MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

MRIの歴史的論文(24)

2006-04-12 06:56:13 | Weblog

TrueFISPは,核磁化の平衡状態としては,比較的単純(?)とも言えるものですが,では,いったい,核磁化がz方向を向いた「熱平衡状態」から,「平衡状態」まで,どのように移行していくのでしょうか?

実は,この部分が,一つの技術的ネックになっていて,TrueFISPの実用化が遅れたとも言えるかもしれません.

すなわち,4月9日のブログで示したような核磁化の平衡状態は,TrueFISPのシーケンスを繰り返すだけで達成できるのか,また,その達成までに,どれくらい時間がかかるのかは,必ずしも良く分からなかったのです.しかも,その平衡状態に,早く近接するために,どのようなパルスシーケンスを使えば良いかについても,提案はありませんでした.

上に示すシーケンスは,その疑問に答えるものです.

すなわち,まず最初に,-α/2だけフリップさせて,その後に,+α,-αと印加していきます.この方法を使うと,直ぐではありませんが,比較的早く熱平衡状態に近づくと言われています.このように,繰り返しのパルスシーケンスの前に加えるパルスのことを,プレパレーションパルス(準備パルス)と言っています.
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« MRIの歴史的論文(23) | トップ | MRIの歴史的論文(25) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事