今が旬の野草に「タンポポ」がある。畦道を歩くと黄色い小さな花が盛りで、一面真っ黄色の花園に入り込んだかと思えるほどだ。お馴染みの光景かと思う。このタンポポだが、「関西タンポポ」と「西洋タンポポ」の2種類が存在するのはご存じかと思う。関西タンポポは在来種、西洋タンポポは外来種だ。外来種の勢いが強いのは何処も同じ。諸外国も同様と見え、彼のイギリスでも日本特産の「イタドリ」と「クズ」が蔓延り、英政府と住民を困惑させているそうな。「倭寇」と呼ばれるのかどうかは存じないが、対抗手段が無く英政府も困り果ててるとか何とか。我が国出自の野草達も頑張ってる模様だ。恐らくだが、貨物船等に便乗して海を渡ったのだろう。
このタンポポだが、農園ではまだしも関西タンポポが優勢の模様だ。千切って覗いて見ても関西タンポポの特徴ばかり、西洋タンポポの存在はごく僅かだ。タンポポの特徴でもあるのだが、里山環境が豊かな場所では在来種が繁茂し、都市化が進んだ環境ほど外来種が優勢なんだそうな。種の特性として、特別な理由が存在するらしいが、生憎と不勉強の至りで解説は困難だ。概論として、里山地帯では在来種、都市部では外来種と覚えておこう。外来種の侵蝕が進んでいるのはイギリス同様、農園でも彼方此方に西洋タンポポの姿が。
こうした状況に危機感を覚えたのが「長老」だ。クワや三角ホーを担いで農園内を彷徨っている。何をしているのかと問うてみれば、西洋タンポポの撲滅を図っているのだとか。発見次第、根こそぎ掘り起こして処分しているようだ。何とも手の込んだ長期戦の作業だ。ある意味、ドンキホーテの物語のような活動かも知れない。儚い抵抗だと蔑視されそうだが、彼の尽力にはある種の神々しさが。無論、儚い抵抗である事は解りきってはいるのだが、彼の夢想におつきあいしようかと思っている。
さて在来種と外来種との見分け方だが、一瞥しただけでは解りづらい。簡単な識別は、花を裏がえして花と茎との接続部を眺めてみることだ。画像の赤丸印の部分だが、そり返しがあれば外来種、無ければ在来種の印だ。画像のタンポポはそり返しが無いので在来種、現在の農園では王者の位置を保っている。このそり返しだが、専門用語で「総苞片(そうほうへん)」と呼ぶそうな。
長老の活躍はボチボチとだが継続して続いている。本日も出勤早々「三角ホー」を担いだ彼の姿が。現代版ドンキホーテの姿が何とも頼もしく思えるのは夢幻であろうか。
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