
※写真を追加 2009.02.15
寝台特急「はやぶさ」
時代には勝てず3月でついに廃止されてしまう、東京発九州行ブルトレ最後の砦。母の故郷が福岡だったので、小さい頃毎年のように夏休みは九州へ行っていた。最初は新幹線だったが、鉄道に興味を持ちはじめた頃から自然とブルトレで行くようになった。一番乗ったのは既に廃止になった「あさかぜ」だったが、それ以外にも博多を通るブルトレは全て試した。「みずほ」「さくら」「はやぶさ」。免許を取ってから「カートレイン」で行ったこともあるなぁ。
「はやぶさ」に乗ったのは「ロビーカー」や「ソロ」が連結されていた頃で、全盛期といっても良い。あの頃は「はやぶさ」だけでも14両という大編成であり、半分は熊本止まりだが、残り半分は西鹿児島(現在の鹿児島中央)まで行っていた。自分が模型で所有しているのも、その当時のフル編成だ。
夕食の駅弁とお茶を買い込んで乗り込み、車内で食べた。ペットボトルなんてない当時のお茶は熱いお湯が入った容器に日本茶のティーバッグを浸すやつ。あれもいつの間にか見なくなってしまったね。それから冷凍みかんなんてのもあったっけ。お菓子といえば都こんぶやボンタンアメでね。何とも懐かしい。。。もちろん食堂車も連結されていて、我が家は食堂車で朝定食を食べるのが習慣だった。確か和定食と洋定食が選べて、洋定食は卵が2つのハムエッグ、子供心には何だかちょっと得した気分だったのを覚えている。
夜中まで通路側の椅子に座り、「カタンコトン」という音、時々聞こえる汽笛を楽しんだ。ロビーカーでくつろいだり、先頭から最後尾まで歩いてみたりして遊んだ。朝目覚めると瀬戸内の海が見えてすがすがしい気分になるんだけど、そのうち通過する駅のホームに通勤客が増え出して、ああもう人々の一日は始まっているんだなと思ったりして、何だかちょっと不思議な感じだった。
そんな子供の頃の色々な想い出が、今回の乗車で一気に甦ってきた。なくなってしまうのは実に寂しい。だけど、自分自身も飛行機を使うことが増えているだけに何も言えない。車両は明らかにくたびれているし、どうひいき目に見ても車両を新造して存続する程の理由はない。廃止はいつか訪れる避けられない事なんだろうね。。。
最後の最後に良い想い出が出来た。み~たんが大きくなったら、今回の旅行の話と共にブルトレというものがあったことを教えよう。多分嫌われるけど(笑)