現在、『変形性股関節症は治る病気です!』という本の出版準備をしています。
その本は、図表を多くして文字を非常に少なく簡潔にした読みやすい本となる予定です。
このブログは、その本の説明書的なブログになります。
本が出版されたら、その本に沿った説明書的なYoutubeも始める予定です。
2021年3月から3ヶ月間長々と書いてきましたが、いまいち理解しにくい点も多かったと思います。
3ヶ月間、お付き合いいただきましたありがとうございました。
2021年6月19日
松本深圧院 総院長 松本正彦(柔道整復師・理学療法士)
※この記事の最後に私達が発信する様々な情報先を載せました。お時間のある時に覗いてみて下さい。
変形性の関節症は、人体の全ての関節に起こる病気です。
加齢による場合もあるかも知れませんが、変形性関節症は膝関節であろうが股関節であろうが、腰の関節であろうが治る病気だと考えています。
重要なことは、どの関節であろうが、骨や軟骨だけに焦点をあてないことだと考えています。
私は股関節専門をうたっていますが、全ての関節に対して深圧を行えるようにスタッフにも教育指導しています。
変形性関節症の中でも、特に変形性股関節症は進行する不治の病と考えている先生や患者さんは多いと感じています。
ですので、初めての診察時に『治療法は手術しかない。』と説明されることが多いと思います。
患者さんとしては、今までに聞いたことのない病名を告げられ、『治療法は手術しかない。』と言われても、なかなか『はいわかりました。手術の予約をお願いします。』とは言えないものでしょう。
ある病気になると、その病気について調べたり、他の治療法が無いか調べたりするのが普通でしょう。
そして、悩みいろいろと試す中で症状が改善しなかったら、患者さんがこの病気を受け入れる“受容”が起こるのですが、受容に至るまでには何段階かに分かれる期間が必要となります。
受容とは心の準備期間です。
人は精神的にも肉体的にもひとり一人全く異なります。
変形性股関節症による股関節痛で初めて病院を受診した時、診断名を告げられた後「治療法は手術しかありません。」と説明された時の受け取り方も患者さんひとり一人異なるでしょう。
病院の先生としては、人が生活するうえで痛み無く生活できることが理想であるから、手術をして一日も早く痛みのない生活を実現させてあげたいという使命感で手術の話をしていると思います。
そこには、病院の経営状況を良くするために、とにかく手術を勧めてどんどん手術を行い、手術数を増やすことにより名医と呼ばれたいなどと考えている先生は非常に少ないと思います。
医療従事者には、患者さんファーストという考え方があるのですが、この患者さんファーストを間違った方向に考えてしまうこともあるでしょう。
患者さんの心の準備(受容)には時間がかかりますので、準備ができるまで待ってあげることこそ患者さんファーストという考え方もあると思います。
患者さんにとって必要な受容期間を、医療従事者ももっと考慮した方が良いと思うのです。
ある患者さんが、本当に手術が必要な状態であっても、まずは受容期間を考えながらの病気の説明や生活上の注意点などを説明し、症状を改善させるための積極的な治療も行うべきだと思います。
その受容期間の中で、患者さんは別の治療法にチャレンジすることは可能です。
その時に、変形性股関節症には治る可能性があるのだという情報が少しでもあれば、チャレンジもしやすくなるでしょう。
そして、その中で100%とは言えませんが、運よく手術を回避できて変形性股関節症が治る方々が必ず現れてくるのです。
そのチャレンジが良い結果をもたらさなかった場合でも、変形性股関節症について学び、この病気を受け入れ自分の判断で手術を受けようと決意できると思います。
このブログには、私が20年以上皆さんの長期経過観察を行ってきた経験を書いた前著である『股関節痛は怖くない!』と『股関節はもっともっと長持ちする』の内容も踏まえ習得できた知見を全て書いたつもりです。
皆さんには、体質や環境による個人差はありますが、全ての方に治る力があることをご理解頂けたでしょうか?
変形性股関節症の治り方は、変形や機能障害を伴って治るということもご理解いただけたでしょうか?
皆さんに起こる多くの病気が治るように、変形性股関節症も治る可能性のある病気であるということもご理解頂けたでしょうか?
そして、変形性股関節症という病気との向き合い方がご理解頂けたでしょうか?
皆さんの多くが抱えているこの病気に対する不安や怖さは、間違った考え方や診療法の不十分さに基づいています。
先に紹介した富士温泉病院の矢野先生は、その著書の中で患者の8割は手術が不要だと書かれています。
また、矢野先生は別の著書の中では、医療者側が手術以外の積極的な治療を行わないまま患者さんを『放置』することが、変形性股関節症を発症させるとも書かれています。
変形性股関節症患者さんの長期経過を観察して、私も同じことを感じてきました。
目の前で股関節痛を訴える患者さんがいるのであれば、その場で治療を試みるのが医療の本来の姿です。
皆さんも治療の放置は避けて下さい。
当院には手術をしたくない方々が70%来院されますので、本書を含めて当院のブログやYoutubeなどは手術をしたくない人向けの情報発信が多くなっています。
しかし、私達のスタッフの多くは病院勤務の経験があるので手術の素晴らしい面も当然理解しています。
手術が悪いのではなく、手術に至る過程に問題が多いということをこのブログでお知らせしたかったのです。
手術に至る過程の中でも一番大きな問題は病院での診察法だと感じています。
変形性股関節症患者さんの長期経過を観察し、多くの患者さんと話をさせて頂く中で、病院の診察法がレントゲン写真に偏り過ぎて、患者さん自身の身体と心を診ていないように強く感じています。
病院が混んでいるから、また電子カルテになってそれどころではない等の理由はあるでしょうが、その理由を改善させる病院の努力が必要だと感じています。
病院の先生方も大変だと思います。
もっとゆったりしたスケジュールで患者さんを診たいと思っている先生も多いのではないでしょうか?
最近では、十分な時間をかけて患者さんを診ることができる自由診療のクリニックなども増えてきていますが、医療の質を考えると良い傾向だと感じています。
レントゲン写真を含めた検査結果は参考程度として、もっと患者さんの精神状態や身体状態を診ることのできる時間があると良いと感じます。
現在、東京大学医学部の医学部長が学生に対して2つのことを期待しています。
基礎医学、社会医学、臨床医学をしっかり学ぶこと。
医学にかかわる者として患者さんを常に大切にする姿勢を学ぶこと。
また、私の患者さんで、現在東京大学医学部の学生を孫に持つ方がいて、現在どのような教育が行われているかを詳しく聞く機会が多々あります。
その中で、診察時に患者さんの顔を見て、患者さんの話を聞いて、患者さんに触診を行う事で患者さんの気持ちに寄り添うことをかなり教育されていると聞きます。
このことは、当たり前のことなのですが、改めて再認識されているように感じます。
このような教育を受けたお孫さんは、臨床実習に出て実際に医師の診察現場を見学した時、患者さんの顔を見ることなく診察が行われていることが多くてがっかりすることが多かったと聞きます。
私がいろいろと学ばせて頂いた東博彦先生、二ノ宮節夫先生、矢野英雄先生の出身である東京大学でこのような変化が起こっているということは、レントゲン写真や他の検査結果だけを見て患者さん自身を診ることが無くなってきている診察の現状が、今後大きく変化していくと思います。
また、今後は患者さんを常に大切にする診療が行われるようになっていくはずです。
当院でも、2022年を目標に総合股関節センターを立ち上げようとしています。
2020年のコロナ禍によって、その計画は順調ではなくなっていますが、まだ私はあきらめていません。
総合股関節センターには、骨にこだわらない整形外科医がいて、私達がいて、患者さんに安心を与えられる様々な専門家が揃っているようなイメージを持って進めています。
ぜひ、皆さんのご協力、ご支援をよろしくお願い致します。
このブログでは医師にしかできない治療法のことも紹介しました。
このような治療法も、劇的な効果はないこともありますが、少しでも股関節痛を改善させて、患者さんに希望を与えようと努力する姿勢を患者さんに示すことが、患者さんを大切にする姿勢につながるのではないでしょうか?
その前提として、変形性股関節症という病気が特殊な形ではあるが、治る病気であるという考え方が少しでも認識される必要があります。
医療従事者が病気に対峙する時、その病気が治らない病気と考えるか、それとも治る病気と考えるかで大きな違いが生じます。
変形性股関節症が治る病気だと考えた時、新たな診察法や治療法が行われ、予後予測に変化が出ることでしょう。
また、患者さんにとっても病気に対する不安や恐怖心が軽減し、心身症と呼ばれる心理的な痛みも軽減することでしょう。
このような医療従事者側の変化は、必ず近未来に起こります。
その結果、皆さんの股関節はもっともっと長持ちし、皆さんの変形性股関節症に対する考え方が変わり、股関節痛に対する怖さも軽減することでしょう。
最後に、私がこのブログを書き上げるまでに多くの知見を与えて下さった多くの患者さん達に深く感謝致します。
本当にありがとうございました。
股関節痛は怖くない!
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このブログは次回で終了となります。
いつもありがとうございます。
5、変形性股関節症が治った後の生活
ここでは、手術をされないで治った方を想定して書いてみます。
多少の異常歩行や脚長差は残ったとしても、骨の修復が終わり股関節痛が無くなった状態での生活状況を説明します。
変形性股関節症が治ると、無理がきくようになります。
重いものを持てたり、長距離歩行が可能となります。
様々な趣味も可能となる方が多いです。
それは、水泳であり、乗馬であり、ゴルフなどです。
私はゴルフが趣味ですので、股関節が治った患者さん達と一緒にゴルフをすることもあります。
その結果、無理をすると痛みが出ることがあります。
しかし、それは私にもありますし、無理をして痛みが出たとしても、その痛みが長引かなくなります。
つまり、疲労回復が早くなるように、股関節痛からの回復も早くなる特徴があります。
股関節の炎症を乗り切った方の多くの方には、変形性股関節症による強い炎症はもう二度と起こらないと考えて間違いはありません。
もちろん、大きなケガをしたときには、どこの関節であろうとも炎症は起こります。
そのようケガによる関節の炎症は、長引くことがあるのは事実です。
これは、その方の生き方になると思うのですが、そのようなリスクを覚悟の上でどうしても行いたい趣味を行う方はいます。
私ももちろん賛成ですが、正常な股関節に比べるとケガをしやすくなることがありますので、危険性の高い趣味はできれば控えた方が良いと考えています。
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4、変形性股関節症の治し方の手順
皆さんが変形性股関節症を治そうと考える時には、まず次の2点をしっかりと確認してください。
松本のタイプ分類で自分がどのタイプに当てはまるのかを確認してください。
そして、自分の変形性股関節症の歴史(長期経過)確認してください。
もし可能でしたら、股関節痛の経過表を書いて、自分の歴史を確認してみて下さい。
松本分類タイプ1の方で炎症の山を越え切れていない方は関節包の炎症への対応が主となる可能性が高く、タイプ2の方は筋筋膜症候群への対応が主となる可能性が高くなりますね。
この結果を頭に置いて、身体への負担、リスクを考えて次のような手順で変形性股関節症を治すと良いと思います。
変形性股関節症の治し方の手順
A、痛む周辺の筋肉をほぐしてみる
B、筋肉をほぐすことで少しでも良い感じを感じたら、しばらく続けてみる。
C、強い痛みが無ければ、必要に応じ機能障害の治し方A~Dを試みてみる。
D、筋肉だけでは効果を感じられない場合は、炎症を考慮して炎症を抑えるサプリメントを試みてみる。
E、抗炎症サプリメントで効果を感じたらしばらく続けてみる。
F、筋肉をほぐしても抗炎症サプリメントでも効果が無い時は、病院にて股関節の炎症に対する
ステロイド注射や筋肉に対するトリガーポイント注射を試みる。
この治療法は、担当の先生によって考え方が異なると思うのですが、一般的には整形外科よりも
ペインクリニック科(麻酔科)の方が良いと思います。
G、それでも効果が無い時は、自然治癒力を信じて筋肉をほぐしながら経過を見る。
H、精神的肉体的限界を感じ、手術をしたくなれば、手術をしてほしい先生を求めていくつかの
病院の診察を受けてみる。
I、手術後に股関節痛が出た場合は、まずは筋肉をほぐしてみて、効果を感じなければトリガーポイント
注射を行える先生にかかってみる。
病院を初めて受診した時、「治療法は手術しかない。」と説明され、そのまま手術を受けたいと考える方もいらっしゃいます。
仕事や家庭環境の為そのような選択をせざるを得ない方もいるでしょう。
変形性股関節症の治療法には正解がいくつもありますので、皆さん一人ひとりの生き方に合った方法を皆さん自身が選択すればよいと思います。
実際の治療法は手術以外にもありますので、その治療の選択肢を多く準備することも医療従事者の役割のひとつだと考えます。
ここで紹介した変形性股関節症の治し方の手順が、少しでも皆さんのお役に立っていただければうれしいです。
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3、機能障害の治し方
D、歩行時の横揺れ
歩行時の横揺れの原因は、お尻の横にある中殿筋の筋力低下が原因です。
脚長差で横に揺れるのではありません。
中殿筋の働きは、脚を床に着けている時に骨盤を水平に保つことです。
この中殿筋の筋力が低下すると、皆さんが脚に体重をかけた時に骨盤を水平に保てなくなります。
脚をかばう期間が長くなると、ある時期から中殿筋が骨盤を水平に保てなるので骨盤が傾き、その結果として身体が横に揺れるのです。
古い考え方では、中殿筋の働きは脚を外に開く(股関節の外転)働きだと考えられていました。
この考えに基づき、横向きに寝て脚を上に挙げる筋トレが行われていました。
この考えも間違いではないのですが、重い脚を小さな中殿筋で持ち上げるので、変形性股関節症の患者さんにとってはケガをしやすい方法であり、実用性に欠ける方法だと私は考えています。
横向きに寝て脚を上に挙げる中殿筋の筋トレ法は、私の中では30年前の考え方になります。
人は、主に立って脚を地面に着きその脚に体重をかけることで生活をします。
従って、中殿筋の筋トレも脚に体重をかけた状態で行った方が実用的であり安全に行えるのです。
それでは歩行時の身体の横揺れを改善させる中殿筋の鍛え方について説明します。
この方法は、先に説明しました患側荷重法別法の姿勢から、良い方の脚側の骨盤を少し挙げるだけです。
図1 中殿筋の安全な筋トレ法
良い方の脚は、つま先立ち状態になると思います。
この時注意してほしいのは、あくまでも両肩の高さは水平を保つことです。
意外と軽い力で骨盤は挙がり易いので、それほど力を入れなくても大丈夫だと思います。
この図の説明は、右脚が患側で患側の中殿筋を鍛えようとしています。
両側で揺れる方は、両側に対してこの運動をすると良いでしょう。
患側に体重をかけると、反射的に患側の脚全体の筋肉が収縮します。
この方法では、反対側の骨盤を挙げることによって中殿筋の収縮をさらに強くしています。
横向きに寝て脚を上に挙げる方法も、この方法も中殿筋を収縮させて鍛えるという目的は一緒です。
2つの方法の違いは、脚に体重をかけた状態で行うか、体重をかけない状態で行うかによって、筋肉の両端のどちらがどちらに近づきながら収縮するのかという違いです。
つまり、図2で示す中殿筋の両端をAとBにした場合、ここで説明した方法はAがBに近づくことになります。
一方、横向いて脚をあげるという昔から指導されてきた方法では、BがAに近づきます。
図2 中殿筋の収縮方法
このように、中殿筋を収縮させて鍛えようとする目的は一緒なのですが、実用的で安全な方法をここでは説明させて頂きました。
歩行時の横揺れにお悩みの方は、是非トライしてみて下さい。
もちろん、回数は控えめから徐々に増やし、力の入れ具合も軽めから徐々に強くし、自分の身体の反応を見ながら継続するか、中止するかを判断してください。
変形によって、中殿筋の長さ自体が短くなっていることもあり、中殿筋の筋力アップには時間がかかると思いますが、是非気長に続けてみて下さい。
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C、脚長差への対策
皆さんは、現在、どのような治療法や対策をすれば良いのか悩むことが多いと思います。
まずは、ある方法を試みようとする時一気に回数を多く、一気に強い負荷で行わないことが重要です。
回数も負荷も徐々に増やしながら様子を見て下さい。
テレビ番組や雑誌などで『股関節に良い○○の運動を30回行って下さい。』という説明があったとすると5回とか10回から徐々に軽めに行って下さい。
この場合の『30回』という説明には何の根拠もありませんし、皆さん一人ひとりの状態に個人差が大きすぎるので注意が必要です。
筋トレやストレッチでは回数が多いほど効果があるものではありません。
むしろ、回数が多いほどケガをしやすくなります。
変形性股関節症では特に注意しなければならないことです。
この判断を間違えると、皆さんの症状が非常に悪化する方もいるのです。
全ての治療法が皆さんの現状に合っているのかという判断は全て皆さんの身体が教えてくれます。
ある治療法を試みた時、その結果、身体の調子が良い方に向かえばその治療法は皆さんの身体に合っていると考え、その結果身体の不調をもたらすようなら皆さんの身体に合っていないと判断してすぐにやめて下さい。
さて、脚長差の話です。
片足の股関節に変形が起きると骨の長さが短くなるので左右の脚の長さに差が出ます。
この差を脚長差(きゃくちょうさ)と呼びます。
脚長差への対策としては、基本的には脚が短くなった方の靴の中に中敷きを入れたり、靴の踵を少し高くしたり、室内では短いほうだけにスリッパを履いたりして対応する方法が主になります。
実際に行ってみて、自分に効果がありそうと感じれば続けて良いと思いますが、違和感があったり股関節痛があったりする場合は皆さんの身体には合っていないと判断して中止してください。
脚長差がどの程度あるかどうかは、レントゲン写真を使って計測するのが一番正確だと思います。
メジャーを使って腰骨の上前腸骨棘から内くるぶし(内果)までを計って左右差を知ることも可能です。
このような、他覚的な計測方法はありますが、私が日頃感じているのは自覚的脚長差が非常に重要だと感じています。
ある患者さんは、脚長差が1.5cmありましたが、その方は「今日は片足が短いけど、昨日は同じでした。」と良く言っていました。
また、脚長差が1.5cmある方でも「全く脚長差を感じたことが無い。」という方もいますし、脚長差が1.0cmでも脚長差による違和感を強く訴える方がいます。
患者さんの歴史や筋肉の状態によって自覚的脚長差は一定ではありません。
また、稀に短い脚の方の骨盤が下がることによって見かけ上の脚長差に差が無い方もいます。
実際に長さを計測するという他覚的な計測法で脚長差があるから、その差を靴の中敷きを増やすことや、靴のかかとを短いほうだけ高くして調整すればよいというものではないと感じています。
脚の長さに違和感がある方は、一度高さの調整(補高)を行ってみてください。
その方法が、皆さんに合っているかどうかは皆さんの身体が教えてくれるはずですので、その自覚的な効果に従って、補高を継続するのか中止にするのかを判断すればよいと思います。
変形性股関節症の歴史が長い方の場合、背骨が少し曲がったり、骨盤が少し傾いたりすることによって皆さんが楽に動けるように身体が勝手に調整してくれていることが多いです。
他覚的検査によって脚長差があるからといって、補高を行えばよいというものではなく、全ては皆さんの身体が教えてくれるのです。
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3、機能障害の治し方
B、屈曲拘縮の治し方
股関節はあらゆる方向に動く関節です。
従って、どの方向の動きが著しく悪くなっても多かれ少なかれ日常生活に支障は出ます。
歩行に限って説明すると、股関節が曲がったままで伸びない関節可動域制限(屈曲拘縮)はかなり歩行に支障をもたらします。
屈曲拘縮は、上向きに寝た時に膝の裏が床につかないことで判断できます。(図1)
図1 屈曲拘縮(寝た状態)
膝関節が曲がったまま伸びない方もいると思いますので、膝はちゃんと伸びるという条件のもとでの話になります。
本来股関節は前側には120度曲がり(上向きに寝て膝を抱えた状態を股関節の屈曲と言います)、後ろ側には20度動きますが、屈曲拘縮では、股関節が後ろに20度動くどころか股関節が曲がったままで全く後ろに動かない状態になり、立った状態では反り腰や出尻となります。(図2)
図2 屈曲拘縮(立った状態B:反り腰と出尻 Aは正常)
屈曲拘縮がある状態では歩行が難しいのはもちろんですが、上向きに寝ることが困難になることがあります。(図1)そういう場合は、膝の下に半円まくら(図3)などを入れて膝の裏が支えられるように
工夫してあげると股関節は楽になり、睡眠がとりやすくなるとともに股関節痛の改善につながる可能性も
出てきます。
一般的に、股関節と膝関節を軽く曲げた状態は『良肢位:りょうしい』と呼ばれ、股関節にとっても膝関節にとっても非常にリラックスした状態になります。
屈曲拘縮がある時に限らず、寝る時や休憩時に横になる時などは、膝の下に枕を入れてあげると股関節は力が抜けてリラックスし、股関節痛の改善も期待できます。
図3 膝下半円まくら
次に、股関節に起こった屈曲拘縮を改善させる方法を説明します。(図4)
図4 股関節屈曲拘縮の改善法
この図では、右足の屈曲拘縮を右脚の重さによるストレッチにて改善させています。
少し高さのあるベッドにあおむけに寝て、良い方の脚(この図では左脚)を曲げて悪い方の脚をベッドから垂らします。
この方法で、患側の縮んだ腸腰筋がストレッチされます。
屈曲拘縮でお困りの方は、この方法で屈曲拘縮の改善を試みてみましょう。
通常、人が歩く時は踵から床に着きます(踵接地)が、屈曲拘縮が起こるとつま先から床に着きやすく(つま先接地)なり、筋肉の使い方が大きく異なります。
股関節の屈曲拘縮を改善し、踵接地を目指しましょう!
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3、機能障害の治し方
A、筋力低下の治し方
脚に体重をかける方法については、前著『股関節痛は怖くない!』に書きました。
図1 前著に書いた患側荷重法
ここではもっと簡単な方法を説明してみます。
どちらの方法も股関節をほとんど動かさないので安全な筋トレ法になり、歩行の準備にもなります。
患側荷重法(別法)
A、脚を20cmほど開いて立ちます。
B、悪い方の脚(患側)の方に骨盤を水平移動します。この時、良い方の脚にはほんの少し
体重が残る程度にします。
C、この時、両肩の高さは水平を保ちます。
図2 患側荷重法(別法)
この荷重法は、一般的に言われている『休めの姿勢』です。
脚長差があって荷重しづらい時は、短い方の脚だけスリッパなどを履いて行うと良いでしょう。
日常生活の中で気がついた時にこの荷重法を2~3分行うと良いと思いますが、まずは歯を磨く時だけ試みたりするのもよいでしょう。
この患側荷重法は、しばらく忘れていた患側に体重をかけるという感覚を皆さんの脳に再学習させる方法であり、非常に簡単で安全な筋トレ法になります。
脚をかばうから筋力が低下するのだから、脚に体重をかけて左右均等に荷重できるようになれば筋力低下は予防・改善できるのです。
横向いて寝て股関節を動かしながら足を上に挙げる、それも重りをつけて。
この方法は、股関節を傷めやすく『変形性股関節症は進行性の病気です。』となってしまうもう30年前の方法です。
皆さんの中には、股関節痛によって運動量が減っているからどんどん筋力が低下するのではないかと心配される方も多いと思います。
脚をかばえば、かばった分は筋力が低下しますが、その割合は非常に少ないと思います。
皆さんには日頃意識していない2つの事が皆さんの筋力の低下を防いでくれています。
この2つの事を理解できると筋力低下の不安や焦りから解放される方も多いと思います。
その2つの事は次の通りです。
A、重力
B、バランス反応
地球には常に重力が存在しますが、皆さんが重力を意識することはほとんど無いと思います。
皆さんが立っている時、完全に力を抜いたとすると、地面に倒れるはずです。
ところが、皆さんは無意識にリラックスして立っていても床に倒れません。
それはなぜですか?
おそらくそんなことを考えたこともないと思いますが、人の脚に重力(体重)がかかった時、身体全体の筋肉が反射的(無意識)に一斉に収縮して皆さんが倒れないように身体を一所懸命支えているのです。
その時に筋肉は予想外に働いています。
ですから、トイレに行けたり立って歯磨きができたりする方には皆さんが想像するような筋力低下は起こらないのです。
皆さんが想像する運動不足による筋力低下は、食事も排泄も寝たままという寝たきりの状態の時に起こる現象です。
寝たきり状態では、重力に対する体の支えを必要としないからですね。
もう一つのバランス反応ですが、このバランス反応は脳や脊髄で無意識に調整されていますので、皆さんはバランス反応も意識したことが無いと思います。
例えば、マネキン人形を立たせて、軽く指で押すと簡単に倒れてしまいます。
ところが皆さんが力を抜いて無意識に立っている時でも、ちょっと指で押したぐらいでは全然びくともしません。
それはなぜですか?
皆さんの身体は、重力を感じながらバランス良く立つことを無意識に行っているからです。
例えば、赤ちゃんを抱きあげて身体を斜めにしても、頭は常に真っすぐに保とうとします。
赤ちゃんがちゃんと計算してそうしているのではなく、これが誰にでも備わっているバランス反応です。
この、バランス反応は歩く時などにはさらに大きな役割を担っています。
そして、このバランス反応を実践してくれているのが筋肉です。
このように、皆さんが無意識に行っている重力を支えることや、バランスを保つ時のバランス反応によって筋肉は結構使われているので、皆さんが想像するような筋力低下は起きないのです。
立ち仕事をすると、非常に疲れやすい事は皆さんにも容易に想像できると思います。
じっと立っているだけでほとんど動かなくとも疲れるのです。
2時間不動で立っていたとすると、ほぼ全身の筋肉は2時間収縮しっぱなしで皆さんの身体を支え、みなさんの姿勢を微妙に調整しているのです。
その筋肉の働きが理解できると、立ち仕事で疲れる理由も納得がいくと思います。
何か運動しないと筋力が低下するという自分を苦しめる思考はこのブログを読んだ時から捨て去ってください。
変形がある時期に股関節痛を出して安静をアピールしている関節包や筋肉に対して、筋トレを行う理由を説明できますか?
メリットを説明できますか?
運動をしないと筋力はどんどん低下するという考え方を捨てられない方は、自分の股関節を進行するかのように悪化させます。
これも、「変形性股関節症は進行性です。」と言われる一因になっていることを自覚して頂ければ幸いです。
かつて、私がそのように説明すると「筋トレを止めるくらいなら死んだほうがまし。」という方が実在しました。
とにかく、現在の社会風潮が「筋トレして下さい。」ですからね、そのような方の考え方も理解できます。
その考え方も患者さんの希望ですので、私は筋トレをやめられない患者さんには「筋トレを続けるのであれば、定期的に筋肉の疲労を取りに来て下さい。」と説明して必死に筋疲労を取ろうとしますが、残念ながらほとんどの方が悪化していきました。
繰り返しますが、変形性股関節症は筋力がどんどん低下する病気ではありません。
股関節痛が少しでも和らぎ、ここに書いたことを理解でき、患側への荷重法が行えたら、皆さんが抱えてきた怖さも和ぐはずです。
さぁ、『ほぐして体重をかける』、お尻まわりやももの筋肉をほぐして患側に体重をかけてみましょう!
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このブログは6月19日で終了予定です。
いつもありがとうございます。
3、機能障害の治し方
先に変形性股関節症の治り方の特殊性で説明したように、変形性股関節症は様々な機能障害を伴って治るという特殊性があります。
ここでは、その代表的機能障害への対策を説明します。
A、筋力低下の治し方
皆さんに起こる筋力低下の原因は脚をかばうことです。
変形性股関節症はどんどん筋力が低下する病気ではありません。
筋力低下に関して、私には忘れられない患者さんがいます。
この患者さんは、病院の先生から脚をかばうように指導されました。
この患者さんは非常にまじめな方で杖を使いながら何年も徹底して脚をかばってきたとおっしゃっていました。
その結果どうなったかというと、患側の脚は細くなり、骨の変形は末期となり、関節可動域が狭くなり、患側の骨盤が挙上して脚長差が大きくなっていました。
この結果に対して病院の先生は「この病気は進行性だからね。」と説明すると思うのですが、それは大きな間違いです。
この患者さんは私に「本当に徹底して脚をかばってきたんです!でも、その結果がこの状態なんです。」と泣きながら訴えてきました。
もう何十年も繰り返されてきた「足をかばって筋トレしなさい。」という指導の結果が「この病気は進行性の病気です。」だったのです。
この結果は医療従事者の責任です。
私もかつてはその医療従事者でした。
病院に勤務している時には気づけませんでした。
すみませんでした。
病院を辞めて患者さんと接する時間が増えると理解できる真実だと感じています。
人の脚は、体重を支えることで筋肉だけでなく骨も弱くなる(萎縮)のを防ぎながら血流を良くしています。
おおげさに言うと、「脚をかばいなさい。」とは、寝たきり状態に近づきなさいという言葉です。それでは廃用症候群が悪化するのは目に見えています。
筋力が低下して、骨密度は低下します!
骨の強さは、骨質と骨量で決まります。
骨量とは骨密度の事で、骨密度を改善させる薬でも改善できるかもしれませんが、骨質と骨量を改善させるために、まずはかばっていた脚に体重をかけることが重要なのです。
骨は硬さ(骨量)の中に柔らかさ(骨質)が無いと骨折しやすくなります。
このように、筋肉も骨も弱くなることは明らかであるにもかかわらず、なぜ脚をかばうように指導するのでしょうか?
皆さんにはしっかりとご理解して頂きたいのですが、皆さんの脚の筋力が低下して脚が細くなる原因は唯一脚をかばうことです。
そこで考えなければならないのは、皆さんはなぜ脚をかばうように指導されるのかということです。
「脚をかばって下さい。」「杖を使って下さい。」と指導する背景には、次のような間違った考えがあるものと思われます。
A、体重をかけると軟骨が擦り減るから
B、脚をかばうと、股関節に加わる負担が減って股関節が長持ちするから
C、股関節が痛いのだから、脚をかばえばその痛みを軽減できるから
D、骨や軟骨を守るために脚をかばい、その結果起こる筋力低下に対しては筋トレをすれば良い
その筋トレ法としては脚に負担のかからないプールでの運動が良い
一見、まともな考え方のように感じます。私も大学病院時代にはそのように指導され、そのように考えていた時期がありました。
体重をかけたくらいで軟骨が減るのであればマラソン選手は大変なことになります。
このように書くと、股関節の屋根が浅い臼蓋形成不全がある人は体重が股関節の一部に集中するので軟骨が減りやすいという反論が必ずあります。
しかし、臼蓋形成不全は子供の頃からある症状なので、それが大人になって急に軟骨が摩擦によって擦り減るとは考えられません。
軟骨が減るのは、軟骨軟化症や炎症が強い時のみで、その状態の時も摩擦で減るのではありません。
軟骨の栄養障害や炎症時に分泌される炎症物質による軟骨細胞の減少によって減るのです。
確かに、関節包内の炎症が強い時期には一時的に杖を使って脚をかばっても良い時期はあります。
しかし、すべての患者さんに対して、期限を定めずに「脚をかばいなさい。」と指導するのは間違っています。
では、皆さんはどうすればいいのでしょうか?
皆さんが脚をかばう理由を考えると解決策が生まれます。
皆さんが脚をかばう理由を考えてみましょう。
A、股関節痛があるから。
B、病院の先生に指導されたから
C、怖いから
D、脚に体重をかけると不安定だから
だいたいこのような理由ではないでしょうか?
不安定というのは筋力が十分に発揮できない状態か、筋力低下がすでに起こっていると考えて良いと思います。それは、股関節痛の為に無意識のうちに脚に体重をかけられなかったからでしょう。
脚をかばうことによって起こる筋力低下の対策は『ほぐして体重をかける』です。
皆さんが脚に体重をかける時に、皆さんの体重を支えているのは脚全体の筋肉です。
皆さんが脚に体重をかけると、無意識(反射)に脚全体の筋肉は収縮し、重力によって加わる皆さんの体重を支えているのです。これが一種の筋力トレーニングになっているのです。
脚に体重をかけて筋肉が収縮した時に痛みを感じる状態では、いくら筋力があってもその筋力を十分発揮できなくなり脚を支えるのが不安定になります。
従って、まずは、痛みを出している筋肉をほぐして筋肉を正常に戻さなくてはなりません。
座った状態でお尻の下にテニスボールを置いて体重をかけてお尻の筋肉をほぐしてみましょう。
また、うつ伏せに寝てももの付け根にテニスボールを置いて体重をかけてほぐしてみましょう。
自分の股関節痛の場所をしっかり観察して、痛む周囲をほぐしたら、次は悪い方の脚に体重をかけてみましょう。
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💗変形性股関節症は治る病気です!💗
2、筋筋膜症候群の治し方
B、深圧
深圧の根本的な考え方は欧米から始まった西洋医学になりますので、東洋医学的な要素は全くありません。
深圧の特徴は、主に肘の下にある広い面積の骨で深層筋まで直接ストレッチすることです。
深圧の強さは患者さんによって異なりますが、だいたい30kg~50kgの力で筋肉を圧します。
「筋肉を強く押すと筋肉が傷む」という根拠のない説明をする先生がいますが、もしも、そのような先生がいましたら「先生は強く押したことがあるのですか?」と問い返してみて下さい。
私が深圧を始めたのは、埼玉医科大学病院に勤務していた1996年4月からですので、現時点で25 年になります。この25年間の経験が筋肉を強く押しても傷まない根拠になります。
もちろん、あまりにも暴力的な方法では筋肉が傷むこともあるでしょうが、筋肉が傷まない方法で行っていますので筋肉を傷めることはありません。
皆さんは信じられないかもしれませが、私の深圧のモットーは『優しく強く押す』です。
一見矛盾する言葉のようですが、それは可能です。
私は帝京大学病院で膝関節の勉強をして、埼玉医科大学病院で股関節の勉強をしていたので、当初は「膝関節が専門です。」と患者さんには話していました。
はじめの方で紹介しましたAさんの噂が広がり急激に股関節患者さんが増えました。
当時は整骨院で雇われ院長をしていました。
その整骨院に通って下さっていた患者さん達の中に変形性股関節症患者さん達が各地で作っている患者会の中心となって活動している方々がいらっしゃいました。
その方々から股関節専門になってほしいという要望が何度もあったので、多くの患者さん達に担がれるような形で股関節専門になり20年以上深圧を続けています。
皆さんは、深圧で筋肉をほぐしてもすぐに元に戻ってしまうのではないかとお考えかも知れません。
確かに、すぐ戻る時期はあります。
それは、関節包に炎症が強い時期です。
その炎症もピークを過ぎてくると、筋肉をほぐした効果は持続し、炎症の終息と共に筋肉が硬くなることは無くなります。
これは、筋肉が柔らかくなってくると筋肉内の血液循環が良くなるからです。
一日の筋肉疲労がお風呂に入って寝ている間に取りきれる筋肉、つまり病的な筋肉がほぐれて正常な筋肉に戻っていきます。
深圧を初めて受けられた方のその後の経過ですが、その日から2日間くらいはもみ返しが出る方が多いです。
患者さんの体質によってもみ返しが全く出ない方や5日くらい押されたところのだるさや、触ると痛い感じが残る方もいます。
その、もみ返しが取れた後が楽になってくる方が多いです。
当院の通院回数は通常1ヶ月に1~2回です。
2回目に来られた時に前回の深圧の効果について問診しますが、この時点で少しでも改善の兆しがある方は、その後どんどん改善する可能性が高く、このような経過患者さんに対して私は前回とほぼ同じプログラムで深圧を行います。
2回目に来られた時に、効果の実感がない場合は次の2つのことを考えます。
1、前回の深圧プログラムは、股関節痛の原因筋をほぐせていないのではないか?
2、股関節痛の原因が筋筋膜症候群ではなく関節包内の炎症ではないか?
1、の場合と仮定すると深圧のプログラムを変えて前回あまり深圧しなかった筋肉の深圧にて原因筋を探し求めます。
また、2、の場合と仮定すると、今後股関節の関節可動域が悪化する可能性があるので、深圧で筋肉をストレッチ(直接ストレッチ)した後、関節可動域を広めるためのストレッチ(間接ストレッチ)を行います。
2回目に来られた時の効果の実感の程度に合わせて深圧のプログラムを考え、3回目の来院時には再び効果を確認し、プログラムを再検討を毎回検討します。
そして、筋肉が病的な状態から正常に近づいた患者さんは、当院への通院期間を徐々に広げ、患者さん自身に自信がついて『もう通院しなくても良いかな』と感じたら終了としています。
この判断も患者さんの希望を優先しています。
現在、当院には股関節痛は無くなっているのに通院してくださっている方もいます。
皆さんの究極の目標は現在の股関節を長持ちさせることです。
そいう言う目的を強く感じている患者さんは、股関節痛が無くなってもメンテナンスの為に通院されています。
深圧の目的は次のとおりです。
A、筋筋膜症候群による股関節痛の改善
B、筋肉内の血流を改善させ、自然治癒力を向上させる
C、関節可動域を広げ、歩行や立ち上がりなどの日常生活動作を容易にする
D、股関節を長持ちさせる
筋肉を筋肉を正常に戻すと筋力が改善し、その結果、股関節の衝撃吸収力の向上、
軟骨軟化症の予防により軟骨や骨を守る
E、患者さんに希望を与える(変形性股関節治療の選択肢)
深圧は当院のオリジナル法ですので、皆さんが近所で探すときは、『筋膜リリース』『マイオセラピー』『指圧』等の項目が掲げられている施術所を訪ねてみてはいかがでしょうか?
しかし、その前に、ぜひ自分で自分の痛みの場所を詳しく観察して、その部位や周辺をほぐすことをお勧めします。
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💗変形性股関節症は治る病気です!💗