MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

MRIの歴史的論文(10)

2006-03-29 23:25:03 | Weblog

上の図に示すのは,スピンワープ法の実験に使った装置のブロック図です.この回路図は,下に示す別の論文に掲載されています.

A whole-body NMR imaging machine
JMS Hutchison, WA Edelstein, G Johnson
J. Phys. E: Sci. Instrum. Vol. 13, 947-955, 1980.

このシステムのタイミングは,1.7MHzの水晶振動子を参照周波数としたタイミングコントロール回路(C-MOSで作成)で制御されており,それに,勾配磁場発生回路やRFパルス発生回路が接続されています.そして,受信されたデータは,10kHz(100マイクロ秒)のサンプリングレートでサンプル化され,ミニコンPDP-11/40に転送されます.

なお,磁石には,Oxford社の4コイル型常伝導電磁石が使用され(2006年1月16日のブログに写真が掲載されています),静磁場強度は0.04Tすなわち,共鳴周波数は,1.7MHzとなっています.現在の全身用MRIの標準的静磁場(1.5T)に比べると,約40分の1です.

非常に特徴があるのは,勾配磁場電源で,電力効率を上げるために,勾配コイルとキャパシタを使った共振回路が使われています.このため,勾配磁場は,正弦波状の変化をしています.

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