TrueFISPは,核磁化の平衡状態としては,比較的単純(?)とも言えるものですが,では,いったい,核磁化がz方向を向いた「熱平衡状態」から,「平衡状態」まで,どのように移行していくのでしょうか?
実は,この部分が,一つの技術的ネックになっていて,TrueFISPの実用化が遅れたとも言えるかもしれません.
すなわち,4月9日のブログで示したような核磁化の平衡状態は,TrueFISPのシーケンスを繰り返すだけで達成できるのか,また,その達成までに,どれくらい時間がかかるのかは,必ずしも良く分からなかったのです.しかも,その平衡状態に,早く近接するために,どのようなパルスシーケンスを使えば良いかについても,提案はありませんでした.
上に示すシーケンスは,その疑問に答えるものです.
すなわち,まず最初に,-α/2だけフリップさせて,その後に,+α,-αと印加していきます.この方法を使うと,直ぐではありませんが,比較的早く熱平衡状態に近づくと言われています.このように,繰り返しのパルスシーケンスの前に加えるパルスのことを,プレパレーションパルス(準備パルス)と言っています.
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