続・MBAへの道

MBA卒業後の徒然を書き綴ってみようと思います。

性格スキル

2014年01月26日 00時38分58秒 | 人事組織
今回は、1月20日(月)の日経新聞の経済教室「就業支援は「性格力」重視で」の記事に遅ればせながら反応してみました。慶大の鶴教授の記事ですが、ポイントの欄には「学力より性格が職業人生に大きな影響」「性格スキルは成年期以降も向上が可能」「企業外の訓練より職業実習で高い成果」と書かれていました。

就業力を考える際にスキルに注目するとした時、シカゴ大学のヘックマン教授の研究ではいわゆる学力のような認知能力(=認知スキル)と個人的な形質としての非認知能力(=性格スキル)のうち、後者の影響、その中でも「真面目さ」が職業人生にかなり大きな影響を与えているとのことです。で、その時、性格スキルは必ずしも先天的なものでは無く、仕事を通じて向上させることが可能だという点がポイントです。

ただ、本文中にも書いてありますが、複雑な仕事になると性格スキル以上に認知スキルの影響が大きくなるそうです。また、失業者や低賃金労働者にとっては性格スキルがより重要だが、熟練労働者や高賃金の人は認知スキルの影響が大きいということです。

つまり、この記事では「仕事を得る」という点に関して考えると、従来の職業訓練的なものよりも、「真面目に働く」「一緒に働く」という性格スキルの向上を考える必要があるのでは?ということを仰られている理解です。

で、私が反応したのは、研究成果は確かに上記のとおりなのだとしても、実際に人事の仕事をしている実感値としては、より上位層の方でも「性格スキル」の方が重要なのでは?と思うことが多いからです。「仕事はできるけど性格が…」という話は良く聞きますが、その人が本当に仕事ができるのか、もちろん、突き抜けて仕事ができる人が必ずしも性格的にいい人ではないことも多々ありますが、通常組織で仕事をしていることを考えると、性格スキルが弱くていい仕事ができるようには思えないのです。これは人間関係を重視する日本企業をベースに考えるからでしょうかね?。

もう1つ、これが後天的に訓練して獲得可能だとすれば、失業者向けの職業訓練という話ではなく、企業内の一般的な育成プログラムにこそ織り込めないか?と思った次第です。昨年の組織開発の話ではないですが、関係性の質を高めるために「性格スキル」って重要では?と思えるからです。

さとり世代

2014年01月13日 03時01分12秒 | 読後録
今年の目標に「人間らしい生活宣言」をしたばかりですが、全くそんな気配すら出せずにいる今日この頃です。別に仕事をしているわけではないのですけどね。何か自分のことを少しでもやろうとすると、子供を寝かせて、家族との時間を確保し、そのあと自分の時間という順番の中で、寝る時間が削られていくこの状況をなんとかせねばと思います。

さて、先日テレビを見ていた妻が「さとり世代」なる話を聞いて怖くなったと言っていました。さとり世代。昨年の流行語にもノミネートされていたのだそうですね。NHKのサイトにリンクを張っておきましたが、現時点で19歳から30歳の世代のこととのこと。欲張らない、欲しがらない、そんな現代の若者気質を表す言葉だそうです。

私も以前『下流志向』(内田樹/講談社)を読んだとき、結構怖さを感じたのですが、「向上意欲」や「上昇志向」がない若者(と決めつけは良くないですが)がある一定の規模で出現してきていることは現実として受け止めねばならないのだと思います。その一方で、世界中には、特に新興国を中心に、意欲に溢れた沢山の若者が希望に燃えて競争しているわけです。この先日本はどうやって生き残っていくのだろうか。1人の親として、自分の子供とどう向き合っていけばよいのだろうか。そんな不安がよぎります。

一企業の人事担当者としても考えねばと思います。ほどほどでいい、そこそこでいい、と心底思っている学生たちが就職戦線に増えてきていると仮定すると、そういう人たちを何でどうやって動機づけていくのか、そこは悩ましい問題です。終身雇用で長期的に競わせて遅い選抜で動機づける日本的なやり方は完全に機能不全になるでしょう。かといって、短期的な激しい競争と金銭的なインセンティブも機能するとは言い難い。じゃぁどうする。それで世界と戦えるのか。色々考えさせられます。

まぁそういう我々の世代も、上の世代から見ればあれやこれやと不安や不満は沢山あったのだろうことを考えると、単なる杞憂なのかもしれませんが。変化する世界の中で変われない上の世代ほど問題という見方もありますし。まずは冒頭の話ではないですが、自分の変化から考えていきたいと思いました。

今年は・・・

2014年01月05日 23時07分22秒 | 関心事
新年おめでとうございます。本年もどうかよろしくお願いいたします。

今年は長めの年末年始休暇を取られた方も多かったのではないかと思いますが、そういう私もあっという間に新年を迎えてしまいました。普段あまり人間的な生活ができていない気がしていて、せめて正月ぐらいはと思っていたのですが、やはり十分に寝られないまま新たな年を迎えることになってしまいました。今年の目標は「人間らしい生活を取り戻す」にしようかなぁと思いつつ、なんとなく無理な予感がする年始の状況ですが、仕事人生を通じてのワークライフマネジメントをするポリシーの下では、いまは仕事をする時期(&育児も頑張る時期)と割り切るのはありかなと思っています。

さて、昨年は「人材開発と組織開発の間」とテーマを決めて1年間、思うことを適当につらつらと書き綴ってきました。で、今年はどうしようかなぁと考えてはいたのですが、昨年後半から全くインプットの時間が確保できておらず、自分なりの学びをアウトプットするという本ブログの趣旨からしても、自分に役立つ記事を書くのは難しいなぁと思っていまして、いまだに何を書こうか決め切れずにいます。なので、まずは睡眠時間を確保することを最優先にしながら、特段にテーマは決めずに、気になっていることを毎回適当に書く、ぐらいにとどめたいと思いました。

個人的に興味のあるテーマとしては「雇用」「賃金」「リーダーシップ」「組織力」「一般教養」「経験学習」といったところでしょうか。特に「雇用」の問題は、グローバル化、フラット化が進行する中での停滞・縮小・人口減する日本経済を考えた際に、解雇規制の問題、外国人労働の問題、ブラック企業問題、新卒一括採用の問題、非典型雇用の問題、など人事的にというよりも、一国の経済や一企業の経営の問題の観点で非常に興味深く学ばねばならない領域だと思っていますが、まだ何も取りかかれていない状況なので、追々何か思うことがあれば書いてみたいと思います。

ということで、ぼんやりとした年始となっていますが、今年も状況適応で頑張りたいと思います。