3、機能障害の治し方
D、歩行時の横揺れ
歩行時の横揺れの原因は、お尻の横にある中殿筋の筋力低下が原因です。
脚長差で横に揺れるのではありません。
中殿筋の働きは、脚を床に着けている時に骨盤を水平に保つことです。
この中殿筋の筋力が低下すると、皆さんが脚に体重をかけた時に骨盤を水平に保てなくなります。
脚をかばう期間が長くなると、ある時期から中殿筋が骨盤を水平に保てなるので骨盤が傾き、その結果として身体が横に揺れるのです。
古い考え方では、中殿筋の働きは脚を外に開く(股関節の外転)働きだと考えられていました。
この考えに基づき、横向きに寝て脚を上に挙げる筋トレが行われていました。
この考えも間違いではないのですが、重い脚を小さな中殿筋で持ち上げるので、変形性股関節症の患者さんにとってはケガをしやすい方法であり、実用性に欠ける方法だと私は考えています。
横向きに寝て脚を上に挙げる中殿筋の筋トレ法は、私の中では30年前の考え方になります。
人は、主に立って脚を地面に着きその脚に体重をかけることで生活をします。
従って、中殿筋の筋トレも脚に体重をかけた状態で行った方が実用的であり安全に行えるのです。
それでは歩行時の身体の横揺れを改善させる中殿筋の鍛え方について説明します。
この方法は、先に説明しました患側荷重法別法の姿勢から、良い方の脚側の骨盤を少し挙げるだけです。
図1 中殿筋の安全な筋トレ法
良い方の脚は、つま先立ち状態になると思います。
この時注意してほしいのは、あくまでも両肩の高さは水平を保つことです。
意外と軽い力で骨盤は挙がり易いので、それほど力を入れなくても大丈夫だと思います。
この図の説明は、右脚が患側で患側の中殿筋を鍛えようとしています。
両側で揺れる方は、両側に対してこの運動をすると良いでしょう。
患側に体重をかけると、反射的に患側の脚全体の筋肉が収縮します。
この方法では、反対側の骨盤を挙げることによって中殿筋の収縮をさらに強くしています。
横向きに寝て脚を上に挙げる方法も、この方法も中殿筋を収縮させて鍛えるという目的は一緒です。
2つの方法の違いは、脚に体重をかけた状態で行うか、体重をかけない状態で行うかによって、筋肉の両端のどちらがどちらに近づきながら収縮するのかという違いです。
つまり、図2で示す中殿筋の両端をAとBにした場合、ここで説明した方法はAがBに近づくことになります。
一方、横向いて脚をあげるという昔から指導されてきた方法では、BがAに近づきます。
図2 中殿筋の収縮方法
このように、中殿筋を収縮させて鍛えようとする目的は一緒なのですが、実用的で安全な方法をここでは説明させて頂きました。
歩行時の横揺れにお悩みの方は、是非トライしてみて下さい。
もちろん、回数は控えめから徐々に増やし、力の入れ具合も軽めから徐々に強くし、自分の身体の反応を見ながら継続するか、中止するかを判断してください。
変形によって、中殿筋の長さ自体が短くなっていることもあり、中殿筋の筋力アップには時間がかかると思いますが、是非気長に続けてみて下さい。
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