エアロゾル研究室(おさだ)

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室堂積雪サンプリング

2014-03-24 15:26:00 | 立山
今年も立山・室堂平の積雪サンプリングに行ってきました。

今回は、入山が雨量規制で1日ずれてしまいましたが、穴掘り観測の結果的にはそれでちょうどよい日程になりました。



写真は、初日のラッセルの様子。
私も何年ぶりか、腰までのラッセルをやり、へばりました。
雨量規制がかかるくらいですから、相当な降雪量だったのは間違いありません。





雪面から1mくらいが新雪でした。
その下に汚れ層(黄砂混じりの薄茶色の層)が3枚、この写真でもかろうじて見えていると思います。

2月は気温の高い時期もあったので、その頃の雪温はかなり上がっていたと思いますが、今回の観測時には、近年にしては低めの雪温プロファイルでした。これなら化学成分も、多くは抜けずに残っていると期待できそうです。





この図の雪温で、積雪水量にして下から40 cmくらいのところの出っ張りは、観測が2日にわたり、外気温の影響を受けたことによります。また、230 cmくらいで雪温の高くなっている深さでは、氷板が多数観察され、雪の密度が高くなっていました。おそらく、室堂でも雨が降ったりして水が浸みていたのだろうと思います。このような深さの積雪は、部分的だろうとは思いますが、水溶性物質が移動している可能性もあります。





入山時は吹雪だったのですが、そのときの風向きがなんだか変な方向でした。
そのためかわかりませんが、室堂界隈の雪面には、普段は目にすることのないシュカブラというか、削剥模様が刻まれていました。いったんふんわり積もった新雪が、強い風で削剥され、このような模様を作ったのかなと想像しています。これの堅いやつが、南極業界ではサスツルギと呼ばれている雪面形態です。

この時期のこの辺ではあまり見かけない情景で、このあたりをよく知る山岳ガイドさんたちも「珍しい」と言ってました。


1 コメント

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Unknown (vun)
2014-03-24 23:44:07
毎年、この雪の断面を見ると、炭素を測定してみたい衝動にかられます(笑)
室堂平、一度は行ってみたいです。
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