MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

MRIの歴史的論文(6)

2006-03-25 21:51:14 | Weblog

上の図に示すのは,世界最初のフーリエイメージングに使用された実験システムです.

分光計には,ブルーカー社のSXP4-100,磁石には,直径15インチ(38cm)のポールピースを有する電磁石,シムコイルを利用した勾配コイル,計算機には,Varian 620/L-100(12kワードのメモリ),そして12ビットのADコンバータを使っています.

勾配磁場には,+20Vと-20Vの定電圧電源と,solid state relayを用い,10マイクロ秒以下のスイッチング時間を実現しています.でも,渦電流の影響があるので,実際には,それほど早い勾配磁場のスイッチングはできないでしょう.そして,70mAの電流を流すことにより,約1kHz/cm(0.24G/cm)の勾配磁場を発生しています.

また,外部NMRロックを使用していますが,勾配磁場のスイッチングの影響を避けるため,上に示すように,NMRロックをスイッチで100ms中断しています.これは,周波数安定度(1Hz)には影響しないことが述べられています.

このように,世界最初の実験というのは,手作りの装置で行われるのです.

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