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ゆうとたいへ

六十を過ぎて始めた自転車旅行、山登りをつづります

2019年9月7日 池内納(おさむ)さんはパソコンもスマホも自動車も使わなかった

2019-09-07 | 昼間のエッセー
190907_池内納(おさむ)さんはパソコンもスマホも自動車も使わなかった

2019年9月6日 産経新聞 p.1

 池内納(おさむ)さんという方が、8日30日、亡くなられた。78歳。
 東大の教授であったが、55歳の時、定年を待たず、大学を早期退職した。
 かねての計画通り「カフカ」の作品を全部訳す仕事にとりかかった。
 この人の家には、パソコン、スマホ、自動車が無かった。テレビもなかった。
 朝、暗い内、4時に起床し、モーツアルト、ベートーベンの音楽を聴く。
 それから仕事(翻訳)にとりかかる。翻訳は、400字詰めの原稿用紙に書いた。
 訳した本のボリュームは、全6巻、総ページ2400、あったという。
 総ページが2400もあると、紙に万年筆で書いた方が、パソコンに入力するより能率がよい。
 振り返って前の言葉を参照するときに、原稿用紙の場合、探すのが簡単だ。 パソコンでは、文字の検索はできるが、気分・気持ち・なやみ・絶望という範疇ではさがせない。
 退職後といえ、その前から計画をたてて、準備をしておけば、たいがいのことはできる。