上の図に示すのは,スピンワープ法の実験に使った装置のブロック図です.この回路図は,下に示す別の論文に掲載されています.
A whole-body NMR imaging machine
JMS Hutchison, WA Edelstein, G Johnson
J. Phys. E: Sci. Instrum. Vol. 13, 947-955, 1980.
このシステムのタイミングは,1.7MHzの水晶振動子を参照周波数としたタイミングコントロール回路(C-MOSで作成)で制御されており,それに,勾配磁場発生回路やRFパルス発生回路が接続されています.そして,受信されたデータは,10kHz(100マイクロ秒)のサンプリングレートでサンプル化され,ミニコンPDP-11/40に転送されます.
なお,磁石には,Oxford社の4コイル型常伝導電磁石が使用され(2006年1月16日のブログに写真が掲載されています),静磁場強度は0.04Tすなわち,共鳴周波数は,1.7MHzとなっています.現在の全身用MRIの標準的静磁場(1.5T)に比べると,約40分の1です.
非常に特徴があるのは,勾配磁場電源で,電力効率を上げるために,勾配コイルとキャパシタを使った共振回路が使われています.このため,勾配磁場は,正弦波状の変化をしています.
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