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『沈みゆく大国アメリカ 逃げ切れ!日本の医療』 堤未果

2016年04月24日 | 読書日記

『沈みゆく大国アメリカ <逃げ切れ!日本の医療>』 堤未果
¥740+税 集英社(集英社新書) 2015/5/20発行
ISBN978-4-08-720785-9

> 「日本では医療法人を株式会社が経営することは違法ですよ」
> 「今はまだね」とミラーは涼しい表情だ。
> 「でもこれからは、手始めにヘルスケアリートという形で、事実上の経営に参加できる。[…]韓国と同じパターンになるんじゃないかな、あそこも皆保険があったけど、特区のおかげでどんどん崩れたところに、アメリカ系の民間保険会社がしっかり入れましたからね」(29頁)

 

日本の医療を守らないと。
書籍では出ていても、新聞報道ではほとんど触れられていないアメリカの医療制度の格差、命すら金で買う経済至上主義、それらを日本に持ち込みたくて仕方がない一部の連中の思惑に乗ってはいけない。

> 「政府やマスコミが医師たちを積極的に仮装敵にし始めたら要注意です」
> マコーヒー医師は断言する。
> 「なぜなら真のターゲットは私たち医師ではなく、その先にあるあなた方患者の命と健康なのですから」(130頁)

一部の医者に問題があったのは確かだと思う。
患者を下に見て、ふんぞり返って、付け届けを当然のように受け取る。
だけど真剣に患者を思って病やけがに立ち向かう医師も多いはず。そして医療改革は末端の現場から蝕んでいく。

 

> 「正しい方向でちゃんと国が進めれば、日本は経済成長もできて医療問題も解決できるという一石二鳥の政策になる。そうなったらキューバのように、世界に胸を張って医師や医療を輸出すればいいんです。武器や原発を輸出するより、ずっと尊敬されると思いますよ」(207頁)

正しい方向で進めれば。
進めてほしい。
武器や原発の輸出なんて、よく恥ずかしげもなく堂々と言えるものだ。この日本で。


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