見果てぬ夢

様々な土地をゆっくりと歩き、そこに暮らす人たちに出会い、風景の中に立てば、何か見えてくるものがあるかもしれない。

命がけのドライバーたち

2007-04-29 23:17:17 | 旅の風景
ネパールの首都カトマンズ市からエベレスト登山口にあたるポカラ市まで、初めてバスに乗ってみた。プロペラ機でわずか30分ほどの距離だが、ノンストップのツーリストバスでも、途中の休憩と昼食の1時間を含めて7時間の旅となる。
道は整備されており快適だが、走るトラックや車のマナーに度肝を抜かれる。対向車がいても追い越しをかける。上高地線によく似た山岳地帯の傾斜+蛇行路なのだが、様々な行商人や物資を頭に乗せた女性たちが車道を歩く。牛が呑気に中央線を歩く。ドライバーはクラクションを鳴らし続ける。
追い越したいと思ったときは、「左に避けろ!」とばかりに前方の車にクラクションを鳴らし続けながらアクセルを吹かしてハンドルを切る。賑やかさを超えて騒音の嵐だ。加えて、ポカラとカトマンズの二大都市を結ぶ観光バスと輸送トラックのラッシュ。トラックの後ろにはご丁寧に「ホーンを鳴らして」「クラクションをどうぞ」のメッセージが大きくペインティングされている。
事故がおきてもおかしくない、と数々のニアミスシーンに何度も息を呑んでいたところ、途中、側溝に落ちているバス、崖に首を突っ込んでいるトラックと何台もすれ違った。思わず、胸の前で十字を切る。
同じ様相のインドで、インド人の知人が言った「上手なドライバーの3つの条件を知っていますか」「1にGood Break(上手なブレーキ) 2にGood Push(上手なクラクション)」「そして、3つ目は Good Luck(幸運)です」
確かに、インドやネパールのドライバーは命がけである。そして、乗っている乗客も・・・

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