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磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

FIDにおける核磁化の運動

2006-01-21 19:47:15 | Weblog

上の図は,FIDを発生する核磁化の運動を,回転座標系でみたものです.このように,z軸のまわりを,ぐるぐる回りながら,原点に近づいていきます.

回転座標系という言葉は,このブログでは,初めて出てきましたが,静磁場方向を軸として,ある角速度で回転する座標系のことです.通常,この角速度は,NMR(MRI)の受信機の参照周波数(共鳴周波数にほとんど一致)です.すなわち,「信号観測周波数」と言っても良いかも知れません.

NMR(MRI)信号の振る舞いは,ほとんどの場合,回転座標系で議論されます.

上の図に示すように,核磁化は,回転しながら減衰していきます.この減衰は,核磁化全体を構成する,より小さな領域の核磁化の回転位相が,静磁場の不均一性のために,ばらばらになっていくことによるものです.この減衰の時定数は,T2*と言われ,NMR信号の減衰は,tを時間として,

exp(-t/T2*)

と表されますが,実際の試料では,指数関数的な減衰をするとは限りません(静磁場の分布に依存します).

ところで,「静磁場の不均一性が無視できる場合」,核磁化は,どのような時間変化をするのでしょうか?
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