上の図に示すのは,世界最初のフーリエイメージングに使用された実験システムです.
分光計には,ブルーカー社のSXP4-100,磁石には,直径15インチ(38cm)のポールピースを有する電磁石,シムコイルを利用した勾配コイル,計算機には,Varian 620/L-100(12kワードのメモリ),そして12ビットのADコンバータを使っています.
勾配磁場には,+20Vと-20Vの定電圧電源と,solid state relayを用い,10マイクロ秒以下のスイッチング時間を実現しています.でも,渦電流の影響があるので,実際には,それほど早い勾配磁場のスイッチングはできないでしょう.そして,70mAの電流を流すことにより,約1kHz/cm(0.24G/cm)の勾配磁場を発生しています.
また,外部NMRロックを使用していますが,勾配磁場のスイッチングの影響を避けるため,上に示すように,NMRロックをスイッチで100ms中断しています.これは,周波数安定度(1Hz)には影響しないことが述べられています.
このように,世界最初の実験というのは,手作りの装置で行われるのです.
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