190916_白取春彦編訳『ニーチェ 勇気の言葉』
2019年9月17日
図書館で、白取春彦編訳『ニーチェ 勇気の言葉』という本を見つけた。
ここに載っている「ことば」は、
自分では思いつかないが、
言われてみると「そうだ」ということばだ。
まず自分のために、それからこれが
役に立つ人もいると思うので、ここに残しておこう。
p.9
人間というのは
間違った評価をされるのが
ふつうのことだ。
自分が思うように、
自分が望むように
評価してくれることなんか
ほとんどない。
自分の評判や評価など
気にしてはいけない。
他人がどう思っているか
なんてことに関心を向けては
絶対にいけない。
p.18
人から信じてもらいたければ、
言葉で自己を強調するのではなく、
行動で示すしかない。
しかも、のっぴきならない状況での
真摯な行動のみが、
人の信に訴えるのだ。
p.22
不機嫌になる大きな理由の一つは、
自分のなしたこと、
自分の産んだことが
人の役に立っていないと感じることだ。
したがつて、いつも機嫌よく生きていくこつは、
人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。
そのことで自分という存在の意味が実感され、
これが純粋な喜びになる。
p.33
一日をよいスタートで始めたいと思うなら、
目覚めたときに、この一日のあいだに
少なくとも一人の人に、
少なくとも一つの喜びを与えて
あげられないだろうかと思案することだ。
p.38
職業はわたしたちの生活の背骨になる。
背骨がなければ、人は生きて行けない。
仕事にたずさわることは、
わたしたちを悪から遠ざける。
くだらない妄想を抱くことを忘れさせる。
そして、こころよい疲れと
報酬まで与えてくれる。
p.49
今のこの人生を、
もう一度そっくりそのまま
くり返してもかまわないという
生き方をしてみよ。
p.51
この人生を簡単に、そして
安楽に過ごしてゆきたいというのか。
だったら、常に群れてやまない
人々の中に混じるがいい。
そして、いつも群衆と一緒に
つるんで、ついには
自分というものを
忘れ去って生きてゆくがいい。
p.57
死ぬのは決まっているのだから、
ほがらかにやっていこう。
いっかは終わるのだから、
全力で向かっていこう。
時間は限られているのだから、
チャンスはいつも今だ。
嘆きわめくことなんか、
オペラの役者にまかせておけ。
p.58
何か創造的な事柄に
あたるときにはもちろん、
いつもの仕事をする場合でも、
軽やかな心を持っていると
うまくいく。
それはのびのびと飛翔する心、
つまらない制限など
かえりみない自由な心だ。
生まれつきのこの心を
萎縮させずに保っているのが望ましい。
そうすれば、
さまざまなことが
軽々とできる人になれるだろう。
p.60
いつもの自分の生活や仕事の中で、
ふと振り返ったり、
遠くを眺めたときに、
山々や森林の連なりや
はるかなる水平線や地平線といつた、
確固たる安定した線を
持っていることは
とてもたいせつなことだ。
それらは単なる
見慣れた風景にすぎないかもしれない。
けれども、その風景の中にある
しつかりと安定した線が、
人間の内面に落ち着きや充足、
安堵や深い信頼というものを
与えてくれるからだ。
p.67
「ああ、もう道はない」と思えば、
打開への道があったとしても、
急に見えなくなるものだ。
「危ないっ」と思えば、
安全な場所はなくなる。
いずれにしても、
おじけづいたら負ける、
破滅する。
相手が強すぎるから、
事態が今までになく困難だから、
状況があまりにも悪すぎるから、
逆転できる条件がそろわないから
負けるのではない。
心が恐れを抱き、
おじけづいたときに、
自分から自然と
破滅や敗北の道を選ぶように
なつてしまうのだ。
p.76
車に櫟かれる危険が最も大きいのは、
一台目の車をうまくよけた直後だ。
同じように、仕事においても
日常生活においても、
問題やトラブルをうまく処理して
安心から気をゆるめたときにこそ、
次の危険が迫っている可能性が高い。
p.79
あなたが誰かをだましたりすると、その人は悲しむ。
だまされたことで何か損を受けたから、
その人は悲しんでいるのではない。
その人がもうあなたを信じ続けられない
ということが、その人を深く悲しませているのだ。
今までのようにあなたをずっと信じていたかった
からこそ、悲しみはより深くなるのだ。
p.80
他人をあれこれと判断しないこと。
他人の値踏みもしないこと。
人の噂話もしないこと。
あの人はどうのこうのと
いつまでも考えないこと。
そのような想像や考えを
できるだけ少なくすること。
p.86
他人を見るときは、
その人の高さを見るように。
その人の低劣な面や
表面上のことばかりが見えるのなら、
自分がとても良くない状態に
なっている証拠だ。
それは、誰かの低さばかり
見ることによって、
自分が愚かで努力していない
ことに目をつむり、
自分はああいう人間よりは高いのだと
思いたがっていることになるからだ。
p.91
雑踏の中へ入れ。人の輪の中へ行け。
みんながいる場所へ向かえ。
みんなの中で、大勢の人の中で、
きみはもっとなめらかな人間になり、
きっちりとした新しい人間になれるだろう。
孤独でいるのはよくない。
孤独はきみをだらしなくしてしまう。
孤独は人間を腐らせてだめにしてしまう。
さあ、部屋を出て、街へでかけよう。
p.97
きみはそんなことに責任をとろうとするのか。
しかし、それよりも自分の夢の実現に
責任をとったらどうだろう。
夢に責任をとれないほど弱いのか。
それとも、きみには勇気が足らないのか。
きみの夢以上に、
きみ自身であるものはないのに。
夢の実現こそ、
きみが持っている精一杯の力で
なすべきものではないのか。
p.100
悪とは何か。
人をはずかしめることだ。
最も人間的なこととは何か。
とんな人にも恥ずかしい思いをさせないことだ。
そして、人が得る自由とは何か。
どんな行為をしても、
自分に恥じない状態になることだ。
p.103
学び、知識を積み、知識を今なお教養と知恵に
高め続けているような人は、退屈を感じなくなる。
あらゆる事柄が以前にもまして
いっそう興味深くなってくるからだ。
彼にとっては、世界は興味の尽きない対象となる。
植物学者がジャングルの中にいるようなものだ。
p.108
きちんと考える人に
なりたいのであれば、
最低でも次の三条件が必要になる。
人づきあいをすること。
書物を読むこと。情熱を持つこと。
これらのうちのどの一つを欠いても、
まともに考えることなど
できないのだから。
p.114
自分を試練にかけよう。
人知れず、自分しか証人のいない試練に。
たとえば、誰の目のないところでも正直に生きる。
たとえば、独りの場合でも行儀よくふるまう。
たとえば、自分自身に対してさえ、一片の嘘もつかない。
そして多くの試練に打ち勝ったとき、
人は本物の自尊心を持つことができる。
p.153
友達にするなら、
仕事熱心なやつにしなよ。
働き者は人として
ちゃんとしてるのが多いからな。
また、仕事が好きだというのは
コッがすぐ呑みこめる才能を
持ってるからだし、
集中力があるのさ。
そういうやつは周りから
信頼されているものだ。
仕事に打ち込んでないやつは
からきしだめだ。
口では大きなことを言って、
仕事を転々としてるやつも
あまりよくないな。
そういうやつは暇なもんだから、
あらぬ妄想を事実のようにして
吹聴したり、人のことを
悪くばかり言ってるもんだ。
ひどいときには
人の問題にまで当然のように
口を差し挟んでくる厄介者さ。
以上
2019年9月17日
図書館で、白取春彦編訳『ニーチェ 勇気の言葉』という本を見つけた。
ここに載っている「ことば」は、
自分では思いつかないが、
言われてみると「そうだ」ということばだ。
まず自分のために、それからこれが
役に立つ人もいると思うので、ここに残しておこう。
p.9
人間というのは
間違った評価をされるのが
ふつうのことだ。
自分が思うように、
自分が望むように
評価してくれることなんか
ほとんどない。
自分の評判や評価など
気にしてはいけない。
他人がどう思っているか
なんてことに関心を向けては
絶対にいけない。
p.18
人から信じてもらいたければ、
言葉で自己を強調するのではなく、
行動で示すしかない。
しかも、のっぴきならない状況での
真摯な行動のみが、
人の信に訴えるのだ。
p.22
不機嫌になる大きな理由の一つは、
自分のなしたこと、
自分の産んだことが
人の役に立っていないと感じることだ。
したがつて、いつも機嫌よく生きていくこつは、
人の助けになるか、誰かの役に立つことだ。
そのことで自分という存在の意味が実感され、
これが純粋な喜びになる。
p.33
一日をよいスタートで始めたいと思うなら、
目覚めたときに、この一日のあいだに
少なくとも一人の人に、
少なくとも一つの喜びを与えて
あげられないだろうかと思案することだ。
p.38
職業はわたしたちの生活の背骨になる。
背骨がなければ、人は生きて行けない。
仕事にたずさわることは、
わたしたちを悪から遠ざける。
くだらない妄想を抱くことを忘れさせる。
そして、こころよい疲れと
報酬まで与えてくれる。
p.49
今のこの人生を、
もう一度そっくりそのまま
くり返してもかまわないという
生き方をしてみよ。
p.51
この人生を簡単に、そして
安楽に過ごしてゆきたいというのか。
だったら、常に群れてやまない
人々の中に混じるがいい。
そして、いつも群衆と一緒に
つるんで、ついには
自分というものを
忘れ去って生きてゆくがいい。
p.57
死ぬのは決まっているのだから、
ほがらかにやっていこう。
いっかは終わるのだから、
全力で向かっていこう。
時間は限られているのだから、
チャンスはいつも今だ。
嘆きわめくことなんか、
オペラの役者にまかせておけ。
p.58
何か創造的な事柄に
あたるときにはもちろん、
いつもの仕事をする場合でも、
軽やかな心を持っていると
うまくいく。
それはのびのびと飛翔する心、
つまらない制限など
かえりみない自由な心だ。
生まれつきのこの心を
萎縮させずに保っているのが望ましい。
そうすれば、
さまざまなことが
軽々とできる人になれるだろう。
p.60
いつもの自分の生活や仕事の中で、
ふと振り返ったり、
遠くを眺めたときに、
山々や森林の連なりや
はるかなる水平線や地平線といつた、
確固たる安定した線を
持っていることは
とてもたいせつなことだ。
それらは単なる
見慣れた風景にすぎないかもしれない。
けれども、その風景の中にある
しつかりと安定した線が、
人間の内面に落ち着きや充足、
安堵や深い信頼というものを
与えてくれるからだ。
p.67
「ああ、もう道はない」と思えば、
打開への道があったとしても、
急に見えなくなるものだ。
「危ないっ」と思えば、
安全な場所はなくなる。
いずれにしても、
おじけづいたら負ける、
破滅する。
相手が強すぎるから、
事態が今までになく困難だから、
状況があまりにも悪すぎるから、
逆転できる条件がそろわないから
負けるのではない。
心が恐れを抱き、
おじけづいたときに、
自分から自然と
破滅や敗北の道を選ぶように
なつてしまうのだ。
p.76
車に櫟かれる危険が最も大きいのは、
一台目の車をうまくよけた直後だ。
同じように、仕事においても
日常生活においても、
問題やトラブルをうまく処理して
安心から気をゆるめたときにこそ、
次の危険が迫っている可能性が高い。
p.79
あなたが誰かをだましたりすると、その人は悲しむ。
だまされたことで何か損を受けたから、
その人は悲しんでいるのではない。
その人がもうあなたを信じ続けられない
ということが、その人を深く悲しませているのだ。
今までのようにあなたをずっと信じていたかった
からこそ、悲しみはより深くなるのだ。
p.80
他人をあれこれと判断しないこと。
他人の値踏みもしないこと。
人の噂話もしないこと。
あの人はどうのこうのと
いつまでも考えないこと。
そのような想像や考えを
できるだけ少なくすること。
p.86
他人を見るときは、
その人の高さを見るように。
その人の低劣な面や
表面上のことばかりが見えるのなら、
自分がとても良くない状態に
なっている証拠だ。
それは、誰かの低さばかり
見ることによって、
自分が愚かで努力していない
ことに目をつむり、
自分はああいう人間よりは高いのだと
思いたがっていることになるからだ。
p.91
雑踏の中へ入れ。人の輪の中へ行け。
みんながいる場所へ向かえ。
みんなの中で、大勢の人の中で、
きみはもっとなめらかな人間になり、
きっちりとした新しい人間になれるだろう。
孤独でいるのはよくない。
孤独はきみをだらしなくしてしまう。
孤独は人間を腐らせてだめにしてしまう。
さあ、部屋を出て、街へでかけよう。
p.97
きみはそんなことに責任をとろうとするのか。
しかし、それよりも自分の夢の実現に
責任をとったらどうだろう。
夢に責任をとれないほど弱いのか。
それとも、きみには勇気が足らないのか。
きみの夢以上に、
きみ自身であるものはないのに。
夢の実現こそ、
きみが持っている精一杯の力で
なすべきものではないのか。
p.100
悪とは何か。
人をはずかしめることだ。
最も人間的なこととは何か。
とんな人にも恥ずかしい思いをさせないことだ。
そして、人が得る自由とは何か。
どんな行為をしても、
自分に恥じない状態になることだ。
p.103
学び、知識を積み、知識を今なお教養と知恵に
高め続けているような人は、退屈を感じなくなる。
あらゆる事柄が以前にもまして
いっそう興味深くなってくるからだ。
彼にとっては、世界は興味の尽きない対象となる。
植物学者がジャングルの中にいるようなものだ。
p.108
きちんと考える人に
なりたいのであれば、
最低でも次の三条件が必要になる。
人づきあいをすること。
書物を読むこと。情熱を持つこと。
これらのうちのどの一つを欠いても、
まともに考えることなど
できないのだから。
p.114
自分を試練にかけよう。
人知れず、自分しか証人のいない試練に。
たとえば、誰の目のないところでも正直に生きる。
たとえば、独りの場合でも行儀よくふるまう。
たとえば、自分自身に対してさえ、一片の嘘もつかない。
そして多くの試練に打ち勝ったとき、
人は本物の自尊心を持つことができる。
p.153
友達にするなら、
仕事熱心なやつにしなよ。
働き者は人として
ちゃんとしてるのが多いからな。
また、仕事が好きだというのは
コッがすぐ呑みこめる才能を
持ってるからだし、
集中力があるのさ。
そういうやつは周りから
信頼されているものだ。
仕事に打ち込んでないやつは
からきしだめだ。
口では大きなことを言って、
仕事を転々としてるやつも
あまりよくないな。
そういうやつは暇なもんだから、
あらぬ妄想を事実のようにして
吹聴したり、人のことを
悪くばかり言ってるもんだ。
ひどいときには
人の問題にまで当然のように
口を差し挟んでくる厄介者さ。
以上