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読書とかいろいろ日記

読書日記を中心に、日々のあれこれを綴ります。

『ホロヴィッツ』 中川右介、石井義興

2019年09月05日 | 読書日記

『ホロヴィッツ 20世紀最大のピアニストの生涯と全録音』 中川右介、石井義興
¥2,500+税 アルファベータブックス 2018/4/10発行
ISBN978-4-86598-053-0

うわー、おもしろかったー。
ピアニストという人種はどいつもこいつも一筋縄ではいかんねえ。
ホロヴィッツとラフマニノフがそんなに仲良かったとは知らなんだ。
しばらくBGMはホロヴィッツだ。

 

>  ホロヴィッツは弾いた。嵐のように弾いた。怒涛のように弾いた。音の洪水だった。オーケストラは一心不乱にホロヴィッツについていった。聴衆は呼吸もできないほどあっけに取られ、その音楽に聴き入った。
 終わると、狂乱が待っていた。(33頁)

 

>  ホロヴィッツの録音には、セッション録音とライヴ録音があり、さらにライヴを編集したものもある。それらを区別せず、ひたすら演奏録音順に聴いてみたい、そう思って、この本を作ってみた。それで何が分かったか——ホロヴィッツはどの時代、どの年齢でも、「ありのホロヴィッツ」であった。(265頁 あとがき)

 


『落梅の賦』 武川佑

2019年09月04日 | 読書日記

『落梅の賦』 武川佑
¥1,650+税 講談社 2019/4/23発行
ISBN978-4-06-513430-6

驚きのH&M案件……!

武田家滅亡の時、信玄の弟信友が選んだ途は。
補陀落渡海の船が嵐で浜に戻った佐藤信安。極楽浄土から弾かれて、礫で追われて信友に拾われた。

時代小説にPTSDとLGBTを組み込むという新鮮。


『楽譜と旅する男』 芦部拓

2019年09月02日 | 読書日記

『楽譜と旅する男』 芦部拓
¥1,500+税 光文社 2017/3/20発行
ISBN978-4-334-91156-0

六編収録の連作短編集。
おもしろかったー。

「曾祖叔母オパールの物語」
「ザルツブルクの自動風琴」
「城塞の亡霊」
「三重十字の旗のもとに」
「西太后のためのオペラ」
「悲喜劇ならばディオラマ座」

楽譜捜索人が探し出してきた楽譜があばく謎。


『薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』 喩静:監修

2019年08月30日 | 読書日記

『薬膳・漢方 食材&食べ合わせ手帖』 喩静:監修 植木もも子
¥1,200+税 西東社 2018/7/5発行
ISBN978-4-7916-2663-2

うーむ。けっきょく私の体質はどのタイプなのかわからん。
血虚と瘀血と陽虚と陽熱? でもどれも正反対の症状もあり。

冬瓜の皮や種やワタにも栄養があるので、だしパックに入れて一緒に煮だしてスープを作るといい。らしい。ていうか、だしパックじゃ小さくないか。
梨と百合根を一緒に煮てコンポートをつくると、不眠に効果。まじか。
ムール貝はホタテ、エビ、玉ねぎと白ワインをかけてオーブン焼きにするとアンチエイジング。
ハスの実は安眠に効果。


『プロ野球と鉄道』 田中正恭

2019年08月27日 | 読書日記

『プロ野球と鉄道 新幹線開業で大きく変わったプロ野球』 田中正恭
¥800+税 交通新聞社 2018/2/15発行
ISBN978-4-330-86318-4

おもしろかった!
東海道新幹線開業が移動の負担を減らしたことで、巨人の9連覇達成の一助になったとか、視点が新鮮!

59頁から66頁にかけての、西鉄ライオンズの過酷な遠征については読んでてくらくら。
急行列車の東京~博多間の所要時間は早くて22時間9分、遅いと24時間超! 
ホームとアウェイで勝率がぜんぜん違うんだけど、それだけ遠征異動で体力奪われてたのね。逆も然り。

広島が初めて優勝したのは「山陽新幹線のおかげ」と当時のエース外木場が言う。

移動の夜行列車では、床に新聞紙敷いて寝た、と言ってたのは板東英二だったか?


『西欧の東』 ミロスラフ・ペンコフ

2019年08月24日 | 読書日記

『西欧の東』 ミロスラフ・ペンコフ(藤井光・訳)
¥2,800+税 白水社 2018/10/10発行
ISBN978-4-560--9271-2

歴史に翻弄された国ブルガリアを舞台に描かれる、8編収録の短編集。

「マケドニア」
「西欧の東」
「レーニン買います」
「手紙」
「ユキとの写真」
「十字架泥棒」
「夜の地平線」
「デヴシルメ」

なんというか、珠玉の、という修飾語にふさわしい一冊である。
派手なストーリー展開がなくても、キャラ立ちがなくても、


『安倍官邸vs,NHK』 相澤冬樹

2019年08月22日 | 読書日記

『安倍官邸vs,NHK』 相澤冬樹
¥1,500+税 2018/12/25発行
ISBN978-4-16-390957-8

> 森友事件は森友学園の事件ではない。国と大阪府の事件である。こう言うと違和感を持つ方が多いかもしれないが、おかしなことをしたのは森友学園ではなく、むしろ国と大阪府の方だ。(10頁)

それなのにいつの間にか悪いのは籠池夫妻だけであるかのように世論誘導されてしまっている。
安倍昭恵の名前をださないように忖度忖度また忖度。
ここはどこやらの独裁国家か。

 


『ヤクザと憲法』 東海テレビ取材班

2019年08月18日 | 読書日記

『ヤクザと憲法 「暴排条例」は何を守るのか』 東海テレビ取材班
¥1,800+税 岩波書店 2016/10/28発行
ISBN978-4-00-002329-0

> 最近では警察からの要請なのか、捜査員にモザイクをかけるケースが増えている、本来は公務中の捜査員に肖像権はないはずで、逆に、組員たちは罪を犯してなくても顔出しがまかり通っている。まさに「ヤクザに人権なし」が現実になりつつあるのだ。(153頁)

タイトルほど、内容に人権問題への突込みは感じなかったけど、問題提起だけでも価値があったかと思う。
ヤクザに味方したいわけでは決してないけど、口座をも開けず、小学生の子供の給食費の引き落としすらできないというのはたしかにどうかと思うから。

なんつーか、堂々とバッシングできる相手を求めてる感じ?


『城歩きのススメ』 春風亭昇太

2019年08月14日 | 読書日記

『城歩きのススメ』 春風亭昇太
¥1,300+税 小学館 2011/3/15発行
ISBN978-4-09-388175-3

坂東三津五郎との対談がいちばんおもしろかった。
三津五郎さん、城マニアハンパない。いつから好きか、との質問に、

> いや、わかんないのよ、物心ついたら好きだったから。[…]幼稚園の頃からお城の写真とか絵葉書とか集めていてね。(195頁)

三津五郎さん、前世は城主だったか、あるいは城普請の名工か(笑)。