記の(北海道新聞 2015.07.29)内にあるように、他園の【相性が悪い場合はすぐに別々にした方がいい】と言う意見を参考にすると。
ウッチー♀とウメキチ♂の相性は同居初期から良好ではなく、上記の(北海道新聞 2015.07.29)内にある2015.06.20(土)の【ウッチーが右後ろ脚をかまれてけがをした。】闘争があった時点で同居の中止を検討するべきだったのではないかとも考えられる。
 
以上の事から
飼育員が観察していながら、なぜこのような事になったのか。
どうして動画内のような激しい闘争を仲裁・中止しなかったのか。
とても不審に思われる。


上記の事から考えられる問題点
・担当飼育員は繁殖・同居訓練の経験があり、どの程度で中断するべきか知識を有していたのか。
・なぜウッチー♀とウメキチ♂の同居を行う必要があったのか。
・実行者(担当グループ)は同居させるにあたり、他園・他個体での同居時の情報を把握し参考にしていたのか。
・同居計画時にマニュアルの作成や同居時の日誌の作成、それら情報の共有は関係者内であったのか。
・どの程度の闘争や怪我で、同居の仲裁及び中止をする予定だったのか(する気はあったのか)。
・園として、どう言うマニュアルで同居を実行させていたのか。
・同居を実行するに当たり、当日の計画を関係者は把握していたのか。
・単独生活をする生物であり、多頭飼育には不向きのマレーグマでなぜ最終的に3頭同居を目標にしていたのか。
 
 


【別途問題点】
以下は今回の件とは別問題ではあるが、ここ最近円山動物園で起こった施設不備による死亡事故である。
(※今回のウッチー♀の死亡で掘り返されているが、こちらにあげる死亡事故ではそれぞれのケースごとに糾弾すべき点が異なっていると思っています。)

【ここ最近起こった施設不備による死亡事故】
・2010.11.13:エゾヒグマの『カステラ』(2010.02.26竣工、エゾヒグマ館)
 「くぐり戸内部にある鍵のロック機構の不具合」により“とわ”が隣接した0歳オスの「カステラ」のいる放飼場に侵入、遭遇し死亡。
・2013.01.08:シンリンオオカミの『キナコ』(2008.03.27竣工、エゾシカ・オオカミ舎)
 サブ放飼場から足をフェンスの外に出し、そこを他個体に噛まれ引っ張られた状況となり、出血死。
・2013.01.07:コツメカワウソの『コチカ』(2012.12.12オープン、わくわくアジアゾーン・熱帯雨林館)
 夕方、プール内に沈んでいるところを発見、既に死亡していた。
・2014.05.28:マレーバクの『トーヤ』(2012.12.12オープン、わくわくアジアゾーン・熱帯雨林館)
 屋外プール内の壁と鉄柵との間に左顎を引っかけ溺れ、死亡。
 (屋外は練習中にも関わらず、水が深く入っていた。水量が少なければ溺れず助かった可能性は残る。)
・2015.05.03:コツメカワウソの『ずんだ』(2012.12.12オープン、わくわくアジアゾーン・熱帯雨林館)
 https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-734.html
 プール内の濾過取水口に右後肢を吸い込まれ溺れ、死亡。

新築施設なのに施設不備での事故が多い問題点
・新獣舎は、デザイン案・設計段階できちんと獣舎に入る生物への影響考え飼育員と話し合い制作されたのか。
・他園館施設の見学やメリット、デメリットなど比較参考はしたのか。
・生物を新獣舎に入れたあと関係者は、一定期間は飼育生物の展示場での生活の記録観察などはしていたのか。
・施設に問題があるとなった場合、デザインの変更や展示場の改修は検討したのか。
・コツメカワウソやマレーバクと、わくわくアジアゾーンの熱帯雨林館において死亡が続いているが、デザイン案・設計段階できちんと生物の事が考えられていたのか。
 

 

『おわりに』
これまでの事故による死亡からは、施設不備の分かった段階で改善やデザイン見直しの検討が考えられる事。
今回のウッチー♀死亡の件では、適切な飼育管理がされていたかが問われる事。
わくわくアジアゾーンの特に熱帯雨林館において死亡が続いている事から、園を長く観てきた人たちを含め今回のウッチー♀死亡の件で色々な意見が出ている。
しかし展示施設の改善と、飼育管理の問題を一緒にしてしまうのは良くないし、共通の問題点もあるかもしれないが、それぞれが別で考えられ、変更・改善されるべき点まで見失う事にもなりかねない。
今回のような人為的要因での事故を今後起こらないようにするため、園に言葉だけの謝罪でなく、何をどう変更・改善し実行していけば良いのか理解して貰う事が重要ではないかと思う。
そのためには上記のような問題点を含め、何がどうなったか把握しどうするべきか考えて貰う事も大切だと思う。
 
ウッチー♀とウメキチ♂の同居訓練に対して、沢山の意見が出ていて情報が日々洪水のように流れ、何が起こったのかが流れて行っているのを感じ。
自分の中で整理するために、今回のまとめを作成いたしました。
日々、自分の担当動物と真摯に向き合っている素敵な飼育員さんや園の動物たちも沢山います。
自分たちが沢山の命と出会い、向き合え、笑顔になれる場所だからこそ、良くなって欲しい良くあって欲しいと強く思います。
 
 
※注意とお願い
考察部分は自分の意見ですが、上方部のまとめ部分は公式の確認になりますので参考としていただいて構いません。
このブログ記事内容の無断転載や無断での引用は固くお断りさせていただきます。
自分の発言に責任の持てない形での利用をされると、こちらも困りますので。
まとめるのであれば、ご自身の責任の下で自分の考えをまとめ、自分の言葉で表現していただきたいと思います。
 
ウッチー、円山での28年間ありがとう、お疲れ様、どうか安らかに。
 
 
2015年8月2日
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