読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『百貨店の展覧会』 志賀健二郎

2019年02月27日 | 読書日記

『百貨店の展覧会 昭和のみせもの 1945-1988』 志賀健二郎
¥2,500+税 筑摩書房 2018/3/20発行
ISBN978-4-480-86458-1

思ってたのとちょっと違ったー。
もうちょっとこう、催事の裏話的な、ストーリーを期待してたら、淡々と事実の羅列だけで、これはつまりデータベースなんだな。後世のための資料として的な。

ところどころ混じるユーモアは、著者が四角四面なわけではないと教えてくれるのだが。

> 海外旅行の自由化は64年、日本橋三越はこれにあわせて初めて海外旅行をする人のためにトラベルコーナーを開設、JALパックの登場は65年1月、日本橋髙島屋も新たにトラベルコーナーを設けて海外旅行コンサルタントを置いたのが同年9月、荒野をめざした青年がシベリア鉄道にのってモスクワに行ったのも65年、農協が月へ行ったのは73年、[…](113頁)

若い人が読んだら、農協が本当に月旅行に行ったと勘違いすんじゃないか(笑)。

 

考えさせられたのは、往時の百貨店は「戦争展」「原爆展」等を開催していたということ。

> 2031年あるいは2036年、東日本大震災20年、25年の時に、都心の一等地の交通至便なアクセスにストレスを感じない「ごく普通の市民が集う日常の場」で、現物資料によって原発事故の厄災を伝え、そこで思いがけない出会いを提供することはできるのであろうか。(178頁)

 

 


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