1年前の記事を、リマインダーで送ってきたので、再録。
日本語文法の説50
2019-08-10 | 日本語文法
国語学原論と、書名を言えば、時枝誠記著である。『国語学原論』正篇 岩波書店 1941年になる。そして、白石大二著、 『国語学原論』、朝倉書店、 昭和二九年八月三一日発行、1954年になる。実はもう一つの原論がある。高橋龍雄著、『国語学原論』、中文館書店 1934年である。うわづら文庫で、DLして読むことができる。著作権利を見越して、このサイトで紹介するのを知った。そのときに、時代にある、思想性をイデオロジーとしてよみ、いわば忌避した。しかしながく、その大著のプリントアウトを所蔵してきた。繰り返し見たのは助辞の用法、「は」と「が」であったが、目次を一覧してわかるように、松下大三郎の文法学説を踏襲している。そして断句の構造に創見がある。音韻、国字、語法、文法と、今、再び見るべきがあると感じられる。大主小主の、国語の思想に、後になって、批判を受け、注目なくしてきたものだろう。
高橋龍雄『国語学原論』中文館書店1934年
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2007年3月13日 (火)
高橋龍雄・国語学原論
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総論
一 國語の起源
二 國語の語源
一音語源説
二音語源説
語源説の四種
三 語の本質
(イ) 音韻から見た本質
一音語即一音節
二音語基調
濁音拗輔音の嫌忌
語頭流音の絶無
促音撥音の音便
長音と音便との關係
アクセントの特殊性
(ロ)形態から見た本質
漆着語としての特徴
主語の不要
客語の位置
動助辭の位置
用言の活用
擬聲語の豊富
敬語の潤澤(體言の敬語法 用言の敬語法)
四 和語と漢語との交渉
総説
(一)和文脈と漢文脈との相違
(二)和語よりも漢語を莊重語とする
(三)和語の漢字が漢語となったもの
(四)歌には和語、詩には漢語
(五)漢語の国語化
(六)和語のやうに思はれる漢語
(七)和漢のあひのこ語
(八)和語の意を示さない當字
(九)和語は包容的、漢語は種別的
(一〇)漢文のま丶で国語となったもの
(一一)漢語は造語に於て世界一
(一二)譯語のすべてが漢語
(一三)漢語の呉音漢音と国語辭書
(一四)和語は造語に頗る難澁
(一五)漢語交り文は男性的
(一六)漢字音は国語國文學に變化の妙味を與へる
(一七)国文は分柝的、漢文は綜合的直感的提示的である
五 國語と思想
(一)「かんながら」の研究
(二)「まこと」の研究
(三)「はらへ」の研究
(四)「おもひやり」の研究
(五)「さび」の研究
(六)「わたくし」の研究
(七)「ありがたい」の研究
(八)「勿體ない」の研究
(九)「風流」の研究
(一〇)「恩」の研究
(一一)「縁」の研究-日本精神を毒する語
六 國語の正体
國語とは何ぞ
国語の標準
關東語と關西語
和語和文と漢語漢文との對立鬪争
七 國語研究の概要
奈良朝時代
王朝時代
鎌倉足利時代
徳川時代
明治時代以降
音韻論
一 叙説
二 發音機關と音の分類
三 母音論
母音の種別
母音の變化
母音の脱落
母音の挿入
母音の転換
感動詞と母音
四 子音の分類
破音
擦音
半母音
鼻音
流音
五 五十音圖の各行音
(一)カ行音
(二)サ行音
(三)タ行音
(四)ナ行音
(五)ハ行音P音考、F音、H音、W音の音便論
(六)マ行音
(七)ヤ行音
(八)ラ行音
(九)ワ行音
六 音便論
撥音便
促音便
長音の音便
長音と短音
國字論
一 日本の国字
二 漢字論
三 假名文字論
片假名
平假名
四 假名遣の是非
五 羅馬字論
六 新国字論
七 漢字假名併用の矛盾と調和
語法論
一 「ことば」の分類
諸家の分類
余が分類
日本語には代名詞が無い
動詞形容詞の区別
接續詞は副詞である
副體詞の意義
國語は感動詞に富む
助辭は品詞ではない
二 活用表の確定
八衢以前の活用
詞の八衢
活語雑話
古語六段形
四段系と一、二段系
口語の第四活段は連体兼終止形
力變サ變ラ變活用の正誤
口語形容詞活用の正誤
動助辭活用の正誤
三 活用の轉換
自他活用の相違
「リ」完了の原則
サ變と敬語の動詞
口語四段活の可能動詞
口語サ變の被動及使動性
古語の活用の變遷
口語特有の活用
用ゐ、蹴るの活用
四 中古語の妙味
動助辭の種々相
「けり」の鑑賞
時の種々相
推想の種々相
五 助辭の分類
諸家の分類
余が分類
格と法
表格語
指示語
程量語
終止法
文の終止
係結
六 表格語
(一)體言の格
主格
客格(他動格、依據格、一致格、方向格、輿同格、結果格、比較格、出發格、到達格)
(二)用言の格
連體格
連用格
文語の拘束格
口語の拘束格
文語の放任格
口語の放任格
七 題目語
「は」分説的「も」合説的
(一)「は」は指示語に附きて之を題目語とする
(二)「は」はあらゆる客語に附きて之を題目語とする
(三)「は」は總主の標識となる
(四)「は」と「が」との用法
(五)「は」と「ば」との用法
(六)「は」と「も」の重用及單用
(七)「は」は統制の義を有す
文法論
一 單語の定義
純單語
被裝單語
成分と単語との一致
二 文の成分
主語と述語
客語と歸着語
修飾語と被修飾語
三 文の構成
單文合文複文の不合理
孤立斷句と關係斷句
述關斷句
歸關斷句
修關斷句
斷句の十二形(述關の四形 歸關の四形 修關の四形)
斷句の十八相
(一)述關の六相
(二)歸關の六相
(三)修關の六相
對等關係
聯立關係
四 韻文の解剖
萬葉の長歌
分様
漢詩
英詩
道行文
爆彈三勇士歌
亜細亜行進曲
五 和歌の解剖
孤立断句の歌
述關の歌
歸關の歌
修關の歌
孤立斷句の挿入されてるる歌
後半が孤立断句となる歌
二箇以上の断句を有する歌
六 俳句の解剖
俳句と豆爾乎波
A全篇が一斷句となるもの
B全篇が二斷句となるもの
斷句より成り立つもの
狂句川柳
七 結論 以上はうわづら文庫ココログより
高橋龍雄・国語学原論: うわづら文庫@ココログ
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2007/03/13 - 高橋龍雄・国語学原論 「takahasitatuo_genron.pdf」をダウンロード. 総論 一 國語の起源 二 國語の語源 一音語源説 二音語源説 語源説の四種 三 語の本質 (イ) 音韻から見た本質 一音語即一音節 二音語基調 濁音拗輔音の嫌忌 語頭流音 ...
フットの仮説
ns1.shudo-u.ac.jp/~nakasono/footrei.html
高橋龍雄『国語学原論』中文館書店1934年、36-45頁の現代語訳(抄)) 「一音に八分音符一つをあて、二音をもって四分の四拍子の一拍をつくるものとするのは、日本語の性格にもかなっている。というのは、日本語は二音節ずつ一つにまとめて組み立てられる ...