農園には屡々訪問者が来訪する。多くは仲間達だが、珍客も少なく無い。害獣・害鳥・害虫、などと呼ばれるが訪問者には相違無い。いわばある意味客筋でもある。おもてなしが必要なわけだが、客によってはありがた迷惑も少なく無いようだ。本日の訪問者は「イソヒヨドリ」。彼もそうした筋で余計なもてなしは不要なタイプだ。そっと見守っててくれれば十分、そんな風情で介入を拒んでいる。訪問は概ね単独行だ。昔、加藤文太郎という孤高のアルピニストがおられたが、何処か面影が似通っているような。
今日も単独のようで、農園を飛び回りながら畑の虫を狙っているようだ。多くは、梢の上からこちらの動きを様子見が多いのだが、本日の客人はそうで無いタイプのようだ。セキレイよろしく耕耘された畑の上を動き回っている。上述のように地中に潜む虫達を捕食する模様だ。ヒヨドリの特徴だが、集団生活を好まぬ野鳥のようだ。少なくとも当地に来訪するヒヨドリや我が家を訪れるヒヨドリも、ほとんどが単独行だ。花の蜜や果樹類の賞味が多いが、とりわけ柿は好物のようで、柿の木に立ち寄ることが多い。
本日は珍しく虫の捕食を狙ったようで、畝の合間をチョコチョコと。弥生3月、山里にも果樹類が無いのだろう。食に困っての畑訪問なのかも。余計な邪魔をしないように、一定の距離を置いて見守ったが、生憎と虫達にも恵まれなかったようだ。程なくして飛び去ってしまった。イソヒヨドリは主に海岸ベリの崖地を好むと聞いたことがる。棚田地帯の山間部にどうしてとの疑問は尽きぬが、大和川~石川、のラインで来訪したのだろうか。
ヒヨドリは留鳥であり渡り鳥でもあるそうな。渡り鳥と言っても、東南アジアからシベリアへ・・・・・といった大移動では無く、国内各地の移動が大半な模様だ。彼らの好物はツバキやサクラの蜜、これからしばらくは安泰だろう。あるいはサクラ前線と共に北上するのかも。
かくしてイソヒヨドリとの暫しの戯れは静かに終わった。最近は訪問者の野鳥も少なく、スズメなど滅多に見掛けぬようになってしまった。住宅環境が激変して、巣作りできる隙間が無くなったのが大きな要因かと推測している。合理的な近代建築も彼らにとっては苦難の代物のようだ。野鳥が生きにくい生活環境は、人間にとっても同様かと。飛び回る野鳥達の姿は、環境条件を図るバロメーターなのかも知れませんね。
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