1人の年老いた旅人が、
淋しい道を歩いていた。
そして、陰うつで冷たい日暮れに
彼は深い亀裂にたどり着き
顔色一つ変えることなく、
黙って亀裂を超えて行った。
もはや彼にとって、
恐れるものは何もない。
だが亀裂を渡り終えたとき、
彼は対岸を振り向いて
そこに1本の橋を架けた。
「おじいさん!」
近くにいた若い巡礼が叫んだ。
「なぜ、あなたは橋を架けるのか?
それはあなた自身を消耗させるだけではないのか?」
「あなたは、もう二度と再びここを訪れることはないだろう。
ただ、この広い裂け目を渡りさえすれが良いはずのあなたが、なぜ橋を架けるのでしょうか」
白髪の面をもたげながら、老人は答えた。
「善き友よ!同じ道を歩む友よ!私の話を聞くがいい」
「多くの若者が私の後に続き、この道をやって来て、この亀裂を渡らなければならない」
「私にとっては、まるで無意味な亀裂や激流も、
後に続く若者にとっては危険な落とし穴になるだろう」
「彼は日の落ちた夕暮れに、この危険に身をさらさなければならないのだ」
「善き友よ!私は彼らのために、ここに橋を架けるのだ」
わたしはあなたのために橋を架けます。
あなたも次の人のために橋を架けませんか?
それはあなたの幸せに変わり、
きっと幸せの輪が広がることでしょう。
あなたと一緒に橋を架けることを心より願っています♪