「建築」と 「ものづくり」

 倉布人 一級建築士事務所

■ ダンボールピラミッド ■

2006年06月25日 | ものづくり・アート

今日は、袋井市 月見の里学遊館 での「ダンボール建築」のワークショップ。
「設計衆団Learn-Network」の毎年恒例の活動となっています。
月見では、小ドーム、大ドーム、タワー、に続いて4回目。今年はピラミッドの建築。

ワークショップを始めて、最初の頃は仲間が集まってあれこれと準備や段取りをしていたのだが、皆、仕事も忙しくなり、LNの活動も多岐に渡るようになって、自然と、部門や内容毎に担当者制になった。

月見のワークショップはもちろん、私の担当。
模型でシュミレーションをして、等倍は、当日ぶっつけ本番。
なにしろ使い古しのダンボールを使っての制作。思わぬ事も起きるものです。(苦笑)
理論的には出来るはず。そして模型シュミレーションしても、実際には、って事があります。
参加者の多くは小学生ですし。制作誤差もある。
いやー、確かに、今回は不安でしたねー。
材料自体の強度から果たして模型通りに出来るのか、と仲間の指摘を受け、自信が少々薄らいでおりました(苦笑)

初めの挨拶でも仲間から、「担当者以外よく分かっていないので、完成するのか不安」的な発言<をい (;^_^A
「模型では出来ましたがー」と私は、舌もまわらず、汗だくの言い訳(苦笑)


さて、当初の予定を変更し、面をつける部分を1つおきにして強度を確保。
こういうところは、これまでの経験と勘です。これで、たわみの不安も解消された。はず。
奥行き20cm、1辺60cmの三角形を6段。下の3段を造り、上の3段をジョイント。

このトップを載せる瞬間、完成の瞬間が、感動的でドキドキします!
3時間、休憩も無しで、底辺3.6m角、高さ約3.2mのピラミッドが完成!!

今日は、お父様の参加が多く、本当に助かりました!!
私たちと一緒になって「次はこうすればいいですよね?」と考えてくださったり、子どもたち以上に夢中になっていた様な・・・(笑)
力仕事も、積極的に手伝ってくださって。お母様方は、さすが丁寧な制作、片付けなども協力していただいて、ありがとうございました!

同じパターンの組み合わせで構成されるものは、低学年の子でも参加しやすい。
始めはたどたどしくても「こことここに、こうやってテープ貼るとしっかりするよ。」と、数回やってもらうと、後は何も言わなくても、要所要所をつかんでくれる。
20cmと60cmに印をつけた板などを用意すれば、後はいちいち定規を使わなくても制作できる。建築では「バカ棒」と呼んでいるもの。
制作の過程でいかに手間を減らすか、という手法なども学べるのである。
ダンボールのどちらの方向を使えば丈夫なのか。一枚では弱くても、重ね組み合わせる事で強いものになる、という事を理論でなく、体感してもらう。
そして、年齢に応じて、できる事に参加する。
それぞれが、この建築に携わる事ができるように、LNメンバーは考えながら進めていく。
カッターを使える子、テープを貼る子。中には自主的に「テープ屋」になる子も。
「短いのは100円、もっと長いのは200円だよ~。」(爆)

子ども達が帰った後、私も中に入ってみた。
1辺60cmの正三角形を通って・・・きっつぅ・・・(苦笑)
しかし、わを!!  美しい!!
こんな風になっていたのか!!

少し前には子どもたちが、長い作業の疲れも見せず、その中で遊んでいた。
寝転んだり、顔を出したり、出たり入ったり。

きっと、自分達の手で造ったこのピラミッドの、思わぬ美しさに感動していたに違いない。
その中から、未来の建築家、が生まれてくれたら嬉しいなぁ。

■ 京みやげ ■

2006年06月23日 | まち・旅
京都旅行に行った友人からおみやげをいただいた。
「黒のおたべ」・・・竹炭が練り込まれた皮に、黒ゴマあん。上品な黒い箱入り。
このおたべは初めて!おいしかった♪娘は一気に5個くらい食べていましたよ。ご馳走様でした♪

その友人、太秦映画村では、
小梅太夫に・・・もとい、舞妓さんに変身したのだそうで。(^0^;)


桂離宮の見学もしたということ。
写真を見せてもらって、一昨年の旅をまた思い出した。
丁度、紅葉の時期で、それはそれは絵葉書のような風景だった。
入口へと続く竹垣に沿って歩きながら、もみじの紅を楽しむ。
桂離宮の意匠は、シンプルで個性的で、むしろモダンとも感じられるものだった。竹などの素材使い。小さな引き手のデザイン。ひとつひとつが美しい。

この美しさに感銘し、桂離宮を人々に伝え広めたのは、ドイツの建築家ブルーノ・タウト。
その前の年に旅行した白川郷もまた、タウトが世界に紹介したのだった。
彼は日本人以上に、日本の文化を愛し、日本の工芸やその素材を大切にした。

日本人の心の中に息づく「永遠である」文化というものを、想い起こす。
建物やその空間、一体となった風景。
忘れてはならない、というよりも、私達には忘れられないものがあると思う。