『罪の終わり』 東山彰良
¥1,500+税 新潮社 2016/5/20発行
ISBN978-4-10-334652-4
近未来SF。
文明崩壊後の北米が舞台。
これ、アメリカで翻訳出版すればいいのにー。
常々思ってるけど、日本のSFのレベルは世界のトップレベルだと思うな。
つか私は東山彰良の代表作を早く読むべきだな。『流』とか『ブラックライダー』とか。
『罪の終わり』 東山彰良
¥1,500+税 新潮社 2016/5/20発行
ISBN978-4-10-334652-4
近未来SF。
文明崩壊後の北米が舞台。
これ、アメリカで翻訳出版すればいいのにー。
常々思ってるけど、日本のSFのレベルは世界のトップレベルだと思うな。
つか私は東山彰良の代表作を早く読むべきだな。『流』とか『ブラックライダー』とか。
『椿宿の辺りに』 梨木香歩
¥1,500+税 朝日新聞出版 2019/5/30発行
ISBN978-4-02-251610-7
梨木香歩の世界観が好き。
そして文章が好き!
ちょっととぼけた、物語にこれしかないと思わせる完璧な文章。
『f植物園の巣穴』を読み返したくなった。
『言葉の国イランと私 世界一お喋り上手な人たち』 岡田恵美子
¥2,500+税 平凡社 2019/3/22発行
ISBN978-4-582-83800-8
吉野朔実の『月下の一群』を思い出した。坂本先生の、寮の同室のアメリカ人があまりの暑さにカーテンに水を掛けたら室内がスチームサウナ状態になって出かけなければならなくなった、というエピソードとか。
人の縁に導かれ、ペルシャ語に興味を持ち、イランに留学し、ペルシャ文学の第一人者となった女性の半世紀前の留学記。
正直言って、後半のペルシャの箴言等の章にはあまり興味をひかれなかった。前半です、どんな縁でイランに留学するに至ったか、留学中になにがあったか、の辺りが面白い。
イランに限らず、昨今の日本は政治のトップに立つ人間の不徳のせいで、諸外国との関係性がどんどん悪くなっているのが不安でならない。互いに互いの歴史に敬意を払いあうことができればと思う。
『黄金の丘で君と転げまわりたいのだ』 三浦しをん、岡元麻理恵
¥1,600+税 ポプラ社 2011/12/15発行
ISBN978-4-591-12691-2
ワインにはこれっぽっちも興味はないんですけど、三浦しをんつながりで読んでみました。
わからんわからんと言いながら、参加者みな、次第に舌が肥えていってるのがすごい。
ワインに興味がないというか、アルコールが駄目なんで。
去年ギリシャ料理店で、グラス一杯の白ワインが飲みきれなくてフラフラになったもんな……。
読んでるとおいしそうなんだけどなー。
『生協の白石さん』 白石昌則 東京農工大学の学生の皆さん
¥952+税 講談社 2005/11/2発行
ISBN4-06-213167-6
え、もう14年も前!?
『タコの心身問題 頭足類から考える意識の起源』 ピーター・ゴドフリー=スミス(夏目大・訳)
¥3,000+税 みすず書房 2018/11/16発行
ISBN978-4-622-08757-1
タコといえば。
『動物たちの不思議な事件簿』か『動物たちの愉快な事件簿』かどちらかに、
> あるとき、ちょっと古くなった餌を与えられたタコは、餌を与えた人間と目を合
わせたまま、その餌を摘み上げ、失敬にも排水溝に押し込んだ。
という件があった。アイコンタクトをとるタコ!
この印象が強すぎて、本書もそういう類の内容なのかなと思って手に取ったのだけど、いやさずっとずっと真面目に学術的でした。しかも著者は動物学者ではなく、哲学者。正確には生物哲学。こんな学問があるなんてことすら初耳……。
ちなみに、本書にも例の件が載っているのだけど(66頁)、表現がずっと穏当になっていて、笑えた。
頭足類と、人類を分かつ進化の分岐はすっごくすっごくすっごく古いことなので、知恵や意識の発達は完全に別の道筋を辿っている。
タコやイカなどの頭足類は、たいへん賢く、好奇心というものを持っていて、なのに寿命はたいへん短い。せいぜい2年くらいらしい。びっくり。10年とか20年とかあるのかと思ってたよ。賢いということはそれだけ長寿なのだと…。そして長老が若者に知識を引き継がせる社会的仕組みがあるのだとばかり。
ところが、一部例外はあるものの基本的にタコは短命で、社会集団も作らない。それでどうして賢いんだ……? なるほど、異種生命体だなあ~
知らないことをいろいろ教えてもらえて、いろいろ考えさせられた一冊でした。
『みじかい眠りにつく前にⅢ』 金原瑞人YAセレクション
¥590+税 ジャイブ(ピュアフル文庫) 2009/7/18発行
isbn978-4-86176-682-4
Ⅲ 明け方に読みたい10の話
アンソロジー
「サトウキビの森」 池上永一
「美少女コンテスト」 小川洋子
「炎」 川西蘭
「A」 桜庭一樹
「道ばたさん」 東直子
「予言」 三浦しをん
「雪女郎」 皆川博子
「血と水」 よしもとばなな
「火事とポチ」 有島武郎
「猫町」 萩原朔太郎
特別対談 江國香織×金原瑞人
『みじかい眠りにつく前に Ⅱ』 金原瑞人YAセレクション
¥590+税 ジャイブ(ピュアフル文庫) 2009/3/16発行
ISBN978-4-86176-634-3
Ⅱ 昼下がりに読みたい10の話
アンソロジー
「真菜の来た夏」 あさのあつこ
「雨坊主」 芦原すなお
「きみに連帯のメールを」 石井睦美
「げた箱は魔法のクスリ」 大島真寿美
「白いタンポポ」 加納朋子
「愛生園」 川島誠
「窓」 松村栄子
「フェスティバル」 森絵都
「月蝕」 山尾悠子
「花筐」 檀一雄
特別対談 三浦しをん×金原瑞人
『政と源』 三浦しをん
¥1,400+税 集英社 2013/8/31発行
ISBN978-4-08-780685-4
三浦しをん、若いのになんでこんなに老人の心持ちを描けるのかしらねえ。
墨田区Y町に暮らす幼なじみの73歳、有田国政と堀源二郎。
つまみ簪職人の源二郎の弟子である徹平とその彼女。
あー、おもしろかった。
年寄りがスーパーマンじゃなくて、幼なじみが以心伝心じゃなくて、どこにでもいる意固地なジジイっぷりがよかった。
そして円陣闇丸のイラスト! こりゃ三浦しをんも喜んだことであろうよ。眼福眼福。
『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』 藤井一至
¥920+税 光文社(光文社新書) 2018/8/30発行
ISBN978-4-334-04368-1
すごくまじめな内容なのに、文章が軽妙でとても面白い。さじ加減が絶妙。
地球人口100億人を養うのはたいへんなことなのだということ、待ったなしなのだということ、土壌改良というのは簡単ではないのだということ。
足元に土を感じない生活をン十年。農業の大切さをわかってはいるけれど自分ではしたくないと思っているわがままな現代人代表の私。身近でありながら知らない存在、土について、実に面白く学習できました。
バーチャル・ソイルの概念の普及は必要だよねー。
> 日本で最も肥沃な沖積土は、同時に工業立地や居住地としても人気の高い場所であり、都市化に飲み込まれ続けている。再び農地として利用しようとすると土壌汚染の修復に数百億円を要すると聞き、初めて事の重大さを思い知ることになる。現在失われようとしている農地土壌の能力を維持するというのは、攻めの農業という言葉ほど華やかさはないかもしれない。それでも、本来必要ないはずの土壌修復への税金投入を節約したり、潜在的に国際競争力の高い産業を持つことも可能となる。肥沃な土地は私たちの足元にもある。(207頁)