インドの風と共に

インド(ニューデリー)での生活・体験、新聞記事など見たまま感じたままを書いています。

お母さん、お家に連れて帰って!2

2005-10-23 19:56:01 | インドニュース
そんな中で少年が初めて口にし、事実がわかった。
家のガードマンが自分をどこかに連れて行ってくれると言って
連れ出し、少年は24日に連れ去られ、7月1日に保護されていた。
そのまま放置したと言うことだった。
やっと安心して出た言葉かもしれなかった。

その言葉からいろいろ家族に尋ねてみると、
その連れ去られた日など一致し、そのガードマンも
その日から出勤していないという。

しばらくすると、少年の父母と言う夫婦にもTVカメラが入った。
カメラに映った夫婦に対して少年が口にした言葉は、
「あなたは“小さいお父さんとお母さん”だね」だった。
しばらく考えた後、その夫婦は、
「そう、小さいお父さんだよ」だった。
しかし、小さい父と母にはほとんど涙がなかった。

小さいお父さんと言う言葉はインドでは、父の弟を意味する。
本当の父ではないということだけれど、
そのことには、キャスターは全く触れず、
逆に父として迎えていた。

しかし、終始不思議なのは感激の再会シーンも涙もなく、
「どこにいる?」「どうしている?」
「いつ迎えに来る?」「明日行く」などの淡々とした
会話だけだった。あまりにシラッとした番組になってしまっていた。

実は、少年は貧困州ビハールの出身だったようだ。
言葉でだいたいの地域は予想が付いたが、
この夫婦の出現で、さらにどういう状況で
少年の混乱が生じたのか分かった。
父母は貧しい生活をしているようで、
あちこち、仕事を探し転々としているようだった。

一番感じたのは、見ていてそれはとてもショッキングだった。
親戚とは言えども、涙すら出てこない人達。
いったいこの州の人々はどんな感性を持っているのか・・・

ビハールの家族関係・貧困さ、それにもかかわらず
多産で、親子の絆と言うものに対して
そうとう薄いことを感じさせられるものがあった。
ビハールの人々が全インドで嫌われている理由が
ここにあるような感覚をも理解できる。(続)

お母さん、お家に連れて帰って!1

2005-10-23 19:53:51 | インドニュース
今週、インドの一TV番組で特集を組まれていたのが
この、「お母さん、お家に連れて帰って!」だった。

突然テレビに現れた少年は、5歳で今年の7月1日に
マドゥヤプラデーシュ州のある施設の人に保護された。

少年は小さいので、家族のこと、住んでいた場所も
わからない状態だった。
ただ、父、母、お兄さんの名前だけを話せた。
少年は悲しい様子も見せず、終始明るい表情をだった。
どうしてこんなに嬉しそうなのか不思議にさえ感じた。

その特集で、彼のことが報道されて呼びかけている中で
少したった後に、知っていると言う人からの連絡と
そこで少年の父母に頼まれて、
(インドでは都市の学校に行くために親戚の家に住むのは頻繁)
一緒に住んでいる彼の兄と話すことができた。
しかし、あいにく父は買い物に出掛けて30分後に帰ってくるという。

少年が兄の声を聞き、存在を確認するがお互いに
どうしてそんなところにいるのかとか
いつ迎えに来てくれるなど、とても淡々とした会話だった。

少し経つと今度は父の姉からの電話があった。
彼が自分の兄弟の息子であると確信して電話したのだという。
しかし、父の住所・電話番号は不明のままだった。
そして、確認してからもう一度かけ直すという事だった。

その数時間後、父母として報道された2人にカメラマンが入り、
少年の写真を見せ、同一人物であることを確信した。
しかし、TVがないため、父母は少年を確認できなかった。(続)