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読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『来福の家』 温又柔

2011年06月05日 | 読書日記
来福の家
温又柔
集英社

¥1,500+税 集英社 2011/1/10発行
ISBN978-4-08-771383-1

著者は在日台湾人。

台湾語と中国語を話す両親の元、日本で生まれ育ち日本語しか話せない娘の立場を描く中篇二編を収録。
中国語の知識が少しあると、とてもおもしろい。というか、わかりやすい。

許笑笑、22歳。通称エミ。
六歳上の姉は歓歓。
xiaoxiao(シャオシャオ)、それともショウショウ。
ひとつの漢字で、読み方が違う。
漢字を挟んだこちら側とあちら側。
日本と中国、いいえ台湾。
日本の漢字、中国の簡体字、台湾の繁体字。
日本語教育を受けた台湾の祖父母、曾祖父母。
言葉は、つなぐ。
ひとをつなぐ。思いをつなぐ。

読んでて気持ちいい。


同時収録の「好去好来歌」は第33回すばる文学賞佳作受賞作。
こちらは小さい頃に名前をからかわれたり、日本語を話さない母親にコンプレックスを抱いたりという体験から、ちょっとひねくれてしまった楊縁珠が主人公で、「来福の家」の笑笑の伸び伸びと明るい性格と比べて影があってエキセントリック。

場面が行ったり来たりするテンポが独特で、ちょっと読みにくい…。けれどそれが魅力でもある…。



> 長大以後,(おとなになってからね)
> と母はわたしたちにいう。
> 才開始學新語言,那可非常辛苦。(新しい言語を習得するのは大変)(183頁)

そうなんだよな~~~~。

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