変形性股関節症は治る病気です!

変形性股関節症は治り方が特殊なため『治る病気』とは理解されていないのが現状です。そんな現状を変えていくブログです。

痛みの股関節解剖学 2

2021-03-31 22:00:47 | 日記

gooブログのアプリがまだうまく使えず、出かけ先でスマホから新しい記事をうまく公開できませんね。

慣れるまでもう少し。

 

関節包(一部軟骨の話も含まれます)

股関節の骨と軟骨は、痛みを感じる神経の数が非常に非常に多い関節包と呼ばれる袋に覆われます。(図1)

関節包は骨膜の続きである外側の線維膜と内側の滑膜の2層構造になっています。

 

 

   

図1 股関節の関節包  ※参考図  

 

『関節包は骨膜の続き』と書くと、勘違いが生じるかもしれません。

『骨膜は骨を包んでいる膜』ですので、関節包の形が図2の様になっていると勘違いしている医療従事者も多いです。

図2勘違いされた関節包

 

この図の赤い線が痛みを感じる部分になりますので、これなら骨と骨が当たると痛そうですね。

ところが、実際の骨膜と関節包の関係は図3のとおりです。

 

 

図3実際の関節包

 

実際の股関節、皆さんが足に体重をかけた時に体重のかかる股関節の隙間には痛みを感じる骨膜(関節包)は存在しません。

骨膜は関節になると膨らんで袋状になるのですね。

 

関節包の主な役割は関節包の内部に滑膜(かつまく)から出る関節液を貯めておくことです。

この関節液に含まれる栄養分を軟骨細胞が吸収することによって軟骨は生きています。

皆さんが脚に体重をかけた時に軟骨に加わる圧力によって軟骨から関節液が関節包内に排出され、皆さんが脚を床から離した時に軟骨内に関節液が吸収されているのです。

 

従って、軟骨に十分な栄養が行き届かない環境が長く続くと軟骨細胞は少なくなります。この状態は軟骨軟化症と呼ばれています。

図4 軟骨軟化症

 

私は、軟骨軟化症が起こることによって軟骨が減ると考えていますが、一般的には体重がかかって動く時の摩擦によって『軟骨が擦り減る』かのように説明されることが多いと思います。

 

皆さんは、『軟骨が擦り減る』との説明を受けると、脚に体重をかけることが怖くなると思います。

では、何度も何度も強い衝撃が股関節に加わっているマラソン選手は、すぐに軟骨が擦り減ってしまうのでしょうか?

しかしそんな話聞いたことないですよね?

 

皆さん、軟骨が擦り減るという話、なんかおかしいと思いませんか?

 

関節包に貯められた関節液には骨盤側の軟骨と大腿骨側の軟骨が擦れて摩擦が起きないように軟骨間の潤滑油としての役割や、摩擦熱を冷却する役割もあります。

軟骨はクッションになるほど大きな存在ではありません。

股関節の骨盤側の軟骨と大腿骨側の軟骨との摩擦が起きないように人体に準備された軟骨は非常にツルツルした潤滑組織なのです。

 

従って、軟骨の役割はクッションではなく、軟骨が擦り減らないための潤滑組織ですので、軟骨が『擦り減る』という表現は非常に理解しにくい言葉なんですね。

 

 

 

 

💗変形性股関節症は治る病気です💗 

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A

 

 

 


痛みの股関節解剖学 1

2021-03-30 12:31:10 | 日記

今後のブログ記事を理解しやすいように、簡単な解剖学から始めましょう。

できるだけ簡単に説明しますので、ぜひ読んでくださいね。

 

 

股関節痛はレントゲン写真に写りません!

 

概要にも書いたように皆さんの身体の髪や爪には痛みを感じる神経が無いのでハサミで切っても痛み

は感じません。

痛みを感じる部位には必ず痛みを感じる神経があります。

 

では、この痛みを感じる神経はレントゲン写真に写るのでしょうか?

 

整形外科の先生方は、レントゲン写真を見ながら診療を行いますが、レントゲン写真には痛みを感じる神経がほとんど無い骨しか写りません。(正確には軟骨は写りません)

病院では痛みを感じない骨だけを見て股関節痛の診察をしているのですね。

 

これから変形性股関節症の本当の姿を説明致しますが、その前に説明を理解しやすくするために痛みを感じる組織を中心とした股関節の痛みの解剖学を簡単に説明します。

 

皆さんの悩みの種である股関節痛は、いったいどの組織で感じているのでしょうか?

 

 

神経のある組織と神経の無い組織

痛みを感じる神経のある組織と神経の無い組織を理解しておくことは皆さんにとって非常に重要だと思います。

 

股関節の一番奥(内側)にはがあり、骨と骨の間の関節には軟骨があります。

骨と軟骨は関節包と呼ばれる袋に包まれています。

関節包の外側には非常に強靭な3本の靭帯があり、靭帯の外側には22本の筋肉があり、その外側に脂肪組織と皮膚があります。

 

次に、股関節周囲のこれらの組織を簡単に説明し、各組織に痛みを感じる神経があるのかどうかについて説明します。

 

骨と軟骨

概要にも書きましたように股関節の軟骨と骨には痛みを感じる神経がほとんどありません。

神経についてさらに理解を深めるために、人体の血管と神経の解剖学を比較してみましょう。

 

人の血管は血液を運んでいますが、必ず心臓から血管でつながっています。

 

同様に、皆さんが感じる股関節痛は股関節周囲の神経で感知し、その神経は必ず脳につながって脳で痛みを認識しています。

 

心臓から出た血管は股関節の骨を包む骨膜まで達し、その後骨に開いた穴(栄養孔)から骨の中に入り、骨の栄養を養っています。(図1)

 

 

 

 

図1 栄養孔から骨の中への血管の侵入

 

血管が心臓から骨の中に入るまでの経路は非常に明らかになっていて、解剖学の本ならどの本にも載っています。皆さんにも簡単に調べることのできる事実です。

 

ところが、脳から出た神経は股関節周囲の骨膜まで達することは詳しく書かれた解剖学の本があるのに、骨膜から骨の中に神経がどうやって入り、どのように骨の中に分布しているのかということについて書かれている本はいくら探しても見つかりません。

 

不思議な話です。骨の神経については意外とわかっていないことが多いのかもしれません。

 

それにもかかわらず、皆さんに対しては「骨と骨が当たっているから痛いのです。」と、骨の中の神経の痛みが股関節痛の原因だと説明されているのです。

 

軟骨には痛みを感じる神経は無く、骨には痛みを感じる神経はあるもののその数は非常に非常に少ないのです。

 

股関節は骨盤側にある寛骨(かんこつ)のへこみである寛骨臼(かんこつきゅう)と、ももにある大腿骨の一番上にある出っ張りである大腿骨頭(だいたいこっとう)で構成されています。(図2)

この2つの骨が接し合う隙間の部分が股関節になります。

 

股関節の隙間には軟骨がありますので、隙間の幅を見ることでおおまかな軟骨の厚さがわかります。

 

皆さんが病院で自分のレントゲン写真を見る時は、鼠径部のほぼ中央にある骨盤側の寛骨臼のラインと大腿骨の大腿骨頭のラインの2本のラインだけを見ると良いでしょう。(図3)

 

股関節を動かす時はこの2本のラインで動きますので、他の部位は股関節を構成する骨ではありますが厳密には股関節ではありません。

 

    

 図2 股関節の骨   ※参考図    

 

 

 

   

 図3 股関節の2本のライン(骨盤側の縁のラインと大腿骨側の縁のライン:赤いライン)

 

この2本のラインで構成されている股関節が本当の股関節で、この関節は皆さんが椅子に座った時にできるももの上のシワ(鼠径部(そけいぶ))のほぼ中央の奥にあります。かなり奥なので股関節を触ることはできません。

 

おそらく、股関節の位置は皆さんが思っているよりも内側にありますので、皆さんの多くが痛みを感じるももの上の外側やお尻の外側のぐりぐりした骨は股関節ではありません。

一度自分の股関節の位置を確認してみて下さいね。

 

 

 

                         

             

    図4 股関節の位置

 

 

💗変形性股関節症は治る病気です💗

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A

 

 

 

 


個人差は皆さんが思う以上に大きいです。

2021-03-28 00:33:33 | 日記

変形性股関節症が治る病気であることを説明する前に個人差の存在のご理解をお願いします。

 

その個人差は、皆さんが考える以上に大きいものです。

 

従って、ある方には有効な方法でも、別の方には悪化する方法であることも多いです。

雑誌やテレビで『股関節に良い○○』というのも実は『股関節を悪化させる○○』である可能性も高いのです。

ネット上に溢れる『変形性股関節症とは・・・』という内容にも、その内容に当てはまらない方の方が多いのです。

変形性股関節症の他の方と自分を比較するのも全く意味がありません。

 

様々な『股関節に良いこと』をとりあえず試してみることは重要です。

しかし、1回試してみたら、その後の身体の反応を見て『なんかよい感じ』と感じた時だけ続けるようにすると良いでしょう。

しかし、その『なんかよい感じ』も時間の経過と共に変化することもあることを忘れないでください。

 

変形性股関節症の個人差 

 

変形性股関節症というひとつの病名があります。

整形外科の教科書や様々なメディアでは変形性股関節症についてほぼ同様な一つの症状説明やトレーニング法などが説明されています。

日本整形外科学会の変形性股関節症に対する説明は次のとおりです。

 

私の18年間に及ぶ病院勤務時には、私も同様な考え方でした。

 

ところが、病院勤務をやめて多くの変形性股関節症患者さんの長期経過観察を行って感じたことは、変形性股関節症といっても、その症状はひとり一人で大きく異なるという現実でした。

 

日本整形外科学会の説明のように症状が徐々に進行し、徐々に悪化する方は実際に存在しますが、その確率は30%前後ではないかという印象を持っています。

それほど個人差が大きな病気です。

 

大きな個人差は、変形性股関節症のタイプ(病歴)、病期、病型、そして皆さんの体質など様々な要因がひとり一人大きく異なることから生まれています。

 

 

 

雑誌やネットでの変形性股関節症に関する説明、トレーニング方法など説明は参考にならないことが多いという考え方を持つことは非常に重要です。

 

そんなに個人差が大きいのなら、「じゃぁ、私はどうすればいいの?」と戸惑うことでしょう。

このブログでは、非常に大きな個人差を形成する様々に要因の相違点を説明し、皆さんひとり一人に合った対策が取れる考え方が身につくよう心がけました。

皆さんには、このブログの情報もふまえて総合的に情報整理し生活して頂きたいと切に願います。

 

 

💗変形性股関節症は治る病気です!💗

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A

 


変形性股関節症は治る病気です! 概要4

2021-03-27 23:57:43 | 日記

骨の変形は股関節痛の原因ではないということを説明しました。

 

しかし、どうしても変形が原因なんだと考えて研究を行い、そして、その研究を用いて、変形が原因ですと患者さんに説明したい先生もいるようです。

 

ある先生のブログでは、次の研究を紹介して、『一般的には関節包の炎症が股関節痛の原因と考えられているけど、やっぱり股関節内の神経が股関節痛の原因なんだ!』と書かれていました。

 

その研究とは、関節炎研究英国痛みセンターのマップ氏らが行った膝関節手術を受けた患者を対象とした研究です。

 

この研究の結果では、ひざ関節の軟骨の下にある骨から血管と共に神経が軟骨内に侵入することが37例中13例で確認されています

 

この研究結果を、股関節に当てはめて説明すると、股関節の軟骨の下にある骨の中の血管と神経が、股関節の骨の変形によって股関節の中に侵入していたという報告になります。

 

しかし、もともと軟骨の下にある骨には痛みを感じる神経数が非常に少ない事実と、血管には痛みを感じない自律神経がくっついていることが常識であるということから、軟骨の下にある血管と神経が股関節の軟骨の間に侵入することはあったとしても股関節痛の原因とは考えられません。

 

従って、レントゲン写真に写っているのは痛みを感じる神経が全くない軟骨と痛みを感じる神経が非常に少ない骨が写っており、皆さんはそのレントゲン写真を見せられて股関節痛の説明を受けていると考えた方がはるかに説明がつきます。

 

皆さんはそんな診察法で済まされていいのでしょうか?

 

もっと、細かな問診や、痛みを感じる神経が豊富でレントゲン写真に写らない関節包、靭帯、筋肉についての触診が必要ではないでしょうか?

 

 

骨に神経があるのか?

 

そう問われるとその答えは「骨に神経はあります。」となるのですが、私は骨に痛みを感じる神経の数があまりにも少なく、骨よりも圧倒的に神経の数が多い関節包についてもっと注目すべきだとの考えから、あえて「骨に神経は無い。」と答えることが多いです。

 

私が信頼する和歌山市の整形外科医坂井学先生との勉強会で、坂井先生は次のように話してくれました。

 

 

「骨の手術をする時、骨に至るまでの皮膚、脂肪、筋肉、靭帯や骨膜(関節包)には神経が多いので麻酔薬を使い慎重に手術しますが、骨には神経が無いので麻酔薬も使わず手術していました。」

 

「病院勤務時には、診察時に神経の無い骨や軟骨に痛みの原因があるように嘘の説明をしなくてはならないのがつらくて病院を辞めました。」

 

 

この先生は「形を見ることに意味はなく、働きを診なければならない。」との考えで自分の医院にはレントゲン装置を置いていないことも教えてくださいました。

私の出身地と坂井先生の医院が近かったので実際に見学にも行きましたが、やはり、レントゲン装置は置いていませんでしたね。

 

この先生から整形外科医としての考え方や経験談を学べたことは、私達にとって非常に大きな財産になっています。

 

このように、変形性股関節症による股関節痛の原因が、一般的に説明されている内容と異なり、治る可能性のある症状が原因だと仮定すると股関節痛は治りそうですよね?

 

そうです、一般的な印象と異なり股関節痛は治るのです。

そして、骨や軟骨の変形も治ります。

骨や軟骨の変形の経過をレントゲン写真で見てみると、確かにある時期までは骨が破壊されるかのような画像が見られることもあります。

しかし、重要なことはその後の経過です。

 

一度、破壊されたかのように見える軟骨や骨は徐々に綺麗に修復されて芸術的な綺麗さをもって変化は止まります

 

図1 骨が治った方のレントゲン写真(股関節痛は全くありません)

 

軟骨や骨の変形は、そのような長期経過を経て治るのです。(変化が止まる=骨が治る)

 

変形性股関節症が治った時の状況は、皆さんが想像していた状況とは異なると思います。

変形性股関節症は変形のある状態で治るのです。

 

例えば、骨に『末期』と呼ばれる変形があるのに走ることができて、痛み無く生活がおくれている方がいるのはそういう理由です。

 

その様な方々がいらっしゃることは病院の先生方もご存じのはずですし、もしかしたら皆さんもそのような方々の話を聞いたことがあるのではないでしょうか?

 

このブログでは、変形性股関節症が一般的なイメージと異なり治るということをできる限り多くの図表と病院の先生方による研究論文を引用しながら説明したいと思います。

 

変形性股関節症は治る病気であるという考え方が理解できると、皆さんがこの病気と向き合うときに精神的なストレスが少なくなり、この病気への様々な対策が考えられるようになります。

 

変形性股関節症は治る病気です。

是非、前向きな心身でこの病気と付き合って頂ければとも考えてこのブログを開設しました。

 

変形性股関節症は治る病気なのです!

 

 

💗変形性股関節症は治る病気です!💗

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A

 


変形性股関節症は治る病気です 概要3

2021-03-26 00:11:15 | 日記

病院を辞めてから、多くの患者さんの長期観察ができたことによって、股関節痛の原因が2つであることがわかりました。

 

変形性股関節症による2種類の股関節痛

1、筋肉の痛みが主原因で、筋肉への治療により急激に股関節痛が改善する。

                            (Aさんの経過と同様)

2、関節包内の炎症が主原因で、筋肉への治療では急激に改善しないものの、

  放物線状の経過を辿るように股関節痛が徐々に改善する。(Bさんの経過と同様)

 

 

皆さんの多くは、軟骨や骨の変形が股関節痛の原因だと思われている方も多いことでしょう。

一般的に病院ではレントゲン写真を見ながら股関節痛の原因を次の様に説明されると思います。

 

「軟骨のすり減りが股関節痛の原因です。」 

「骨と骨が当たっているのが股関節痛の原因です。」 

 

また、インターネットや書籍にもそのように説明された文章が多く存在しますので、当然皆さんは股関節痛の原因は軟骨や骨の変形によるものだと信じ込んでいることでしょう。

 

皆さんもご存じのように、『痛み』は痛みを感じる神経で感じ、その情報を神経でつながった脳に伝えています。

皆さんの身体の一部をハサミで切っても痛くない部分があります。

それは、痛みを感じる神経の無い爪や髪です。

 

従って、痛みを感じる神経が無い場所では、痛みを感じません。

皆さんも次のことを是非調べてみてください。

 

軟骨に神経はあるのか?

骨に神経はあるのか?

 

軟骨に関しては100%『痛みを感じる神経は無い。』という情報が溢れているでしょう。

また、骨に関しては『骨の中に痛みを感じる神経は無い。』という情報の方が多く存在するはずです。

まれに『骨の中に痛みを感じる神経がある。』という情報が見つかります。

 

このような情報があふれているにもかかわらず、あたかも股関節痛の原因が100%レントゲン写真に写る骨と関節の隙間(軟骨)だけが原因だと説明されている現状に私は大きな疑問を感じてきました。

 

それは、骨しか診ない診察法の大きな問題点です。

 

皆さんが股関節痛を感じて病院を受診した時、股関節痛があり軟骨や骨の変形が写ったレントゲン写真を見せられたら、皆さんが股関節痛の原因は軟骨や骨の変形だと信じ込むのは当然ですね。

 

しかし皆さん、皆さんの身体の神経の無い場所には痛みを感じないという常識を忘れないでください!

 

2011年にアリゾナ大学のカスタネダ・コラル氏らによる衝撃的な論文の報告がありました。

その論文では、人と同じ哺乳動物であるマウスの大腿骨に存在する痛みを感じる神経数について報告されていました。

この研究結果は、一般的に言われている内容とあまりにもかけ離れた結果でした。

 

骨の周りに分布する痛みを感じる神経数の比率は骨膜:骨:骨髄:軟骨=100:0.1:2:0で、痛みを感じる神経は圧倒的に骨膜に多く存在していました。

 

この論文をわかりやすく説明すると、骨膜(関節包)に1000本の神経がある時、皆さんが「骨と骨が当たっているから痛いのです。」と説明される時の『骨』には1本しか神経が無く、皆さんが「軟骨のすり減りが股関節痛の原因です。」と説明される時の『軟骨』には痛みを感じる神経は全く存在しない、という意味になります。

 

痛みを感じる神経が非常に多い骨膜とは、骨を包む膜のことで、股関節のような関節では関節包と呼ばれています。

皆さんのももにある大腿骨で説明しましょう。

大腿骨の中央付近の骨は骨膜で包まれています。

大腿骨は上に行くと股関節に、下に行くとひざ関節になります。

従って、大腿骨中央付近の骨を包んでいた骨膜は、股関節になると股関節関節包に、ひざ関節になるとひざ関節の関節包になるのです。

骨膜と関節包はつながった同じものと考えて下さい。

 

私はこの論文を初めて読んだ時、多くの患者さんと接する中で普段感じていた印象とまったく一致していたので驚き感激したことを覚えています。

 

皆さんが「軟骨のすり減りが股関節痛の原因です。」とか「骨と骨が当たっているから痛いのです。」と説明されている時に見せられているレントゲン写真に写った股関節の関節面には、痛みを非常に感じやすい骨膜(関節包)は全く存在しません。

 

従って、レントゲン写真で軟骨や骨に変形があっても、皆さんが体重をかけて痛いのは変形が原因ではないことになるのです。

 

まずは、この事実を信じて下さい。

 

変形が股関節痛の原因だと仮定したら、足に体重をかけることが怖くなるでしょうね。

また、変形が股関節痛の原因だと仮定したら、治療法は手術をして形を変えるしかないということになるでしょうね。

 

変形が股関節痛の原因だと考えると、足をかばうようになります。

この足をかばうことは、皆さんの筋肉を衰えさせるだけでなく、皆さんの骨も軟骨も弱くさせるのです。

 

つまり、足をかばうことが『変形性股関節症は進行的に悪化する病気』の原因となっているのです。

 

つづく

 

💗変形性股関節症は治る病気です!💗

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A

 

 

 


変形性股関節症は治る病気です 概要2

2021-03-25 13:05:20 | 日記

私は病院を辞めてからも漠然と『変形性股関節症は進行性の病気なので手術しか治療法はない』と考えていました。

しかし、多くの患者さんに背中を押され、股関節専門として20年以上多くの患者さんと接してきました。

 

 

ここに、変形性股関節症の典型的な治り方をした2人の経過について簡単に説明します。

AさんとBさんの経過は全く異なりますが、股関節痛が改善して変形も維持改善した点に於いては共通しています。

 

この2人の長期経過は、皆さんの代表的な存在ですので、このブログにも度々出てきますからよく覚えておいてください。

 

私が病院勤務を辞めた2年後の1998年に初めてAさんにお会いしました。

Aさんはお姉さんに車椅子を押してもらい来院しました。

左股関節痛のため足を地面に着くことができず、4ヶ所の病院で人工股関節手術を勧められていました。

Aさんに週1回の筋肉だけへの治療(この頃は整骨院勤務でしたので1回の治療時間はせいぜい20分です)を行ったところ、1ヶ月後には自力で杖をつき1時間の道のり(電車が主)を通院できるようになりました。

 

Aさんの急激な改善という出来事は、その後の私の人生を大きく変えました。

Aさんの股関節痛の長期経過ですが、1988年に初めて股関節痛を感じ、その痛みは毎年徐々に悪化し、10年後の1998年にとうとう股関節痛は最大に達していました。(表1)

 

 

横軸:時間の経過(年単位) 縦軸:股関節痛の程度

表1 Aさんの股関節痛の長期経過 (〇が治療開始年)

 

 

つまり、Aさんは股関節痛が最大になって足を地面に着けなくなった時に、私のもとを訪れたということになります。

1998年に開始した治療により股関節痛は急激に改善し、2年後の2000年には股関節痛が全く無くなりました。

 

それから22年後の2021年現在、Aさんは大好きな水泳をほぼ毎日行い、街を歩いていても股関節が悪い方だと気づかれることなく歩け、レントゲン写真も1998年の頃から変化はありません。

 

このことから、レントゲン写真だけの診察法には誤診が多いことがわかりました。

また、経過を見るとこの患者さんに手術以外の適切な治療をすることなく、放置されていたことが『進行性の病気』と勘違いされるということもわかりました。

つまり、骨しか診ないで放置される診療の現状が『変形性股関節症は進行的に悪化』させていたということがわかりました。

 

Aさんの経験から、筋肉への治療だけでも手術が避けられる患者さんがいることがわかりました。

 

ところが、Aさんの筋肉への治療結果の噂が広まり多くの変形性股関節症患者さんが来院されるようになると、筋肉への治療だけではなかなか改善しない患者さん達も多いことに気づき、変形性股関節症による股関節痛のおおもとには股関節関節包(以下関節包:かんせつほう⇒股関節を包む袋)の炎症が関連しているのではないかと考えるようになりました。

 

関節包に起こる炎症の重要性を感じていた2013年2月22日のことでした。

筋肉をほぐすだけでは股関節痛が改善してこなかったBさんの股関節痛が徐々に改善してきた経過をみて、Bさんにある表を書いて頂きました。

時間の経過を横軸に、股関節痛の程度を縦軸にした表を描いてもらった時、あることが確信に変わりました。

その時の長期経過が表2です。

 

表2 Bさんの股関節痛の経過 (〇が治療開始年)

 

このような放物線状を示す長期経過こそ関節包に起こった炎症の経過だと確信できた瞬間でした。

 

私はBさんの様に股関節痛の経過が放物線状を示すことを炎症の山と呼んでいます。

その後、多くの患者さんに深圧を行い長期経過観察することによって変形性股関節症による股関節痛の経過は2種類に分類でき、それぞれで股関節痛の原因が異なることがわかりました。

 

変形性股関節症による2種類の股関節痛

 

1、筋肉の痛みが主原因で、筋肉への治療により急激に股関節痛が改善する。

                            (Aさんの経過と同様)

2、関節包内の炎症が主原因で、筋肉への治療では急激に改善しないものの、

  放物線状の経過を辿るように股関節痛が徐々に改善する。(Bさんの経過と同様)

 

股関節痛に関して説明すると、筋肉の痛みは治るものです、また、炎症による痛みも治るものです。

従って、変形性股関節症による股関節痛は治る方が多いのです。

 

つづく

 

💗変形性股関節症は治る病気です💗

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A

 

 


変形性股関節症は治る病気です! 概要1 

2021-03-24 02:05:35 | 日記

変形性股関節症は治る病気です。

この病気を治す原動力は皆さんの誰もが持っている自然治癒力(自己治癒力)です。

自然治癒力は誰もが持っていることはご理解頂ける事実なのに、変形性股関節症と診断された途端に、この治癒力は無い物の様に扱われています。

 

 

皆さんの中には、このブログの表題を見て不思議に感じた方は多いかもしれません。

変形性股関節症は、どんどん悪化する治らない病気の様に説明されてきたからです。

中には『進行性の病気』と考えている先生も多いと思います。

 

この世界には、進行性の病気が存在しますが、それはどんなに治療を尽くしても現在の医学では改善できない病気であり、一般的にその病気は難病と呼ばれています。

しかし、変形性股関節症は難病指定はされていません。

 

この病気に対する説明があまりにも悪いイメージに偏り過ぎているため、テレビや本でこの病気のことを調べれば調べるほど不安や恐怖心で精神的に落ち込んでいる患者さんは多いです。

変形性股関節症の悪いイメージを少しでも改善させ、皆さんに『治る病気』なんだとわかってもらう目的でこのブログを開設しました。

 

多くの病気が治るように、変形性股関節症も治る病気です。

しかし、変形性股関節症の治り方が非常に特殊なため、この病気は『治る病気』と理解されにくい特徴を持っています。

 

変形性股関節症の治り方の特殊性を理解できれば、皆さんはこの病気と向き合いやすくなるでしょう。

 

 

また、変形性股関節症に対する診療法には間違っている内容も多く含まれています。

この間違った診察法も変形性股関節症が治る病気であると理解されにくい一因ですので、変形性股関節症の本当の姿を知れば知るほど皆さんはさらにこの病気と向き合いやすくなるでしょう。

 

 

このブログは手術を完全否定したブログではありません。

私の経験では約30%前後の方はどうしても手術を避けることはできないと考えています。

そこには、非常に大きな個人差があるからです。

 

同じ変形性股関節症という一つの診断名であっても、ひとり一人の体質、経過(皆さんの歴史)、怪我の有無などによって、ひとり一人の症状は全く異なります。

従って、医療者側の理解や対応次第で手術を避けられる方々が意外と多いです。

その現実と、手術を避けられない場合の手術判断基準や手術前後の考え方についてもこのブログでは書いていきます。

 

 

私は、柔道整復師として整形外科病院に8年間、理学療法士として股関節患者さんの多い大学病院に10年間勤務していました。

当時は、『変形性股関節症は進行性の病気なので手術しか治療法はない』と考えていました。

この頃は、患者さんと接する時間が非常に短く、また、手術を受けるに至った経緯や、退院後の患者さんの経過を知ることは不可能でした。

 

ところが、病院勤務を辞めて多くの患者さんと接する時間が増え、多くの方の症状の変化を長期にわたって観察する機会を得ていくうちに、その考え方が間違っていたことに気づきました。

股関節患者さんの多い病院に勤務し『変形性股関節症は進行性の病気なので手術しか治療法はない』と考えていた者が、その考え方が間違っていたと感じ、その内容をこうして記録として残しておくことは非常に意味のあることだと感じています。

 

現在は、その経験を生かし、股関節を専門とした治療院を開設しています。

 

つづく

 

 

💗変形性股関節症は治る病気です!💗

 

■松本深圧院 ホームページ 私達は全国に出張しています。

 https://www.shin-atsu.com/

 

■松本深圧院オンラインサロン 新しい形の患者会です!

 https://www.shin-atsu-salon.fants.jp/

 

■松本正彦 Youtube版『股関節痛は怖くない!』

https://www.youtube.com/channel/UCSeyqf6AhTPBwR7eRo9Yzig

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!1』

https://blog.goo.ne.jp/mm1110mm

 

■松本正彦 ブログ『股関節痛は怖くない!2』

https://www.shin-atsu.com/director-blog/

 

■松本深圧院 銀座店院長 田山陽平 Youtube

https://www.youtube.com/channel/UCfv6zBW8rWk11L9B9TTK8_A