ねずみとり

あれは一種の「ねずみとり」であろう・・・。

足が悪いので、車通勤しているわたくし。
今朝、通勤途中でポリスマンに呼び止められた。

私？？なに？？
勘違いかもしれないから無視してしまおうか・・
いや、でもこっちを向いているから私だな・・。
車を脇に寄せ停車し、窓を開けると
「いま、携帯見ていましたね？」
「はぁ、息子からメールが来たので見ようかと思っていました」
（事実）
「違反です、こちらに車を停めてください」

・・・ガッビ～ン・・。
見られていたか・・。

「５０メートル位先で警官が見ていたんですよ
　で、無線で知らせてきたんです」

用意周到なことで・・・。
てか、ノルマ達成の為でしょ？

「違反デビュー」である。
ゴールド免許剥奪か・・・？
あちゃぱ～～～～・・。

運転中に滅多なことでは携帯をいじらない私だが
今朝はちょっとした事情があり
家にいるはずの長男にメールをした。

「ガスコンロの火、止まってるか見て！」

そう・・
スープを温め、食したまでは良いのだが
弱火にした「火」を消した記憶がまったく無いっ！

こういうのって気になりだすと止まらない・・。

鍵しめたっけ・・
お風呂のお水止めたっけ・・
アイロンの電源切ったっけ・・
お鍋の火止めたっけ・・・

経験ないですか？？？

戻るわけにもいかず
「緊急時」には「携帯電話」だろ？
と思い、前方に注意しながらメールを打った。
（これ結構コワい・・）
多分、それを見張り役のポリスマンに見られ
無線で「相方」に知らされたのだろう。
長男からは直ぐに返事が来て
「止まってるよ」と・・・。

助手席に置いた携帯を手に取らなければ良かったのに
結果が早く知りたかった私は・・・
事もあろうか、丸見えになる位置で見ようとした。

手招きされたのは、まさにその時だったのだ。

情状酌量の余地もないだろうと観念した。

仕事に遅れるかもしれないと思い
「ちょっと職場に電話します」と言うと
「はい、良いですよ」とポリスマン。

「もしもし、警官に捕まった・・」
「どうしたんですか？？」
「ガスコンロの火を見てもらった息子からのメール見てた」
「あっちゃ～～～」
「ちょっと遅れるかもしれない」
「分りました」

こんなやり取りを聞いていても
ポリスマンは動じることなく
「免許証」・・小癪なヤツめっ！

減点１点、罰金６，０００円・・。
それは仕方ないが、ゴールドはどうなるんだろ？？
それがとても気になった・・。

青キップを書いているポリスマンを後目に
私は「これってどうなんだい？」とツラツラ考えた。

例えば運転中の喫煙・・・
火をつける時も、消す時も前方不注意になる。
例えばカーナビ・・・
操作中も画面に見入っている時も前方不注意だ。
例えば「ハンズフリー」での携帯の通話・・
もしも通話中にメールが着たりすれば
携帯の画面を確認するから、これまた不注意になる。

こんな具合に危険なことなんてゴマンとある。

やるなら全部キチンと取り締まれよなっ！
気が向いたときだけ、しかも・・・
きっと「これもん」とかは避けて
普通の真面目そうな咬みつきそうもない人ばっかし・・。
（そんな事ないのか？）

ここまで考えられるほど、時間がかかった・・。
急いでいるって言っているのに、きっとワザとだろう。
漢字が分らないから時間がかかるのかもしれない・・。
７～８分して、漸くポリスマンが言った。
「印鑑なんて持ってないですよね？」

残念でした～、持ってますよっ！
「あります」
「シャチハタはダメなんですが」
「三文判も実印もあります」
「あ、そうですか・・でも朱肉が」
「それもあります」
「あ・・」
悪いね～、私のバッグには何でも入ってるんだよっ！

母音なんて死んでも押すもんかっ！

時間がかかりすぎてイライラしていた私。
最後に厭味を言ってその場を離れた。

「すごく釈然としない取り締まり方ですね～」
「どうしていつもやらないんですか？」
「時々抜き打ちでやるなんて姑息ですよね」
「緊急時に携帯を使えないなんて、携帯の意味ないですから」

これ、きっと国民の大多数の意見だと思うが・・・。
いや、単なる「八つ当たり」かな？？？