「建築」と 「ものづくり」

 倉布人 一級建築士事務所

■豊沢の家-2■

2006年09月30日 | 住宅

豊沢の家のバスルーム。置型の洋バス。モノトーンでまとめました。
ガラスの向こうは洗面コーナー。
手前は、掃出しのサッシになっております。
爽快に丸見え?(笑) いえいえ、いずれ、バスコートを増設の予定。

最近は、様々な条件によりユニットバスを使う事が多いのですが、他の空間と区画され、面積も小さい水周りは比較的遊び心を取り入れやすい場所です。
リビングのように長くいる場所ではないので、少々思い切った事ができるのです。
ですから、大きな面積ではあまり使わないような柄物のクロスをトイレに使ったり、というような楽しみ方ができます。
浴室も、ユニットの数種類の部品から選ぶのではなく、このように、在来の造り方によって、本当のオリジナルの空間が出来上がります。

現在、計画中の住宅の浴室も、浴槽を埋め込んで床とフラットに。
そして、そのままバスコートへと・・・。
考えているだけで楽しくなりますね。

■豊沢の家-その1■

2006年09月23日 | 住宅
養生が撤去されました。
まだ若干、残工事があるのですが。
コンパクトながら、広々とした空間ができあがりました。
写真は、リビングの吹き抜け部分。
周りの風景も取り込んで、木の香りが優しい住宅です。

様々なところで、お施主様の感性を取り入れ、遊びのエスプリが入った家になりました。
また、こちらの提案も理解してくださり。
コストの調整では、構造については余裕をみて設計した当初の内容は変えず、建具の枠材を省略できる収まりにしたり、2階の床をあらわしにするなど、建物自体のレベルを落とす事の無い方法で検討しました。

お披露目は、ふくろい祭り で(笑)

この辺りは「お祭りまでに完成」というご希望が多いのです。
さすが、遠州人(笑)

■巫女の国の夢より■

2006年09月22日 | ものづくり・アート
今日は、浜松での打ち合せの後、袋井市在住のアーティスト 村松正之さんの個展へ。
「巫女の国の夢より」 と題されたインスタレーション。
前回の「クレーフェルト 日独現代アート展」の際も、鉄や建築資材を使っての壮大な空間を創りあげていました。
今回も、ラス網やケイカル板などが使われて。
フロントからのアプローチも、狭い通路を造ることで、会場の広がりをより感じさせ、またその過程で期待感を持たせる、という効果。

大社造りを思わせる舞台正面の作品。
そして、結界を感じさせるBOX。
鉄の様に塗装されたボイド管のの林は、神社に向う杉並木のようでもあります。
荘厳な感覚を想いおこさせる、そんな空間でした。

丁度、知人に出会い(ボケなのかつっこみなのか・・・笑、いつも飄々とした表情で、なかなか鋭い事をおっしゃる方で)

「倉田さんは、こーゆーのやらないの?」

「・・・そうねぇ・・・」

「あ、倉田さんは ダンボールだけか!」

「・・・・・(-_-;」 (あれは目的が違うちゅうねん!)

ま、いいですけど(苦笑)
身近にこういうアーティストが存在するというのは、とても刺激になります。
様々な感性に触れる事で、自分自身の世界も拡がっていくような気がします。

■仕事の合間に・・・■

2006年09月20日 | 日々雑記
今日は現場回りなどしながら、途中、まめやかふぇ さんへ。

たがめいぬさんからいただいた「生豆」
先日、自分で焙煎に挑戦してみたが、結果はさんざん(T_T;)
このままでは、せっかくの豆が・・・と思い、これは専門家にお任せするしかない。
噂には聞いていたのですが、初めての訪問。ドキドキ。
とても良い雰囲気のお店でした。
のんびりと焙煎を待つお客様。 田畑を通り抜けてくる風・・・。
そして、爽やかなマスターご夫妻。
なんだか、とても喜んでくださって、いろいろ教えてくださいました。
豆の状態はとても良いそうです!「いいお友達がいらっしゃいますねぇ♪」と。(笑)

とりあえず、自分でハンドピックした分を焙煎していただいた。
「私達も少しいただいていいですか?」と、興味津々のお二人。 「どうぞ♪どうぞ♪」
豆を見つめる目、愛しそうに手にとる様子。
本当に心底、珈琲が好き、という気持ちが伝わってくる。
なんと、残りの生豆も良い状態で保存してくださるとの事!
生豆キープですよ!(笑)
「2・3日前に連絡くだされば、選別して焙煎しておきますよ。」
至れり尽くせりの対応に、感動! これも「Good day Cafe'」つながりゆえの事♪
 
さて、帰ろうとしたら、一台のクラシックカーが登場。
降りてきたのは・・・あら?!
少し前に現場でお世話になった瓦屋さん。とてもおしゃれな自由人。
「好事家」と名乗る(笑)
車は TOYOTAの「パブリカ」
昭和40年代ものらしい。
「うわぁ♪」と眺めていたら
「乗る?」・・・w( ̄▽ ̄;)w

のどかな田んぼの中の道を、オープンカーで颯爽と、ひと周り。
A級ライセンスをお持ちだそうで<一体、何者?(爆)
頬に当たる風が、気持ちい~い♪

それから、焙煎したばかりの豆を持って「Good day Cafe'」に。
(グァテマラを少々ハイに仕上ていただきました)
「試しに飲んでみようよー」とマスターにいれてもらった。
うん、おいしい♪
「明日になると、もっと、甘味が出てくる」らしい。へぇぇ、それはとても楽しみ♪
今日は、なんだか、特別なティータイムを過ごしてしまった(^0^)/

さぁて。これから暫くは、格別のコーヒーを飲みながら、仕事ができるのです。わ-い♪
たがめいぬさん、本当にありがとうございました♪

■建築主と建築家■

2006年09月19日 | 事務所雑記
建築主と設計事務所の出会い・・・。
事務所を始めた頃は、工務店さんからの紹介であったり知人であったり、という事がほとんどでした。

最近は、この倉布人のサイトからのお問い合わせが多くなりました。
なんとも設計事務所らしくない、また更新も滞っているという現状で誠に心苦しいのですが(苦笑)
アピール度が低いですね・・・反省。

お問い合わせのきっかけは、これまでの設計物件を見て気に入ってくださったり、
現場や勤務先に近くて打ち合わせに都合がよかったり、
増改築や店舗なども手掛けていることであったり、
と、様々ですが、何がきっかけであろうと、その出会いというものは、いつも本当に感動に近いものがあります。
多くの施主様との出会いを経験していても、初めてお会いする時は、ドキドキします。
お電話やmailの雰囲気で、どんな方か想い描いたり。
私たちがそうなのですから、施主様も、それ以上にドキドキされているのだと思います。
まあ、我々がこんな調子なので(^_^;)お話ししていくと、すぐに打ち解けてくださるのは幸いです。

打ち合わせを重ねながら、多くの方は「こんなにいろいろ言ってすみません。」
「変更ばかりですみません。」とおっしゃってくださいます。
とんでもない! 図面の上でしたらいくらでも描き直せます。
最初の提案から変化をしながらプランは決まっていくのです。

私たちはより良いデザインを求めますが、自分の作品を作る為ではありません。
住宅でしたらそのご家庭の心地良い空間、公共施設でしたら地域の皆さんに愛され使われる空間、でなくてはならないのです。
我々建築士の一番の仕事である、安全であり機能的な建築を造る、という条件のもとに成り立つデザインでなくてはなりません。
結果、それが作品と呼ばれるものになっていくのだと思います。

私がこの仕事を続けていられるのは、そういった施主様とのつながりや、現場の職人さん達とのやりとりや、それがとても楽しいものだからです。
もちろん正直言えば、苦しいことだってヤマのようにありますが(苦笑)
人と交わりながら、カタチを創りだしていく・・・。
この過程は、本当に何物にも代え難い喜びがあります。
この喜びを、建築主と共に分かち合える建築家であることが、この出会いを生んでいるのだと思います。

まあ、逃げも隠れもできない、地元で育ち、ここで暮らしている私たちですので。
ひとりの人間として、ある意味、緊張感を持って仕事をしております。はい(苦笑)